35話

ここで様子を見てもしょうがない、奥の手などがガラクタさんにあった場合非常に不味いのでその前に決める。

というわけで反射神経でギリギリ対応出来る速さで駆け巡り、懐を目指す。が、ガラクタさんの全身が波立ち粒粒が少しずつ生成されていく。つまりガラクタさんの最後の抵抗と言ったところか？

てか、そんなこと考えてる暇なんてないようなので懐へと一直線で向かう。

だが、さっきまでガラクタさんの背後にいて気づけなかったがなんと胸の穴の部分を覆うように腕がある。覆うと言うより構えているの方が正しいかな。腕の粒粒でさえ振り下ろす勢いが必要だった。このことから連想するなら全身のを飛ばすのにさ恐らく回るのだろう。物理法則的には回る、というのは正解ではない気もするが俺の知能ではそれ以外には思いつかない。

なので一旦ルートを解除する。何故ならあいつの行動で俺の勝ちが限りなく少なくなった。というのも恐らく全方位に渡るであろう散弾銃(仮)をどうにかしてすぐに魔石のある部分に突きを入れなければならない。

なのでこれからしようと思う対策にはルートの力は不必要なので一旦解除した。

そしてイメージをする。の前に少しでもMPを増やすためSP(ステータスポイント)を2消費する。そして目を瞑り広範囲に魔力が広がるようイメージする。想像するは、そうだな簡易のプールを想像しよう。ガラクタさんを包むようにしてできるだけ俺側に水が分厚くなるように。そして、そのイメージに沿うように魔力を放出していく。

形だけは何とかできた。しかしまだ発動しない。何故なら持続型の魔法じゃないと意味が無いからだ。普通の水ならすぐに崩れてしまうだろう。だが今からするのは普通の水じゃない魔法で生成された水だ。ガラクタさんは自分の体を動かして粒粒を作っていた。魔法粘土系の物質と魔法は違うという可能性もあるが前に飲料水のために水を出した時崩れずに出すことが出来た。元々あった魔法で、だが。

なのでできるのも道理であるだろう。　　　

イメージし終わり目を開けるとちょうどガラクタさんは動き出そうとしていた。なのでそれに対抗するべくイメージした魔法を発動させる。名前はもう決めた。

『ウォーターウォール・シィク』

そう唱えるとイメージ通りに巨大な塊の水が発生し形を保つ。

《条件に達したため魔法を取得しました》

という声が聞こえたが後で確認する。

ガラクタさんが水に浸かると同(・)時(・)に回転を始める。回転であっていて読みが当たったのは嬉しいが魔法の発動が一瞬でも遅かったらやばかったかもしれない。

強化融合(ルート)を1度発動できる分以外の残っているMPを使ったおかげか狙い通りガラクタさんの動きは阻害されノロノロでクルクル回る。鉄の粒も一応飛んでいるが俺の方に飛んでくるのは水に勢いを無くされ途中で落ちていく。

ガラクタさんの回転が遅くなって鉄の粒が飛ばなくなったのを確認するとレイピアを構える。そして動きが無くなる少し前のタイミングを見計らって魔法の水を崩し再び『強化融合(ルート)』と唱え発動しいっきに懐に潜り込む。そして胸の凹みに全力の突きを入れる。

するとはっきりと、ガラスが割れたような音が聞こえる。そしてガラクタさんは電池のなくなったラジコンのように動かなくなり次第に足元からポリゴン(光の粒子)へとなり消えていく。

《アイアン・ゴーレム(通行の番人)を討伐しました》

魔法金属(鉄)×3　　　魔石の欠片ランクD×1

『通行の番人(真)をクリアしました』

ここの守護者では不満であるものよ挑むが良い

達成条件:アイアン・ゴーレム(通行の番人)を討伐する

失敗条件:なし

報酬

通行の証1を通行の証1(真)へと変化

SP:2

SKP:2

《レベルがアップしました》

という声が頭の中に響く。

Lv:19

MP:50

SP:8

SKP:13