模造
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳)
【サブ登場人物】
ローグ・シルバ(技師の街職人、ロックの里親)
リン達が、技師の街へ到着する少し前───
進化都市の広大な地下に本拠地を構える、再誕の芽『Riバース』の研究員の一人、エルは、組織のリーダーである彼の帰りを待っていた。
進化都市内には、人類の進化における様々な分野の研究員がいる。
その数は2千を超え、Riバースに所属している者は数百人ほど。
その中で“至宝”と呼ばれる研究員が7人。
エルはその中の一人であり、彼女を含める6人はRiバースにとって神と同義だが、どちらかといえば偶像に近い存在。
なぜなら彼女達は組織の者には、一切命令はしない。
そもそも、そのような権限はない。
それが出来るのは、至宝の7人のうち1人。
ボイル・マクレーンただ一人。
彼は唯一神ではない。
彼は組織における最初の研究員…というわけでもない。
なぜなら、ボイルを復活させた者達がいたからだ。
その者達はこの世にはいない。
老衰ではない。
ボイルが復活した際に、ボイルの手によって、命をおとしたからだ。
復活した時の彼は、今のリンのように、熱操作を行えた。
ただ、力だけが有り余り、感情が追いつかず、生かしてくれた彼らの真意も理解できず、焼き殺した。
再誕の芽『Riバース』の当初の目的は、世界を半壊させたエネルギーを解明し、利用し、独占し、世界を征服するということだった。
それを目論んだ者達は、ボイルによって殺された。
ボイルが継ぎ、掲げた目的は当初とは少し違う。
世界征服いや、世界統一を第2目的として、主目的はヒトの進化に関すること。
それを実現させるためには、根源であるリン本人と、リンが誘発するものが必要だった。
成就は、もう目前へと迫っている。
しかし、エルにとっては、組織の悲願が叶うかはどどうでもよかった。
ただ研究するのみ。
感情を欠如、制限をされているからだ。
ボイルも人間という代物ではないが、彼女達も普通の人間ではない。
ボイルのような再生復活ではない。
彼女達6人は、彼女達の因子である微量な細胞組織と他人の肉体を使った、ボイルが造った、模造人間である。
エルというのは、個体識別名称であって、本当の名前ではない。
エルは、昔一緒に研究をした女性の因子から造った人間であり、顔や身体だけでなく考え方や技術力も完全にその人になっている。
彼女の真名は、ユキ・アマミヤ。
遥か昔に、リンが恋した女性だ。




