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218話
やばい、頭が動かない
「なるほど、戦闘だと1方向に特化するのは別におかしくないとは思いますけど、確かにそれで対処できるかは別ですね。ありがとうございます。いろいろ検証などして試してみます」
そう言って軽く礼してから、ギルドから出る。‥‥‥正確には出ようとした。
なぜこのような言い方なのかと言うと
「‥‥‥すぅ。ソランさん!ちょっと待ってください」
と、呼び止められたからだ。
「どうしたんですか?フランさん」
「あ、いえ。そのやっぱりなんでもないです」
なんなんだろうか。言いたいことは‥‥‥あったんだろう。でないと呼び止めないだろうし。つまり、何か言い忘れたことがあったのか?
でも、言葉をにごすということはそう大したことでもないのか。
しかし、さっき呼ばれた時の声の張り方からしてどうでもいいことではないだろうし。




