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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第八章 紡がれる世界〜決別の途〜

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前兆

【主要登場人物】

リン・フォワード

(主人公、男、白髪、825歳)

フィロ・ネリウス

(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)

ジェット・エーギル

(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)

オウル・P・マギー

(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)

カレン・クジョウ

(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)

ロック・ロック

(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳)

ドム・カーティ

(元Riバース、赤牛亭の店主、合成獣、男、銀髪、32歳)



【サブ登場人物】

ボイル(Riバース、1位)

イズミ(Riバース、3位)

───地下都市研究地区


一番先に地下へと侵入できていたのはオウルだった。

オウルが通ったのは、イズミがリンを案内する予定の正規ルートではない。

自動駆動(オートマシン)が抜け穴を見つけてくれたのだ。

歩いているのは研究地区。

今一番ボイルに近いのはオウルとなったわけだが、ここで一人が立ち塞がる。


30位べヘット。

骸骨を頭にかぶり、上半身裸の奇人。


「ロックといい、変な人が多いね」

「ひゃは!」


べヘットの刀身を自動駆動(オートマシン)が受ける。

彼の刀は白く発光し、剣筋が読めにくい。


「いいねぇいいねぇ、ちょあ!」


オウルは参加せず、自動駆動(オートマシン)が対応している。


「俺は元40位、今は繰り上げ30位、お前を倒してご褒美もらうのさ」

「つまり、雑魚ってことですか」

「ムキー!!」


オウルが参加しなかったのは、相手の力量を測るため。

このレベルなら問題なく対処は可能と判断したオウルは、パソコンを取り出す。


「僕は戦闘得意じゃありません。だから固有武器なんて作りませんでした。その代わり、自動駆動(オートマシン)は見違えるほどに強化しました。さぁ、どうぞ」



押したボタンから信号を受けた自動駆動(オートマシン)は歌い出す。

超音波の如く、内側まで響いたそれは刀身の光を弱らせ砕いた。


試練の街(ディアル)の爆発、氷の剣、光の剣、全て、あるエネルギーを使っているそうじゃないですか。うちのリーダーにも同じものがあるので、僕も少しばかり使わせてもらいました。エネルギーの逆流というわけです」


べヘットはすでに失神しており、オウルの説明は誰にも聞かれていない。


「けっこう重要な説明なんですが観客がいないのは残念ですね…ん?何です?」


自動駆動(オートマシン)は何かを受信していた。







────地上、C区画



地上では至る所で戦闘が始まっていた。


ドムの目の前にいるのは、8位レイブン、鳥の獣人。


「貴方が抜けた所為で、埋め合わせが大変なのよ。獣の姿をした貴方が裏切った所為でね」


「それは、すまなかったな」


「獣人の肩身が狭くなる一方だわ。どう落とし前つけてくれるのよ?」


「どうと、言われてもな…ん?」



向き合う2人の横を通り過ぎるのは、一匹の鼠と一匹の猫。

猫が鼠を追いかけている。


「あーもー!しゃらくせー!なんだってんだよもう!」


彼は20位、鼠の獣人、マーク。


「私のえもの!」


追いかけていたのは、フィロ。



「何やってるのよ、マーク」

「猫なんて大っ嫌いだ!ちくしょうめ!」


「今度俺が魚を焼いてやるから、あれは食べちゃだめだぞ」

「いぇーい!おっさかな!」



「あら?/は?/む?/ふぇ?」







────地上、A区画



リンは、イズミのあとを歩いている。

案内されているのではない。

戦闘をしているわけでもない。

誘いに乗っている、ただそれだけ。


「ここだ」


イズミは地面と対になっている重い扉を片手で持ち上げる。


「普段のルートは閉めている。急ピッチで繋げたが、ここが今使える正規ルート。ここを通れ」


「その先に、彼がいるのかい?」


「嘘を言う必要はない」


リンとしても早急に地下へと行きたいが、きな臭さを感じていた。


「わかった。じゃあ一緒に行こうよ」


イズミは返答しない。

それが答え。


「やっぱり何か企んでたんだね、まぁいいや、そこを通るよ」


「じゃあ、俺も行っていいか?」



声がした方角にはジェット。


「貴様は行くことはできない。ここで小官に倒されるのだからな。そもそもこのルートの定員は1人だ」


「そういうわけだから、後をお願いね、ジェット」


「ああ任された」


リンが入ると扉は自動で閉まった。


「貴様も運がないな。力の差は歴然。今なら見逃してやってもいいぞ」


「美人が目の前にいるのに逃げる男がどこにいるよ…あん?」



雲一つなかった空は、赤黒く染まっていた。


「…想定よりも早い…早すぎる」








─────研究地区



「あと2.3時間ほどか。予想は予想。俺も研究者として、まだまだだな」



ボイルは、観測自動駆動(オートマシン)で、外の状況を見ていた。



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