238話
明日は、きっと、多いはず
と、考えていると、森へ着いた。
「フォル、森に着いたがどうする?自分で探してみるか?」
と、聞いてみる。フォルも『気配察知』を覚えていた方がいいのでは?と思ったからだ。
俺の問に対してフォルは悩む素振りも見せずに
「こん!」
と返事をしてきた。
「フォルに探して欲しいのは蝶‥‥‥もしかしたら黄色以外のやつもいるかもしれないが、空を飛んでいるはずだから上の方を探してくれ。もし、狼と遭遇した場合は‥‥‥どうする?戦ってみたいか?」
「‥‥‥‥‥‥‥こん」
今度は珍しく、かなり悩む仕草をしてから、首肯しながら返事をした。
悩んだ理由は恐らくだが、、前に見た狼の強さから、勝てる可能性が低いと判断したのだろう。しかし、戦ってみたいという好奇心が勝ったのだろう。
「じゃあ、危なくなったら助けるから、頑張れよ」
そう言いながらフォルを下ろす。
下ろしてからフォルは遅くもなく早くもない速さで、森の中を歩いていく。俺はフォルの後ろ3m程を維持しながら、ほとんど忘れていた『歩術』の『無音行動』と『隠密行動』を使いながら行く。まぁ、無音行動はパッシブなので、意識することで、効力をあげる。
それと、隠密行動だが、今思うと結構奇妙なものな気がする。いや、別に奇妙でもなんでもないが、クールタイムの事だ。
多分なんだが、このクールタイムは魔法で言うMPのようなものなのだろう。このMPと言うのは、魔法に書いてある消費MPの事だ。だが、今、俺はMPをステータスに書いてある通り固定値で使っていない。もっといえば、俺は元々ある魔法を使っていない。俺が使っているのは、自分で魔力を操作し、属性をつけ、発動しているオリジナルのようなものだ。
だが、俺も最初の方はこの固定値の魔法を使った。
つまり、俺が何を言いたいのか?と言うと、このクールタイムや、固定値のMPと言うのは、勘を掴むため、もしくは強制的に発動させるため、誰が使っても無理にならないように設定されているのだろう。
こう考えた場合、もし魔力操作のように感覚を掴むことが出来た場合、このクールタイムを無視してずっと隠密することが出来る。かもしれないということだ。
ということがふと頭をよぎったので、地味に初めて使用する隠密行動で起こるであろう体の変化を、身体強化を行うために動かしている魔力も使って観察しながら発動する。
今日は病院にいってたんだ。仕方ないよね?
‥‥‥ごめんなさい




