男と女
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳)
ドム・カーティ
(元Riバース、赤牛亭の店主、合成獣、男、銀髪、32歳)
【サブ登場人物】
ボイル(Riバース、1位)
イズミ(Riバース、3位)
ユキ(Riバース、研究員)
レイブン(Riバース、8位)
マーク(Riバース、20位)
────地上、A区画
A区画は、所々が氷に覆われていた。
イズミが暴れ回っている証拠である。
しかし、ジェットとの戦いはいまだ継続中。
ジェットが継戦できているのは、彼の戦闘センスや固有強化武器のおかげだけではない。
イズミに対する誘い文句がプロだからだ。
「なぁ、これが終わったらデートしないか?」
「はぁ!?キモいぞ貴様!何度言えばわかるんだ!貴様なぞタイプではないと言っているだろうが!」
戦いが始まってから、ずっとこの調子で、イズミはなぜか本気が出せないでいた。
今回、力の制限はされていない。
全力で戦って問題ない。
主であるボイルの所に早く戻りたい。
気持ち悪い男の相手は早急に済ませるべきなのだが、生まれてからこのかた異性にアプローチされることはない人生を送っていたがために、対処に時間がかかっていた。
「美味い店連れてってやるよ、そうだ俺のバイクの後ろに乗ればいい、どうだイズミ?」
「やめろぉ!名前を呼ぶなぁ!虫酸が走るわぁ!この名前を呼んでいいのはボイル様だけだぞ!」
「あいつとは所詮主従の関係だろ。ボイルには女がいるんだろ?お前を幸せにできるのは俺のはずだ」
「くっそが、どうしたら、どうしたら分かってくれるのだ貴様わぁ…」
氷の斬撃はいつものように真っ直ぐに進まない。
怪我をしてないのに、ダメージは蓄積されていく。
イズミは少しずつ、疲弊していた。
────地上、C区画
ドムとレイブンの戦闘もまだ続いている。
騒がしい2人はおらず、フィロがまたマークを追いかけているのを聴覚で把握していたドムは、心配することなく自分の敵に集中している。
「難攻不落ね」
「お前もな。空を飛ぶのはズルくないか?」
「貴方はそれを補うだけの跳躍力があるからイーブンでしょ」
とはいっても制空権はレイブンの方が勝っている。
ただのジャンプでは、方向転換はできない。
「貴方がもし、もし戻って来るのなら本気は出さないであげます。私のパートナーとしてというのもありなんですよ」
「………いや、遠慮しておく」
「な!?お、乙女に恥をかかせるなんて、絶対殺す」
言葉を間違えたかもしれないと、ドムは思った。
─────地上、F区画
マークはずっと追いかけられていた。
ひたすら逃げていた。
本能で逃げていた。
戦闘力的には五分ではあるのだが、身体がいうことをきかないでいた。
眼と眼があった瞬間、硬直が起こり、次にはその場から退避するという始末。
マークは思い出していた。
追いかけるよりも、追いかけられた方が良いと、どこかで聞いた文句。
それは偽りであることを知ったのは今日。
「ギャァァァァ!!!」
いつかは追いかける側になりたいと、マークは思ったのだった。




