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30年待たされた異世界転移  作者: 明之 想
第9章  推理篇
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第457話  たゆたう想い

何とか更新できました。

ただ、少し短いです。


<セレスティーヌ視点>




 ディアナが逝ってしまった。


 真面目で、いつも一生懸命で、なにより私のことを第一に考えてくれたディアナ。

 貴族令嬢としての生活を捨て、騎士として長年仕えてくれたディアナ。

 融通の利かないところはあったけれど、とても優しかったディアナ。


 そんな彼女が……。


 ……。


 これまでの忠勤に嘘があるなんて、とても思えない。

 それなのに、どうして?

 どうして、そこまで思い詰めたの?


 ユーナスあにさまを想う気持ち?

 その想いがあなたを……。


 想像もしていなかった。

 こんなことになるなんて。

 ディアナの信用を失い、命まで。


 私のせい。

 全ては私の責任。


 神娘がワディン以外に強い想いを抱いてしまったから。


 ……。


 ……。


 みんなは私のせいじゃないと言ってくれる。

 全てはディアナの責だと。


 でも、みんなは知らない。

 あの場にいたシアとユーフィリアと私以外、ディアナの想いを知らないから。


 あにさま。

 ユーナスあにさま……。


 ……。


 ……。


 ディアナだけじゃない。


 シアも。

 シアまであんなことに!


 私を庇って剣刃に倒れたシア。

 一命を取りとめたのは良かったけれど、視力を失ってしまった。


 シアの目には、もう何も映らない。

 瞳は何も捉えられない。


 可愛いシアが。

 あの可愛いシアの目がもう……。


 これも、私のせい。

 間違いなく私の責任。


 っ!!


 ごめんなさい。


 シア、ごめんなさい!!


 ……。


 ……。


 ……。



 だから、今は。

 今は一緒にいることができない。


 あなたと一緒にいると、頼ってしまうから。

 想ってしまうから。


 ディアナにあんな事をさせてしまったばかりなのに。

 私はあなたのことを……。


 ……。


 ディアナを失くしてから、僅かな時間しか経っていない。

 たった数日だけ。


 それでも、私の弱い心はあなたを探してしまう。

 少し気を抜けば、頼ろうとしてしまう。


 こんな私……。


 私は……。


 ……。


 駄目!


 認めることはできない。

 認めちゃいけない。


 私は神娘。

 ワディンと共にあるべき神娘。


 だから、今は。

 少なくとも今だけは!


 ……。


 ……。


 それなのに。

 頭では分かっているのに。

 心はあなたを……。





***********************





「はあ、はあ、はあ」


 強化した脚で、最高の速度で、急ぎ駆けつけた和見邸。


 今の状況は?

 邸宅の内部はどうなってる?

 幸奈と武志は?


 不安な思いでいっぱいだったのに……。


 門前から眺める和見家の屋敷は静かなもの。

 人の気配すら、ほとんど感じない。


 感知で確認しても……。


 やはり、感じ取れない。

 異能者の存在なんてまったく。


「……」


 開け放たれた門扉。

 気配の感じられない屋敷。


 異能者も古野白さんも、幸奈も武志も。


 ……。


 ……。


 いったい、これは?





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