お昼ご飯
「そうだ、お昼ご飯食べていこうか」
この村には人気の店がある。その名はジョリアン。モンテナ牛のハンバーグがとにかく美味いのだ
「いらっしゃいませ、こちらへどうぞー」
若い女性のウェイターさん、珍しく人間だ。
席に座るや否や
「すみません、モンテナハンバーグ3人分ください」
「かしこまりました」
「ここのハンバーグ、本当に美味しいからね、一度食べたらやみつきになる」
「確かに美味いよな」
「匂いだけでパンが食べられそうです」
ここのシェフはエルフで、500年間世界中の料理修行をして結果ハンバーグに辿り着いたらしい。ただのハンバーグ好きだ。
「お待たせいたしました」
鉄板に乗った大きなデミグラスソースのハンバーグとバケットが出された。湯気が上がり、ジューっと焼ける音がする
「いただきます!」
とても熱そうだが、熱いうちに食べなければ美味しさが逃げてしまう。切れ込みを入れただけでハンバーグから肉汁が出てくる出てくる。あむっと口の中に入れると肉汁が飲めるほどに出てきて、それでいてふわふわの食感、デミグラスソースのコクと味の深さ
「んんー!美味っしい、たまんない!」
「ぐ、肉汁がすごいな」
「うわぁ口の中でとろけていきますー!」
固いバケットが油の多いハンバーグとよく合う。3人はそのまま一言も喋らず黙々とハンバーグを食べたのだった。店を出たあともしばらく多幸感に包まれていた
「はぁ…美味しかったなぁ」
「まぁ、ご主人の作った料理には叶わんがな」
「ん、そうですね。マリ様の料理がいちばん美味しいですから!」
「んんー。そう言って貰えると嬉しい…な」
ちょっと照れるマリ。その顔をガン見する2人。そうこうしているうちに日が暮れ、転送魔法で家に帰ってきた
「今日はいろいろあって楽しかったなー」
「本も買えたし、ご主人には思いがけないプレゼントを貰ったしな」
「本当に嬉しいです、ありがとうございます」
「いいよ、いいよ。2人からお返しのプレゼント貰っちゃったし」
何だか、たまに村へ遊びに行くのも悪くないと思えるマリだった
~
翌日
そろそろ雪が降る頃だろうと、マリ達はある準備をしていた。
「ジングルベール、ジングルベール、鈴が鳴るー」
マリは思わず歌ってしまう。そう、クリスマスだ。クリスマスツリーやリースなどの飾り付けをしていたのだ。サンタさんは来ないから、3人でそれぞれ好きな物をプレゼントし合うのだ。しろも、くろも、もふこのけだまスライム達も出てきた。
「ねぇ、君たち。小さな帽子かぶってみて」
「モキュキュ」
「おや、可愛いですね!3びきともお似合いですよ」
「キュッキュ!」
「ん?ちょうどいいサイズだな」
「キュゥ!」
冬にピッタリなふわふわで愛らしい姿がとても可愛い
空中を舞いながら幸せも運んでくれる事だろう
※いくつになってもクリスマスが大好きなマリなのだ




