73話
ある程度ダメージを与えたので、様子を見るために一旦距離をとる。
夢現の今の状態は顔の毛皮が表現しづらいくらいには酷いことになっている。これまで俺が戦ってきた生き物だとこんな状態になる前にHP、もしくは生物的に生存不可能となりポリゴンとなるので、夢現の化け物さがわかるだろう。
というかもっと強い敵が出てくるところのやつの夢現がどんなやつなのか正直想像もしたくない。
そんなことを考えていると1つ試してみたいことを思いつく。それは昼間入手した『イエロー・バタフライの鱗粉』を試してみるということだ。正直夢現の能力は未知数だが少なくともこういった状態異常系はステータスは関係なさそうな気がするし、この場合どちらかと言うとスキルの方がありそうだし。
それにこういうのは試せる時に試した方がいいだろう。まぁ、息してなかったらお手上げなのだが。
というわけで早速試してみよう。先ずアイテムボックスを準備しいつでも出せる状態にする。その後風の魔法をさっきまでと同じイメージをしプラスで指定したところに風が入らないよう風のドームができるようイメージし、いつでも発動できるようにする。
準備が出来たので早速行動する。さっきまでと同じように接近していく。もう何回もやった慣れと、夢現の反応が鈍くなったのがあり、もう作業と言ってもいいだろうと思うくらいには上手く動けるようになっている。また慣れたからか熟練度的な問題か分からないが魔法を発動するための消費MPが減った気がする。もしかしたらこれも魔力操作の恩恵かもしれない。
どうでもいい方にそれそうになった思考を戻しながら接近していく。そして毎度のように攻撃をかわし夢現とすれ違った瞬間にアイテムボックスから『イエロー・バタフライの鱗粉』を取り出しばらまく。と、同時に風のドームを展開しその場から離脱する。
ちなみにこの回避だが同じ方向に回避ばっかしていると俺に変な癖がつきそうだし、それに夢現が学習して予想で攻撃してきそうな感じがするので、左右上下、不規則に回避している。
一応鱗粉を想定通りにまくことが出来たが、麻痺になっているか分からない。というのも俺自身麻痺したらどうなるのかがわかっていないからだ。俺のイメージとしては急に体が動かなくなりたおれる、というイメージが強いのだが、ある程度力があれば無理やり動かせるというイメージもある。
なので痩せ我慢―――この場合この言葉が当てはまるわからないが―――なのかレジストされて効いていないのか、夢現だから効かないのかが分からない。
とりあえず効いているにしろ効いてないにしろ、そろそろ良いくらいだと思うので風魔法出できたドームを解除してしまう。
しばらく夢現を中心としクルクル回って鱗粉が残留していた時の対策をし、十分だと判断したら特攻をする。
特攻に関しては代わり映えしないので省くとする。
特攻した感想だがおそらく麻痺にはなっているだろう。というのもさっきよりも格段に回避しやすくなった。どれほどかと言うと頑張れば魔法無しで回避できそうなくらいだ。
この様子だと俺の予想の1つがあっていそうだ。まぁ、今考えても分からないのだし、明日にでもフランさんに聞けばいいだろう。
ちなみに夢現さんが律儀に待ってくれていそうな描写ですが、実際には主人公はほとんど止まっておらず離れている時は夢現も下手に手が出せないという状態なだけです。思考の部分はだいたい数秒程度ですね。
あと、100話までに一節完結が無理な気がして来ました。




