フィロ VS 63位マイ64位メイ
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳
【サブ登場人物】
ローグ・シルバ(技師の街職人、ロックの里親)
ボイル・マクレーン(Riバース、1位)
ユキ・アマミヤ(Riバース、研究員、個体名はエル)
ドム・カーティ(Riバース、5位)
クレイ(Riバース、9位)
マイ(Riバース、63位)
メイ(Riバース、64位)
煙幕砲撃を受けたマイとメイは、クレイ指示のもと、その場を離れた。
煙の外へと出た彼女達は、近くに敵がいることを察知。
戦闘態勢に入り、嗅覚を使う。
彼女達はジャッカルの獣人、武器は両手の鉤爪。
一人一人の力は60位程度とそれほど強くないが、2人で戦った場合の練度は飛躍的に上がる。
連携力は姉妹だけあって、阿吽の呼吸であり、順位は30〜40位ほどまでになる。
「いた?/いない!」
においはある。
獣臭いにおいだ。
同族が近くにいるはずだ。
「ここだよ」
「どこ!?/なに!?」
───ガキンッ
金属音が鳴り響く。
マイ達が背後からの一撃を防ぐことができたのは、単純にフィロの戦闘経験が足りていないため。
自分の居場所を言わなければ、初撃は当たっていたことだろう。
「あれれ?いまぜったい入ったとおもったんだけどなぁ。むずかしいなぁ、もう!」
フィロの固有強化武器は、手足を覆っている。
象のように大きく熊のように鋭い、黒い鋼鉄の固まり。
強度はかなりあるがそれほど重くはない。
獣人の俊敏さを損なわない設計で、かつ、フィロのスタイルにあった武器となっている。
「ガキじゃないか/これなら余裕ね」
「えー!いっしょじゃん!ふたりもちっちゃいよ!」
「大きなお世話だ/私達はもう大人よ」
マイ達の背丈はフィロより小さい。
だが大人である。
年齢は24の戦闘経験10年以上のベテランなのだ。
年下に見られることはよくあるが、それはマイ達を怒らせることに他ならない。
「お嬢さん覚悟してね/お嬢さん泣いても知らないよ」
───キィーン!
「いったぁい!/なんだあれは!?」
弾かれるだけではない。
弾くたびに、腕がもっていかれるのだ。
華奢な見た目には想像ができないほどの腕力。
この力の源は本当に彼女本人からなのか。
「どういうことメイ?/分からないよマイ」
「うっしっし、いけるいける!」
フィロの固有強化武器の最大の特徴は、強度ではない。
指先とそのつけ根は常に反発しているのだ。
要するに、常に手が開いた状態になるということ。
軽い動作では、手を握りしめることはできない。
握りしめる、ということを脳が受信し神経に命令が行き渡り、ちゃんとしっかりと握ることで、力は生まれる。
反発力。
それを緩めることで生じるエネルギーは、まさに衝撃波。
暴風を生み出すが如く、触れた相手は吹き飛ばされる。
フィロの戦闘力は格段に上がり、以前戦った29位の覆面女を凌駕するほどになる。
「ありえない!/ありえない!」
このままだと負ける。
マイ達は恐怖していた。
「さぁ、いっくよー!」
グーからパーへと、両手から放たれた衝撃波は、鉤爪程度ではどうにもなるはずもなく、目に見えない衝撃が鉤爪を破壊、マイ達へと届く。
「ぐはぁ!/ぐへぇ!」
岩場まで吹き飛ばされたマイ達が起き上がるわけはなく、フィロの完全勝利。
敵に向けたVサインは、反発力で追撃の衝撃波となる。
「あっ………まっ、いっか」
無意識の暴力ほど恐ろしいものはない、ということ。




