19話

中は思っていたよりは暗くなかった。一定間隔で設置されたランタンのおかげだ。と言ってもかろうじて見えるという感じなので足元が結構危ない。あまり段差はないけど石が落ちていたりしてそれに躓きそうになるので気をつけて進む。

さっきから上の方に結構な量の気配を感知しているが攻撃をしてくる様子はない。恐らく上にいるのはコウモリ系だろう。飛んでいるので戦ってみたい気もするがきっとめんどくさいので今はスルーする。

もうしばらく進むと急に足に何かが絡みつく。草かとも思ったが締め付けがどんどん強くなっているのでモンスターだろう。

右手に短剣を持ち足に絡みついているやつを切る。足が折れるかと思うぐらい締め付けられていてその筋肉のせいか結構硬かった。しかし夢現よりは固くなかったので何とかなった。

《ステルス・スネークを討伐しました》

ステルス・スネークの皮×1　　　ステルス・スネークの肉

と言う声が頭に響く。少し焦ったので看破が出来なかった。まぁステータスなどは見られないだろうし名前は倒して分かったから良しとするか。スキルの方は名前通り隠密系があるのだろう。締め付けられるまで気づかなかったし、気づいてからでも気配が感知出来なかった。

これから気配を感知してくる敵が出てくるかもしれないので早めにこの蛇の使っていたであろうスキルを取得をしておこう。

このまま進むが蛇がどこにいるのかが分からないのが痛い。俺は紙装甲だし。

というわけで近くの岩に腰をかけて思いついたことをしてみる。それは光魔法の光を出す魔法の取得だ。俺は最初そのスキルや魔法を使うと取得できると思っていたけど歩術の無音行動はアーツなどを使わないで取得できたし気配察知も見つけるのが上手くなったら手に入った。

このことから異世界やVR系のものでよくある魔力操作的なのをすれば新しい魔法を取得できるのでは？と考えたからだ。

もし取得できなかったら強化融合を使って強行突破でもいいかもしれないがあまりしたくはない。

とりあえずリトルヒールを使用し蛇で削られた体力を回復する。その際に魔力を感じれるよう集中する。これは多分第六感の気配察知のように感じるだろうから似たようなものを探るよう意識を集中する。2回ほどリトルヒールをした頃何となく何が分かるようになった。気配察知と同じ気がするので気配察知はもしかすると気配ではなく魔力を察知しているのかもしれない。まぁ熟練度が高くて見分けられないだけだとも思うが。

これを光魔法を使って光に変えるというイメージをしながら魔法を使う感覚のように魔力を使う。しかし魔力は光にならず霧散してしまった。だが意図的に魔力を放出できたのでいい感じだろう。そのまま何回か続ける。

すると極小だが光を発することができた。そのイメージを元に光を発していく。

5回目くらいでイメージよりちょっと弱いが光を出せた。

《熟練度が一定に達したので魔法:ライトを取得しました》

《条件を満たしたためスキル:魔力操作を取得しました》

《条件を満たしたためスキル:無詠唱を取得しました》

何かいっぱい貰えた。