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Be My Self  作者:
42/48

告白されて

駅に到着すると、すでに光樹が待っていた。

ダッフルコートがとても似合っていて、いつもよりかっこよく見える。

「お、お待たせ」

「ううん、それより今日は楽しもうね」

なぜ彼はいつもこんなにニコニコしているんだろう。

ここまで笑顔でいられると、こっちも自然と笑みがこぼれてきそうだ。

2人が向かったのは水族館、最初の頃のデートの定番スポットだ。

冬休みに入ったばかりというのと、クリスマスイブということで

思った以上に中は混んでいた。

「綾音ちゃんは魚とかって好き?」

「んー…あんまりよくわからないかな。でもペンギンは好きだよ」

そう答えると、光樹が「よかった」と笑顔になった。

この笑顔は反則だ。

今まで何回も会っているのに、2人きりで自分だけのために

この笑顔をされるとドキドキが止まらなくなる。

綾音の気持ちは一気に光樹へと傾き始めていた。

「あー。ペンギンだ!」

ペンギンの水槽を発見した綾音は、思わず駆け出していた。

「かわいい~」

横に光樹も立って、一緒にペンギンを眺めている。

「こんなにいっぱいいるんだね」

なんかデートしてるって感じがする。

まわりから見たら、わたしたちってカップルに見えるのかな。

なんだか急に恥ずかしくなった。

おとなしい綾音も、光樹の笑顔のおかげで思った以上に自然体でいられる。

おそらく異性でこんなに自然体でいられるのは、光樹と勇だけだろう。


ショーを見たりしたので水族館を出ると、夕方の4時になっていた。

「綾音ちゃん、まだ時間平気?ちょっとだけ行きたいところがあるんだ」

「うん…わたしも行きたいところがあるの…」

それはきっと同じ場所だ。

行き先を告げず、2人は歩き出した。

この時期は暗くなるのが早い。

5時くらいには、完全に夜の風景へと変わっていた。

「わー…すごくキレイ…」

そこは有名なイルミネーションのスポットだった。

綾音はクリスマスだからどうしても見たいと思っていたが、

光樹が何も言わずにそこへ連れて行ってくれたことが嬉しい。

まわりはカップルだらけ、大人のカップルもいれば、

綾音たちと同じくらいのカップルもいる。

まさにクリスマスならではの光景に、自分たちも含まれていることが

嬉しくもあり、恥ずかしくもある。

歩きながらイルミネーションを眺めていたら、光樹の距離がさっきよりも近くなっていた。

腕が触れ合うくらいすぐ隣にいる。

光樹が足を止めたので、つられて綾音も立ち止まった。

ジッと見つめている視線を感じる。

この先の展開は、さすがの綾音でもわかったので、緊張してきた。

OK…してもいいよね…

「綾音ちゃん…俺の彼女になってください!」

このシチュエーションに、この告白、綾音に断れるはずがない。

「は、はい…」

返事をした綾音の顔は真っ赤になっていた。

光樹は、この返答を聞き、すぐにいつもの…いや、いつも以上の笑顔になっていた。

「ありがとう。これからよろしくね」

そう言って、そっと手を繋いでくれた。

真冬の外なので、綾音の手は冷たくなっていたが、

光樹の手の温もりはとても暖かかった。

綾音はその手を強く握りしめた。

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