21話
「うん?どうした?」
良かった。親切そうな人だ。
「この大きな扉って何ですか?」
「これは他のゲームなどで言うところのボス部屋だよ。ちなみにだがこれをクリアしないと先に進めないぞ」
ボス部屋だったらしい。まぁ確かにボス部屋って感じの扉だ。逆にこの中が安全エリアだったら扉とのギャップがスゴすぎて警戒してしまうだろう。
「ボス部屋ですか。そいつって強いのですか?」
「う〜ん、強いといえば強いし強くないといえば強くない、人それぞれだな」
「確かにそうかもですね。すいません、それとここで何をしてるんですか?」
「ん?俺たちか、俺たちは友人を待っているんだよ」
「そうですか。これって入って大丈夫なんですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
順番待ちなどではなかったようだ。
「では行きますね。ありがとうございました、また会うことがあればその時はよろしくお願いします」
「あぁ」
という返事をもらって俺は扉を開けようと触れる。
すると目の前に画面が出てくる。
『通行の番人』を受けますか?
Yes/No
と書いてあったのでYesを押す。すると目の前が光に包まれ浮遊感に襲われた。恐らく転移でボス部屋に行くのだろう。
光が晴れてくるとさっきよりも少し明るい洞窟のホールにいた。
そして俺のいる反対側に大きな石の塊がある。恐らくあれか、あれの中にいるのがボスだろう。
まだ動き出す様子もないのでステータスをあげる。
SPは合計で24あるから全て使うようにする。AGIとSTRに7ずつ振りMPには4、INTには6振る。
振り終わったので早速近づく、前にライトの魔法を発動して地形をざっと把握する。見た感じ段差などは少ないようなので戦闘の邪魔にはないだろう。
というわけで今度こそ近づく。すると「ゴゴゴ」という音が聞こえてきて岩の塊が別れていく。どうやら岩が本体のようだ。というわけでお馴染みの看破を使用する。
『ストーン・ゴーレム(通行の番人)』
ステータス:―――――――――熟練度不足のため測定不能
スキル:―――――――――熟練度不足のため測定不能
ふむ。通行の番人とは夢現のような感じなのかな?だがそんなことは今はどうでもいい。
というわけで先制は貰った。「ルート」と唱えてからストーン・ゴーレム(これからは石っころと呼ぶ)の後ろに回りレイピアによる突きを放つ。石っころは予想通り鈍い動きをしている。
全力の突きを当て直ぐに2連撃目をしようとしたが固くて1連撃目でバランスを崩し2連撃目は放てなかった。一旦距離を離す。
石っころが硬いということを失念していた。石に刃物はさすがにダメだよな。強い武器だったら大丈夫かもしれないが。まぁちょっとだけ傷が付いたのでずっと続ければ倒せるかもしれないが。
どうすればいいか考えながら距離を取り続けていると石っころから岩が飛んできた。恐らく魔法だろう。結構速いが高いAGIにルートを使用している俺は余裕で躱す。
さて、どう倒そうか。
MP:40
STR:33
INT:16
AGI:47
SP:0




