ひっくり返せば楽ですか?いいえ、変わりません
次の瞬間、ドゴーンという音と共にグシャっという音も聞こえ、地面に小さなクレーターが……
「葵、ちょっとやりすぎ」
「ですが、かなり硬そうでしたので」
「外した時が危険。でもナイス」
どうやら無事倒せたようです。
さすが爆砕君と言いましょうか、大上段からの振り下ろしにはその装甲も耐えられなかったようで、見事頭がつぶれています。
「それにしても硬いねこいつ」
「上手く関節を狙わないとダメージが行かないですね」
「私も狙うところ悩むよー」
「知佳さんは横から胴体を狙うほうがよさそうですよね」
「そうね、体は全身装甲っぽく見えるけど、足の生えている横っ腹辺りはまだ柔そうよね」
ふむふむ、正面からではわかりませんが、横はそこそこ柔そうなのですね。
それじゃ次出た時は横っ腹を狙ってみましょうか。
「葵、そろそろ知佳ちゃんにマジックバッグ借りて自分で持ち歩いた方が良いんじゃない?」
「葵さん、大きいのならまだ余ってるから貸そうか?」
「いえ、さすがにそれを借りるのは……知佳さんがダミー用に持っていた方が良いと思いますから」
などと葵さんは遠慮してきますが、そこに玲子さんからの助言が入りました。
「葵、ダンジョンの中だけでも借りたら?」
「うん、私にいちいち借りに来るより、葵さんの判断で装備変更できた方が早いでしょ?」
「確かにそうですが、装備も借りているのに……」
「効率を考えたら葵が持ってた方が良いと思うよ?」
というわけで、葵さんにもマジックバッグを貸すことに。
これで葵さんは装備変更をしたいときはいつでも自由にできる事になりました!
あ、もちろん爆砕君も一緒に貸し出しますよ?
そして薫さんに預けていたポーション類のうち、いくつかの物も葵さんに渡し持ってもらう事に。
「ポーション類も必要だったら遠慮なく使ってね?」
「そうですね、ファイナルエリクサー扱いしても仕方ないですし、必要な時には遠慮なく使わせてもらいます」
「ファイナルエリクサーって何?」
「それはですね……」
それについては薫さんが説明してくれたのですが、なんでも某ゲームでファイナルエリクサーというものがあるらしいのです。
そしてその希少度からなかなか使えない人が続出し、結果必要な場面でも使えなくて残ってしまうと言う事なのだそうです。
「薬は使ってなんぼだし、命より大事な薬は無いからね、ちょっと過剰かな?ってくらいの感覚で遠慮なく使ってね?」
「過剰に使う気は無いですが、出し惜しみする気もありませんので安心してください」
もっとも、今までお薬に頼る必要はなかったのですけどね。
でも今後は判らないですから、必要な場面では遠慮なく使ってほしいです。
そしてさらに進み、亀を倒しーの、サソリを倒しーの、時たま他の敵を倒しーの。
でもゴブリン、君たちは来なくていいの!
ほんとどこにでも出てくるんですよね。
あ、サソリはね、ちょっと効率が良くなりました。
横っ腹が意外と弱いようで、私の弓でも貫けるし、沙織さんの槍でもうまく足をよけて横っ腹に当てると結構ダメージが通っていました。
もっとも最初に玲子さんに尻尾を切ってもらってからですけどね。
亀については、ちょっと思いついたことがあるので試してみる事に。
「知佳ちゃん、頭引っ込めたよ。どうするの?」
「んとね、亀の右半分に、塀をだしたら、ひっくり返らないかなって」
「あー、それで腹を狙ってみるのね」
そして見事ひっくり返すことはできたのですが……
「これ、敵は動けなくなってるけど、おなかを狙うのも大変ね?」
「ぐぬぬ……いい案だと思ったのに」
甲羅がね、結構厚みがあるのでひっくり返すとおなかの位置も必然的にそこそこ高い位置に来てしまいました。
結果として、玲子さんの剣はまだいいのですが、沙織さんの槍での攻撃はかなり難しい状態です。
「これ、結局爆砕君で殴るのが早いよね」
「私たちはそれ一択ですね」
というわけで、葵さんがひっくり返った亀のお腹を狙って爆砕君でドーンと!
「結局爆砕君なのね」
「ファイヤーウォールかファイヤーストーム買う?」
「亀のために買うのはちょっと……」
ですよねぇ。
爆砕君で何とかなるし、やっぱり亀の違う攻略法は他の人に任せましょう。
そんな感じで45階層も無事出口へ到着、46階層へ行きましょう!
そして46階層は予想通り山岳フィールドでした。
「あー、やっぱり山かぁ」
「しかも結構傾斜がありますね」
「これはさすがに自転車はきつそうですね」
ここからはね、岩山の上り坂になっています。
自転車で登れない事もない……いや、やっぱりきついのかな?
みんな降りるようです。
「それじゃ薫、悪いけどしまっておいてね」
自転車はね、最近は薫さんに貸してる異次元バックにしまってもらってるんです。
私の異次元倉庫にしまってもいいんですけど、いざって時にばれないようにね、基本的には薫さんのにしまう事にしました。
「知佳ちゃん、出口って結構遠い?」
「さっきまでの階層よりは近そう?」
「近いの?」
「たぶん?」
私のスキルで判るのは、半径30mはまだいいのですが、それより遠い場合は大体の距離と方向だけなんですよね。
それで行くと出口まではたぶん5~6km位なのかな?
「あー、登りでそんなにあるのかぁ」
「そうすると、今日はこの階層は出口を目指さず、周りを少し偵察する程度にした方がよさそうですね」
どうやら皆さん、これから5km以上の道のりを登るのは嫌な模様。
まあ、そこそこ疲れてますしね。
偵察して傾向をつかんで、明日以降に生かすのだそうです。
そうしてしばらく近場をうろうろしたのですが……
「あれなんだろう?」
「どれ?」
「ほら、あの岩の上にいる黒いの」
「あー、なんだろ、角生えてるね」
そう、その顔は黒くて縦長で、半分巻いた感じの2本の角が生えています。
「なんだろう、何かで見た覚えが……」
「んー、私も何となく」
「あー、あれだ!社会科の教科書で見たんだ!」
「え?あんなの載っていましたか?」
「確か世界史の、ヨーロッパ……」
そうそしてそれは何かというと
「そうだ、中世ヨーロッパの悪魔に似てるんだ!」
中学生の世界史で、中世ヨーロッパに悪魔(写真)が出てきたかは覚えていません。
ですが、作中の知佳が使っていた教科書には載っていたと言う事にしてください。
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