関係性
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳
【サブ登場人物】
ローグ・シルバ(技師の街職人、ロックの里親)
ボイル・マクレーン(Riバース、1位)
ユキ・アマミヤ(Riバース、研究員、個体名はエル)
ボイルが戻ってきてから12日が経った。
研究は順調に進んでいる。
「そういえば、2位とはまだ連絡をとらなくて大丈夫なの?」
「レイモンドか…あいつはしつこいからな。女ならばいざ知らず、男にモテたところで意味はないさ」
Riバースの2位であるレイモンドは、進化都市とは真反対の地域に行っている。
レイモンドが赴いているのは宇宙都市の近くの街で、都市の動向を探る任務。
宇宙都市は12連合の1つで、ここ進化都市とは仲が悪い。
昔は共同製作をするなどの交流があったが、一度意見が割れたあとは、疎遠となっている。
「それに、だ。俺にはお前がいる、そうだろう?」
「………そうね」
これは過去の真実。
リンとユキは恋仲ではなかった。
ユキがリンに対して、“ありがとう”としか言わなかったのは、そういうこと。
リンが告白する以前より、ボイルとユキの2人は付き合っていた。
当時のリンの恋は成就していなかったのだ。
だから、ペンダントの持ち主がボイルに変わるという事態も起こりうる。
「歯切りが悪いな、どうかしたか?」
「いいえ、なにも」
悟られてはいけない。
感情の起伏は裏切りと思われ、躾と言うなの電流をまた受けてしまう。
どうということはないのだが、いまはまずい。
感情の制御に綻びが生じてきていることを、ボイル本人にバレてはいけない。
制御を完全に取り除くにはペンダントの破壊が有効と思われる。
私達はそのエネルギーを媒体に造られたのだから。
ペンダントのエネルギーは残り少ない。
最初はボイルの再生、そして6人の模造。
世界半壊時に飛散した隕石の一部も研究に使っているが、ペンダント自体のエネルギーも少しずつ使われている。
鎖はまもなく千切れる。
千切れた鎖はどうなるのか、それはまだ誰にも分からないが、この世界に少なからず影響することは間違いない。
「そういえば、5位と9位、63位と64位が先ほど高速列車に乗って行ったけど、向かわせたの?」
高速列車は地下を移動する。
進化都市が管理する地域のみ、張り巡らせている。
「知ってるだろう?数日前、技師の街を観測させている自動駆動が全て破壊された。それだけじゃない。発明都市、改造の街もだ。破壊したのは間違いなく彼らだろうよ」
刺客を差し向けるのは、動向を探ることが出来なくなったからではない。
観測用の自動駆動は小さいながらも自由に移動を可能とし、攻撃をされても回避する機能はある。
瞬時に透明な防壁も張れるため、防御型であるにもかかわらず、同じ日に同じタイミングで破壊された。
これは由々しき事態であるし、それを可能にする技術を彼らが会得したとあれば、最終期限までに悪影響を及ぼすかもしれないからだ。
想定よりは早いが、敵対する芽を摘み、リンを強引に連れて来る必要性があるとボイルは思ったのだ。
「なら3位も連れて行ったほうがよかったんじゃない?」
上位2人と下位2人では戦力として申し分ないが、それは以前までの話。
自動駆動を破壊した彼らに足る人数かは微妙の話。
「ここを手薄にするわけにはいかん。イズミは待機させる。一応、後続に35位を含めた数名を向かわせているから大丈夫だろうさ」
「そう、ならいいけど」
地下を走る高速列車ならば、そう時間もかからずに、改造の街へと到着する。
戦いの火蓋は、また開かれるのだ。




