16話
ギリギリセーフ
昨日と同じく夜にログインをする。次の土曜日から夏休みなのでそれまでは武器に慣れたりをして夏休みに入ったら本格的に次の街に向かうとしよう。
という訳でただいま草原で兎と対面中(何がどういうわけなのか知らないが)。
例のごとく角で刺そうと突進してくる。それを俺は右手に持った短剣で上に弾く。そして体勢を崩した兎に対して左手に持ったレイピアで突きを入れる。昨日まで右手で使っていたためやりにくい。案の定狙った首を外したがお腹に刺さったので結果オーライとする。
そもそも両手に違う武器を持った場合スキルの効果などは発動しないのに何故このように戦っているかというとだ。
レイピアについて調べてみたら現実のレイピアは短剣や、ダガーなどで相手の攻撃を防ぎ利き手ではない手で持ったレイピアで攻撃するといったものらしい。ここはゲームなので現実に沿ったやり方をやらなくてもいいだろうが現実に寄せてあるゲームなので何かのスキルやアーツが手に入るかもしれないという打算もあったからだ。まぁゲームなので漫画や、小説によくあるファンタジー技もあるとは思うが。
とまぁこのような理由でこんな戦い方をしているのだ。
余談だが突くだけではなく切ることもできるレイピアもあるらしいので作ってもらうなら切ることも出来るレイピアだろう。
理由も説明し終えた(だれにしてんだ)ので狩りを始める。短剣の使い方などは初日にほとんど慣れたので弾くのは難しくはないが、慣れてないレイピアをしかも逆利き手で攻撃するのがやはり慣れない。何処かに訓練所的なところはないだろうか。今度フランさんに聞いてみよう。
夢現がどうやって現れるか分からないので今日倒すのはあと5匹にしておく。
兎を見つけたがあちらはこっちに気づいていないようなので奇襲を仕掛ける。兎の近くまで来たので左手に持ったレイピアを構えて突きを狙う。首を狙いたいが確実性を高めるためにしばらくは胴体を狙うことにする。
突きを放ち背中へと刺す。レイピアが刺さるのと同時に引き抜く。何故引き抜くのかと言うと、刺しっぱなしにするのは危険だと判断したからだ。刺しっぱなしにすることで行動が阻害され予期せぬ攻撃をくらうかもしれないし急所に刺しただけでは死なないやつも出てくるかもしれないからだ。
引き抜くのは初めてやったが綺麗に抜けた。もう1匹も同じようにしてみたがちゃんと出来たので引き抜くのは大丈夫だろう。
今日の目標の残り3匹だが同じ場所に固まっているのを発見したのでそこを狙うとしよう。地味に初めての複数戦なので慎重に行く。
まず初めに端っこにいるやつを奇襲して排除をする。すると残りの2匹がこちらに気づき突進してくる。右にいるやつの攻撃を短剣で弾いてガードし、左のヤツへ突きを入れる。最初の方はこれを失敗していたので、できたことに対して少し喜びが込み上げてきた。が、戦闘中なのでその気持ちを押し殺し、弾いたことで体勢を崩したやつにトドメを入れる。
最後まで油断するなって言うしね。
《アーツを取得しました》




