18話
少し日が経ち夏休み初日である土曜日になった。昨日までは代わり映えなくほとんど作業だったので省く。しかし途中で気配察知というスキルを手に入れたのでこれの鑑定結果だけを教える。
『気配察知』
近くにいる存在の位置が何となくわかる。慣れてくると気配でどんな形かわかるようになる。
というスキルで、事実これが生えてから兎を見つける効率が上がった。まぁまだ慣れていないからか熟練度が足りないからかそこら辺に何かがいる程度しか分からないが。
というわけで今日は予定していたように次の町へと向かう。先日購入した地図を確認しながら進んでいく。道に沿っているからかあまり兎と遭遇しない。すると森が見えてくる。道は作られているため20mほどの間が空いているが森だ。次の町へ行くためにはこの森を通らないといけない。
スキルのおかげで奇襲は受けないと思うので幾分か楽だろう。
しばらく進むと気配を感知した。近くだったのでそいつのいる場所に向かって足元にあった石を投げる。
すると茂みから犬がでてきた。直ぐに俺は看破を使い確かめる。
『プチウルフLv6』
ステータス:――――――――熟練度不足のため測定不能
スキル:なし
ウルフ、犬ではなく狼らしい。まぁ似たようなものか。でもプチって何?プチって。なんなん?幼体ってこと?それともベビィなどを使っていないのには意味があるのか?何か制作チームなどの悪ふざけな気もするがプレイヤーである俺には分からないことだ。
というわけで狼と戦闘を、と思ったが攻撃してくる様子がない。どうやら中立のようだ。恐らく攻撃しない限り襲われないだろう。なのでスルーしていく。
また気配を感知した。今度はこちらに向かってきているため敵だろう。
すると狼が出てきて噛み付こうと駆け寄ってくる。とりあえず看破をする。
『ウルフLv9』
ステータス:―――――――――熟練度不足のため測定不能
スキル:―――――――――熟練度不足のため測定不能
となっていたが考察をしている暇はないようだ。
兎のように丁寧に飛んではくれないので難しいが噛み付いてくる口を短剣で抑えることに成功した。狼は直ぐに退こうとしたがそれよりも早くレイピアの2連撃の突きによって戦闘が不能になった。
《ウルフを討伐しました》
ウルフの爪×2 ウルフの肉×1
という声が聞こえた。まぁこれはどうでもいい。良くはないがウルフについての方が重要だ。まず看破の効果だがこれまでスキルのところはなしとなっていたので見れると思っていたのだが今回は熟練度不足となっていた。スキルがある場合はこうなって、ない場合はなしと出るのだろう。
それとプチの方は攻撃をしてこなかったのでもしかしたらテイム的なことができたのかもしれない。と言ってもどうしようもないしどうせなら狐のプチ的なのが出てきたら試してみるとしよう。何を隠そう俺は狐が好きだからな。まぁどうでもいい情報だが。
道中同じように襲ってくる狼を倒しながら進んでいき洞窟の前に辿り着く。なぜ洞窟なのかと言うと次の街であるファビルテは地下?とはちょっと違うが地上にはない。なのでこの洞窟を通る必要がある。
馬車なども通れるようにしたのか高さと横幅が20mほどありそうなので狭くはない。
早速中へと進む。
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