珍味とご飯
休んだ後、畑仕事も終わり一段落ついた。さて、マリはお昼ご飯作りに取り掛かるが、マチとジェイドは転送魔法でモンテナ村へ行った。マリへのクリスマスプレゼントを買うためだ
「うん、たまにはこんな食べ物も良いよね…皮を剥いで、内蔵を取り出して…にしし」
不気味な笑い方をするマリ。一体何を作ろうというのか…
~
一方その頃、マチとジェイドは村で一番の調理器具を扱う店に行った。
「邪魔するぞ」
「はい、いらっしゃいませ」
「~はありますか?」
「はい、もちろん!高品質で高純度な~です!この店で一番のおすすめの品ですよ」
マチとジェイドは顔を見合わせ、うん。と首を縦に降った
「それをくれ」
「これもください」
「はい!毎度あり」
満足そうな表情をする2人。これでよし!準備は出来た。さて家に帰ろう
~
帰宅すると待っていたのは…
「ツチノコの丸焼き!召し上がれ」
え?ツチノコって言った、このハイエルフ…
「え、ツチノコって東の国の伝説の生き物ですよね?その…食べても大丈夫なんでしょうか…」
「大丈夫、多分」
「ふ、ご主人は面白いな。ふふ、はははっ」
笑うところどこにあったんだ?
「まぁ、食べてみなければわからん。ご主人の作る飯は全部美味いからな。いただきます」
見るとツチノコはテカテカに光ってる。
「このツチノコはね、シルバーガーリックハーブに東の国の調味料と一緒に付け込んでおいたんだよ」
なるほど。ツチノコに切れ目を入れていくとホカホカと湯気を立てる。ジェイドの手が震えている
「っ…い…いただきます。もぐっ」
勢いをつけて口にいれた。噛むとホロホロっと肉が崩れて、とても柔らかい。東の国の和テイストな調味料がよく合っている。
「美味い、ツチノコってこんな食感なんだな。意外と鶏肉に近いのか」
「美味し…い…美味しいです!ビックリしました!臭みがあるかと思ったら全くない!」
「もぐもぐ…ツチノコは珍味って言われてるけど普通に美味しいんだよねー。それに体をたくさん使ったから滋養強壮って事でね」
これ、普通に鶏肉だ。皮を剥いでいるから見た目もさほど悪くない
「確か、ツチノコの血や皮って魔法薬を作るのに使えましたよね?」
「そうだよ、一石二鳥だね」
「ツチノコは不死の薬を作る材料になる」
「そうだよ、世の中にはとてもじゃないけど出せない」
「そもそもよくツチノコなんて見つけたな」
「何千年も前に東の国へ行って取ってきたんだ。あと9匹地下室に眠ってるよ」
「9匹も捕まえたんですか!?」
なんかこのハイエルフすごい。幻樹の森に引きこもっていた割には意外とアクティブだった




