28話
「では、ありがとうございました」
そうグンデさんに告げ工房を後にする。グンデさんにまた夢現の素材が手に入ったら強化してやると言われたが、手に入るのはだいぶ先になるだろう。手に入っても財布の事情で強化して貰うのはだいぶ先になるだろう。それと出ようとしたときにピッケルが目に入り良さそうだったので購入しておいた。
ちなみにだが受付さんの機嫌が悪かったのは俺たち夢の使者のせいっぽい。なんでもグンデさんの作った武器が良いという噂が広まり購入者が増えたらしい。しかし中には行儀の悪い客がいたらしい。もっと武器を安くしろなど言ってくる人や、グンデさんに作れと鍛冶場まで侵入しようとした客が少なからずいたらしい。もちろんそんなことをした客は二度と入れないよう魔道具に設定したらしいが。
早速武器を試してみたいがその前にギルドに向かう。蛇の素材と石っころのドロップ品の買取もしくは依頼としての納品をするためだ。
街の人に道を聞いたりして、無事ギルドに着いた。というわけで扉を開けて中に入る。一瞬の浮遊感を感じ、見慣れた景色の受付にフランさんのいる場所だった。うん。そんな気はしてた。ここへ来るの転移でだし、フランさんが俺の担当として指名されてたし。
とりあえず声をかける。
「こんにちは。入った街のギルドが違うのに同じ場所に出るんですね」
「こんにちは。ギルドの施設の扉には転移機能の他にその人が誰なのかを調べ転移する場所を限定する機能があるのです」
ということらしい。
蛇は皮の納品依頼があったのでそれを受ける。なくはなかったため普通に買取ってもらう。
次に石っころだが、どちらも依頼としてあった。ただ魔石に関しては使い道がありそうだと思っていたので魔法粘土のみを納品する。
「あぁ、それとフランさん」
「はい。なんでしょうか?」
「ギルドマスターのブラングさんに、グンデさんに武器を作って貰えました。ありがとうございました。と伝えてください」
「わかりました。後で伝えておきますね」
「お願いします」
と、伝えてギルドを後にする。
街を出てこの街へ来た道を帰っていく。目指すは洞窟。
とりあえず今日は通行の番人の部屋で採掘が出来ないか、を試しつつ石っころで剣に水魔法を纏わせたりすることの練習だ。魔石もある程度欲しい。
所謂今日は周回をしまくる日だ。
しばらく進むと洞窟の入口と思われるところに着いたのだが、入口は巨大な扉で封鎖されていた。いや、通行の番人の所を通って行けるようになっているので封鎖はおかしいか。
思いつきで扉の横の岩を壊したらどうなるのだろうかと思い少し試してみる。短剣でカンカンしてレイピアでカンカンして魔法でバンバンして。
結論から言うと壊すことは出来る。しかし壊れた瞬間に光の霧と化して壊れた部分に集束、復元してしまうのでアニメのように一瞬ですごい動けるようになれば何か出来るのかもしれないがまぁ常人である俺には無理だろう。ゲームだからステータスやスキルが育てばいつかは出来るかもしれないが。
というわけで通行の番人と戦うために扉に触れる。
先日累計PVが5000を突破したばかりなのにもう6000突破しました。これも読んでくださる皆様のおかげです。改めて本当にありがとうございます。




