なーんにも分かってなかった頃の保安部が、普通の仕事をしてた時の話
名無しの保安部さん
人類滅亡を信じて派手な行動に移した連中、片っ端から捕まえるべし。
名無しの保安部さん
虱潰しじゃあああああああ！
名無しの保安部さん
何信じようが勝手だけど、行動に起こしたら逮捕しちゃいましょうねー。
名無しの保安部さん
ああ忙しい忙しい。
名無しの保安部さん
首都大陸周辺は完全に壊滅させた？
名無しの保安部さん
んだ。
名無しの保安部さん
敵性宇宙人に情報を売ったら自分は助かるって思うとか、笑っちゃうんですよね。
名無しの保安部さん
そんな連中は牢屋へご招待。
名無しの保安部さん
人類の敵はいなかった。いいね？
名無しの保安部さん
あ、はい。
名無しの保安部さん
大真面目に言うけど、なんのコンタクトもできてねえ宇宙人に、どうやってコンタクト取って保身に繋げるんだよ馬鹿！
名無しの保安部さん
自分だけはなんとかうまく立ち回って、助かるって思うのは人間の習性だから仕方ないね。
名無しの保安部さん
お陰様で大忙し。
名無しの保安部さん
まさかとは思うけど、敵がセンターに強襲を仕掛けてきたのは情報の提供があったからとか言わないよな？
名無しの保安部さん
情報部が調べてるけど、それは多分ないっぽい。一番有力なのは、機密処理をし損ねたどっかの基地から抜き出されたパターン。
名無しの保安部さん
ああね。
名無しの保安部さん
ところでうちのトップは？
名無しの保安部さん
書類作ってるのは見た。
名無しの保安部さん
なんか特務大尉がどうのこうの言ってたな。
名無しの保安部さん
英雄の？
名無しの保安部さん
そう、英雄特務大尉。
名無しの保安部さん
なんかあったん？
名無しの保安部さん
詳しく話知らんけど、敵の総旗艦をぶん捕る前に命令違反があったとかなんとか。そんで、うちのトップは問題視してるみたい。
名無しの保安部さん
まあ、多少はしょうがなくね？ 多少は。
名無しの保安部さん
んだ。どこもかしこも大敗走してたんだから、総司令部が完全にコントロールできてた現地軍とか存在しないだろ。
名無しの保安部さん
俺らが一瞬だけとはいえ内向きじゃなくて前線に配属されるとか、まさに末期だったし。
名無しの保安部さん
詳しくなにやったか知ってる奴いないの？
名無しの保安部さん
噂レベルでいいなら士官の首を締めて気絶させたとかなんとか。
名無しの保安部さん
あちゃあ。
名無しの保安部さん
なにやってんねん。
名無しの保安部さん
ほんまかいなｗ
名無しの保安部さん
まあでも、ヤバイはヤバいけど許されるやろ。
名無しの保安部さん
せやな。特務大尉が敵総旗艦を奪取したから、センター近郊の戦いに勝利したって結論は揺るがないし。多分、なし崩し的になかったことにされる。
名無しの保安部さん
特務大尉も緊急時やからそんなことしたんやろ。
名無しの保安部さん
せやな。多分、一生に一度。今だけ必要だと思ってやった。のかもしれない。
名無しの保安部さん
断言しろよ。
名無しの保安部さん
気に入らないなら誰でも首を絞める奴という可能性があるじゃん。
名無しの保安部さん
原始人かな。
名無しの保安部さん
人間社会でやっていけねえレベルｗ
名無しの保安部さん
そんで話は戻るけどうちのトップは特務大尉を問題視してるって？
名無しの保安部さん
形だけじゃね？
名無しの保安部さん
んだ。誰かは苦言を呈しておかないとな。
名無しの保安部さん
ガチモンの問題児だったらどうしよう。
名無しの保安部さん
そんな奴は死戦場で生きていけないだろ。
名無しの保安部さん
