174話

さてどうしたものか。正直こいつは用済みなのだが、なぜ襲われたのかは知りたい。

素直にこいつの仲間(暫定)が襲ってきてくれれば、あっさり殺れるんだが、先に殺ってしまったら言い逃れされかねないし。

「お前ら！さっきみたいな魔法は何回も使えないはずだ！今のうちに畳み掛けろ！」

迷っていると、仲間(暫定)の1人が頭のおかしなことを言った。それに呼応するように、扉の前にいたやつらが俺に向かって接近してきた。

とりあえず、あそこに‥‥‥というよりここに居るのは全員敵かな。

う〜ん、答えてくれるとは思わないけど一応聞いてみるか。

「何で、俺を攻撃するんだよ。何だ？PKなのか？」

「はぁ？んなわけねぇだろ。俺たちゃ生産職だよ！せ・い・さ・ん・しょ・く。分かったら素材を置いてけ。それなら命だけは勘弁してやるよ」

俺の質問？に答えたのは後ろの方に居るさっき声を上げたリーダー(暫定)だ。というかこいつは移動しないのか。完璧な口だけ番長だな。

というかだ

「は？何寝ぼけたこと言ってんの？生産職だから素材置いてけだ？頭おかしいんじゃないのw？それとだ、何か勘違いしてない？命乞いするのはそっち！今全力で謝れば苦しまずに殺してあげるよ」

どこからどう見ても、こいつら雑魚だし。というか俺の手に持っている武(・)器(・)が見えないのだろうか？いや、さっき『俺たち』みたいなこと言っていたし、最初に襲ってきたやつレベル武器しか作れなかったり？というより武器が何かわかっていない可能性も。

「ちっ、どいつもこいつも。俺たちは生産職で偉いんだから大人しく素

材持ってこればいいんだよ。それにあのグ(・)ン(・)デ(・)工(・)房(・)とか言う所もだ。NPCの癖に生意気なんだよ」

というかこいつらスピード遅すぎだろ。ようやく俺の近くまで来たか。こいつらこのゲームの体に慣れていないのか、現実の人と同じくらいの速さしか無かった。いや、自称生産職なんだし、戦闘に向いてないという点ではそうなのか？

‥‥‥‥今あいつなんて言った？グンデ工房って言ったよな？

もしかしてだが、最初に俺が尋ねた時妙に暗い雰囲気だったのもこいつらのせいか？