還る場所
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳)
【サブ登場人物】
ローグ・シルバ(技師の街職人、ロックの里親)
ボイル・マクレーン(Riバース、1位)
ユキ・アマミヤ(Riバース、研究員、個体名はエル)
ドム・カーティ(Riバース、5位)
クレイ(Riバース、9位)
マイ(Riバース、63位)
メイ(Riバース、64位)
リンの拳は、ドムを正常へと戻していた。
「あちぃな」
熱量値を0%に戻しているとはいえ、周囲に余韻はある。
灯火はまだ燃え尽きていないかのように、メラメラと燃える。
「すみませんね。火消しはいませんので、暫くは熱いと思いますよ」
「ああ、いや、心地いいさ」
ドムは静かに、大きく、ゆっくりと息を吐いた。
「それで、俺はこれからどうすればいい?」
負けたのだ。
敗者は勝者に従うのみ。
「ロックが今、ジェット達と連絡をとっていまして、高速列車の停車駅を見つけたそうです。Riバースはだいたい後続を派遣するやり方みたいですので、あっちの抑えは問題ないです」
「さすがの手際だな」
「カレンも想定した以上に役目を果たしてくれました」
「ほう、内容を聞きたいところだな」
「ですが、想定すぎます。本当は数日後にここを出て乗り込む手段でしたが、どうにもそれはできそうにありません」
「なぜ?」
「全員が集まるのにかなりの時間がかかるからです」
「誰がくるんだ?」
「それはお楽しみです。高速列車を塞き止めるので、向こうも容易には来れないですし、強引に僕を連れてこようとするくらいだ。今何か大変な時期なんでしょう?」
5位でも全ては知らない。
順位は強さ、偉さではない。
それでも、ボイルが重要な研究をしていることは知っている。
それに権限は、ボイルしか持っていないのだ。
研究をしながら、リン達の動向を探る指示は可能だが、戦闘員を派遣しすぎることはできない。
本拠地を手薄にすることはできない。
2位のレイモンドがいれば状況は変わっただろうが、彼は今遥か遠い地にいる。
「ボイルは、タイムリミットはあと2ヶ月弱と言っていた」
「それはいつですか?」
「科学都市から戻ってきた時だ。俺の耳は強化されているから、聞き間違えではない」
「そうですか、こちらの準備も1ヶ月近くかかるそうです…つまり…」
「つまり?」
「高速列車を使って、Riバースに行くことはできないので、丁度いいのかもしれませんね」
何が、丁度いいのか。
進化都市まで高速列車を使わずに行くということは、期限ギリギリもしくは当日になる可能性があるということだ。
失敗は許されないはず。
最終期限とやらまでの残日があってもいいくらいだ。
この青年は、こんなにも怖さ知らずだったのかと、ドムは思った。
「さぁ、ドムさん行きますよ!」
「どこにだ!?」
「皆の所にです!ドムさんにも色々と手伝ってもらいますからね!」
ドムは自分より細く、ただ大きなその手を掴んだ。