最悪、それこそ味方に始末されてるっしょ。
名無しの保安部さん
だよな！
名無しの保安部さん
じゃあやっぱり、戦時宣伝じゃなくて本当に品行方正で軍人の中の軍人が、どうしようもなくて上官を気絶させた感じ？
名無しの保安部さん
断言はできんけど、そのくらいの人間じゃないと活躍できないかなって。
名無しの保安部さん
保安部の監視対象になる英雄はいなかったんや！
名無しの保安部さん
せやな。
名無しの保安部さん
英雄が監視対象になるとか大事だろｗ
名無しの保安部さん
これが獅子身中の虫！？
名無しの保安部さん
ぶっちゃけここから特務大尉が犯罪者になるとか想像もできない。
名無しの保安部さん
センターの避暑地で暮らして、広報するときだけ出てきたらいいレベルだしな。
名無しの保安部さん
一足先の隠居生活か。羨ましいなあ。
名無しの保安部さん
その代わり軍がガチガチに固めるだろうから、プライベートとか多分ないぞｗ
名無しの保安部さん
うげｗ
名無しの保安部さん
英雄の宿命である。
名無しの保安部さん
となると、俺らじゃなくて広報部が担当することになるか。
名無しの保安部さん
基本はそうだろうな。もし特務大尉に危害が加えられる恐れがあるなら、俺らが関わる可能性もあるけど。
名無しの保安部さん
英雄って言っても不意を打たれたらあっけないからな。
名無しの保安部さん
戦場で活躍したんなら俺らの必要なくね？
名無しの保安部さん
いや、日常と戦場はやっぱ違うって。常在戦場みたいな言葉はあるけど理想論だろ。
名無しの保安部さん
そうそう。戦場の研ぎ澄まされた感覚と、センターの安全な場所じゃ色々と齟齬が出ると思うぞ。知らんけど。
名無しの保安部さん
クッソ無責任な言葉を付け足すなｗ
名無しの保安部さん
ま、狙撃とか爆弾を送られたら英雄でも死んじゃうから、あほなこと考えるやつの監視はしないとな。
名無しの保安部さん
……やっぱ日常的に関わる機会が多いんじゃね？
名無しの保安部さん
俺もそんな気がしてきた。国家保安の視点から見たら、英雄が人類に害されましたなんて言えねえ。
名無しの保安部さん
じゃあ人員と予算を割いて特務大尉の警護か。
名無しの保安部さん
可能性は十分あるな。
名無しの保安部さん
つまり特務大尉の警護をしてたら、自動的に広報部の美人な姉ちゃんたちとお近づきになれるチャンスなんですね！？
名無しの保安部さん
その夢は見れるだろうさ。夢はね。
名無しの保安部さん
どう考えてもハニートラップが混ざってるので駄目です。
名無しの保安部さん
特務大尉の警護任務に携わってる期間中に交際し始めたら、ガチのマジで要監視対象になると思え。
名無しの保安部さん
ですよねー……。
名無しの保安部さん
なら特務大尉に近づくハニトラの排除も仕事かあ……。
名無しの保安部さん
くっそめんどくせえ。誰か見分けて憲兵に突き出してくれよ。
名無しの保安部さん
特務大尉にやってもらおう！
名無しの保安部さん
なんで護衛対象にハニトラの対処をさせるんだよｗ
名無しの保安部さん
今来たけど、俺の知ってる話と違うな。なんか新兵器開発部が特務専用機を作ってるって聞いたぞ。つまりは前線に行くんじゃね？
名無しの保安部さん
は？ マジ？
名無しの保安部さん
いや、流石にプロパガンダ用だろ。
名無しの保安部さん
こういう情報が錯綜してるのは、落ち着いてない証みたいなもんだな。
名無しの保安部さん
暇になるのはいつになるやら。
名無しの保安部さん
確かに。
名無しの保安部さん
暇になるために頑張ろう。
名無しの保安部さん
せやな。
名無しの保安部さん
せやせや。
