66話
「コン!」
と嬉しそうに鳴きながら俺の前に来る。そして何かを期待するような眼差しを向けてくる。ただその目線の先にあるのは俺の腕。
これは、撫でて欲しいのだろうか?それとも抱き上げて欲しいのだろうか?
と迷ったが、抱き上げて撫でればいい、という結論に至ったので抱き上げて撫でれる。
それにフランさんもいるのだからずっとフォルに構っているというのも失礼だろうし。
「フランさん、ありがとうございます」
「はい、仲がよろしいようで何よりです。従魔の腕輪を鑑定したので分かると思いますが、従魔と仲が良いというのは動物やモンスターをテイムして暮らしていく上で1番大切なものですからね」
「はい、もとよりそのつもりです。それと聞きたいことがあるのですけどいいですか?」
「はい、いいですよ。というより私はソランさんの担当ですので、いいか聞かずに質問していいんですよ」
と軽く注意される。確かに担当になったのだからそうなのだろう。そんなのか?まぁいいか。
というわけでアイテムボックスから“イエロー・バタフライの鱗粉”を取りだし、カウンターに乗せ
「これってどういう効果がありますか?それとどう使うやつですか?」
と聞く。するとフランさんは驚いたような呆れたような微妙な顔をしてから口を開く。
「良くもまぁ、これは‥‥イエロー・バタフライの鱗粉ですね。バタフライの鱗粉は入手するのが難しいはずですがどのように?」
「何かされる前に石を投げつけて羽を負傷させ、落ちてきたところに短剣で1突き、ですね」
「そうですか。しかし、バタフライは風を起こし遠距離攻撃を阻害するはずでは?よく当たりましたね」
「石に風の魔法を纏わせて風を相殺的なことをしたのですよ」
「そうですか、魔力操作がとんでもないようで。と、この鱗粉の使い道ですね?こちらはイエロー・バタフライの鱗粉のようですので基本的に触るだけでは何も効果はありません。ただ鱗粉を吸ってしまうと体が麻痺して動けなくなってしまいます。ですので主な使い方は割れやすい瓶などに入れ投擲、空気中に散らさせ敵を麻痺させる。というのが主な使い方ですね」
その後に
「このような効果があるので早めに倒した判断は正解だったと思いますよ」
と言われる。
フォルはずっと撫でられている。




