第457話 たゆたう想い
何とか更新できました。
ただ、少し短いです。
<セレスティーヌ視点>
ディアナが逝ってしまった。
真面目で、いつも一生懸命で、なにより私のことを第一に考えてくれたディアナ。
貴族令嬢としての生活を捨て、騎士として長年仕えてくれたディアナ。
融通の利かないところはあったけれど、とても優しかったディアナ。
そんな彼女が……。
……。
これまでの忠勤に嘘があるなんて、とても思えない。
それなのに、どうして?
どうして、そこまで思い詰めたの?
ユーナスあにさまを想う気持ち?
その想いがあなたを……。
想像もしていなかった。
こんなことになるなんて。
ディアナの信用を失い、命まで。
私のせい。
全ては私の責任。
神娘がワディン以外に強い想いを抱いてしまったから。
……。
……。
みんなは私のせいじゃないと言ってくれる。
全てはディアナの責だと。
でも、みんなは知らない。
あの場にいたシアとユーフィリアと私以外、ディアナの想いを知らないから。
あにさま。
ユーナスあにさま……。
……。
……。
ディアナだけじゃない。
シアも。
シアまであんなことに!
私を庇って剣刃に倒れたシア。
一命を取りとめたのは良かったけれど、視力を失ってしまった。
シアの目には、もう何も映らない。
瞳は何も捉えられない。
可愛いシアが。
あの可愛いシアの目がもう……。
これも、私のせい。
間違いなく私の責任。
っ!!
ごめんなさい。
シア、ごめんなさい!!
……。
……。
……。
だから、今は。
今は一緒にいることができない。
あなたと一緒にいると、頼ってしまうから。
想ってしまうから。
ディアナにあんな事をさせてしまったばかりなのに。
私はあなたのことを……。
……。
ディアナを失くしてから、僅かな時間しか経っていない。
たった数日だけ。
それでも、私の弱い心はあなたを探してしまう。
少し気を抜けば、頼ろうとしてしまう。
こんな私……。
私は……。
……。
駄目!
認めることはできない。
認めちゃいけない。
私は神娘。
ワディンと共にあるべき神娘。
だから、今は。
少なくとも今だけは!
……。
……。
それなのに。
頭では分かっているのに。
心はあなたを……。
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「はあ、はあ、はあ」
強化した脚で、最高の速度で、急ぎ駆けつけた和見邸。
今の状況は?
邸宅の内部はどうなってる?
幸奈と武志は?
不安な思いでいっぱいだったのに……。
門前から眺める和見家の屋敷は静かなもの。
人の気配すら、ほとんど感じない。
感知で確認しても……。
やはり、感じ取れない。
異能者の存在なんてまったく。
「……」
開け放たれた門扉。
気配の感じられない屋敷。
異能者も古野白さんも、幸奈も武志も。
……。
……。
いったい、これは?





