84話
まぁ、理由はともあれ俺にとって魔石付近が修復されないのは都合がいいので、深く考えるのは後にする。
ガラクタさんは俺のいる背後を振り向こうと回るがそれと同じような速度で、円を描くよう回ることでガラクタさんが俺の姿を見えないように撒く。
パッシブアーツの『無音行動』のおかげで足音を出さずに移動出来ているのにも関わらず、ガラクタさんは俺を見失う様子はない。このことから、ガラクタさんは恐らく五感以外の方法で俺を察知しているので、俺の持っている『気配察知』もしくはそれと同じようなスキルを持っているのだろう。
もし、それが『気配察知』では無いスキルだった場合是非とも取得したいところだ。ただそのスキルがよくゲームやラノベなどにある、種族限定スキル的なものだったらお手上げだが。
まぁ、それに関しても後でフランさんに聞くとしよう。
ただ、いくらガラクタさんが俺の事を察知して動いているとしても、さっきしたような奇襲的な攻撃には体を動かす速度的な問題で、対応が遅い。
なので、ある程度撒き続けガラクタさんの腕が攻撃するような構えではなくなったのを確認したところで、俺の動くスピードを一気に上げ、風の魔法を使えるようにして待機させる。使うのはもちろんさっき俺が接近するために使った魔法だ。
円を描くよう回り、ガラクタさんの正面に来た瞬間に待機させてた風魔法を使い、ガラクタさんの方へ弾き飛ばされるように曲がり、ガラクタさんに接近する。
接近し終わると、風の魔法で先程と同じように急停止し、短剣を突き刺し抉って削る。
削っている途中に、この魔法剣にさらに空間属性(仮)の魔力を流し込むと強化されるのだろうか?されるとしたらもっと切れ味が良くなる、もしくはこのガラクタさんのように斬れなかったところを斬ることが出来るようになるのでは?という考えが生じる。
今この場で試してみようかと思ったが、流石に短剣でやるには少し危険だと踏みとどまり、後方へと距離をとる。
その後アイテムボックスからレイピアを取りだし、空間属性(仮)の魔力を注ぎ込む。そして、魔法剣になったのを確認してからさらに空間属性(仮)の魔力を注ぎ込む。
すると少し魔法剣が光り、すぐにおさまる。何が変わったのかを確認するために観察してみると、強化?前との違いは恐らく屈折だろう。前よりも屈折していて、もうレイピア越しに見えるのが何なのかがよく分からない。
とりあえず強化?はされたのだろう。ただ、火の魔法剣似合ったようにこの魔法剣にも時間制限があるだろう。それを確認するためにガラクタさんの周りをクルクル走り常に背後を維持しながら元に戻るのを待つ。
その結果何と、火の魔法剣とは違い1分も強化?状態が維持されたのだ。この差がなんなのか分からないがこれに関しては後で調べてみればいいだろう。
とりあえずどのくらい強さが変わったのかを確認するために、再び空間属性(仮)の魔力を流し込んで強化?して、ガラクタさんの腕にレイピアを振り下ろす。
多分次回、もしくはその次にガラクタさんとの戦いは終わります。その後が本当に一節のクライマックスです。
予想以上に話が脱線してしまいましたがもう、脱線してしないはずです。




