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Deviance World Online 〜最弱種族から成り上がるVRMMO奇譚〜  作者: 黒犬狼藉
一章上編『忘却されたⅫの栄光』

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Deviance World Online ストーリー2『地獄の番犬』

本編は短いです。

 現れるヘルハウンド。

 それらを構えた弓で次々と射殺すレオトールだったが、それ以上に生まれてくるヘルハウンドの方が多い。

 今は取りこぼしてはいないが、これ以上の速度で増えればいつか黒狼たちに襲い掛かるだろう。


「……、どうしてくれようか。」


 生まれてくる速度が速いだけで別段、強くはない。

 一対一ならばそう苦戦せず黒狼も勝てるだろう。

 自分の処理速度を超えない限り、確実に瞬殺できる。

 逆を言えば、処理速度を超えれば瞬殺は厳しいのだ。


「槍では行動範囲を制限してしまう、矢では速度が足りん。ボウガンは焼き切れている、か。」


 そう言うと、金属矢を取り出す。

 特殊な効果を保有しているわけではない、ただただ普通の矢よりも重く頑丈なだけの矢。

 それを弓に番えると、一気に引き絞り放つ。


 同時に各所から血飛沫が上がった。

 さっき、特殊な効果は無いと告げたな? あれは嘘だ。

 いや、嘘では無いのだが真実でも無いと言ったのが正解だろう。

 あの矢には魔法的効果、魔術的効果は一切付与されていない。

 ただただ、金属製の鋭利なワイヤーがついているだけだ。


「フン、しばらくそれに足を切っておけ。」


 悪辣な笑みを浮かべレオトールはそう告げると、直前に出していたナイフ10本を一気に周囲へ投擲する。

 鋭い、メス状のナイフはヘルハウンドの首を切り生まれた瞬間にポリゴン片へと変えてしまった。

 だが、それだけでは終わらない。

 投げられたナイフは突き刺さり、ヘルハウンドがポリゴン片になった瞬間ポリゴン片を吸い込み剣を覆うようにヘルハウンドがスポーンした。

 このナイフの名前は『吸魔のナイフ』、殺した魔物から放出される魔力を吸収し一時的な影法師となるナイフだ。

 勿論、一時的な影法師でしか無い以上常用するにはあまりにも弱い。

 だが、こう言う場面では酷く活躍する。


「『操糸・殺戮陣』」 


 そして、また別のスキルを発動し先程発射したワイヤーに遠隔ながら魔力を込める。

 瞬間、スキル効果でそれらが舞い上がりスポーンした瞬間に暴れのたうつワイヤーに全身を切り刻まれた。

 

 ちょうどその頃、黒狼はゾンビ一号と共にスキルを発動していた。

 黒狼がレオトールの立ち回りを受け継ぎ、アタッカーとなりゾンビ一号は常にヘイトを集めタンクの役割を淡々とこなす。

 相性は最高、何時間も何回も行った動きの延長線上でしか無い以上明確な失敗は殆どない。

 

「『騎士の誇り』!! 『シールドカウンター』!!」

「お前そんなスキル持ってたかッ!? 『パリィ』!!」


 苦戦はしているが、案外どうにかなりそうな2人の姿。

 黒狼は一瞬魔術を展開しようかと悩んだが、このままで問題ないと判断した黒狼は切り札を切るのを遠慮した。

 実際順調に削れている、流石に一撃で5%も吹き飛ばすレオトールに比べればその効率は微々たるモノだがもう既に合計10%は削っている。

 間違いなく勝てる、少なくとも背後で瞬時に消えているヘルハウンドが襲いかかって来なければ。


 そうやって順調に黒狼たちはケルベロスを追い詰め、戦闘時間30分あまりでようやく倒した。

 ケルベロスが死ぬと、背後で召喚されていたヘルハウンドたちも召喚が止まり生存していたヘルハウンドはそのままレオトールが殺す。

 最終戦にしては案外サックリと終わったそれを前に黒狼は少し、溜息を吐くと骨ながらに笑いながらこう告げる。


「いいかテメェら!! 採掘の時間だぜェ!! ヒャッハァァァァアアアア!!」

「ツルハシくれます? レオトール。」

「ほれ、コレだ。」


 そう言って人数分のツルハシをインベントリから出すと、レオトールも早速目に見える採掘ポイントを掘り始めた。

 さて、なんで黒狼’sがこんなことをしているのか? 答えはこのフィールドにある。

 このフィールドは火山地帯、さらにいえばその火口に当たる。

 光を放つマグマが流れていることからも大凡そのことは察せるだろう。

 そんな火口地帯であれば多少以上に鉱石があるのも不思議ではない。

 そして実際に鉱石の類は驚くほどあり、難行突破の報酬として使いきれないぐらい掻っ攫おうと言う魂胆なのだ。


 とまぁ、そんな感じでカンカンカンと鉱石を掘り続けること1時間。

 黒狼がデスしスポーンした。

 まぁ、原因は考えるまでもなく採掘に熱中してダークシールドが割れたのに気づかずそのまま光でダメージを受けたことだ。

 勿論2人は気にせずワイワイと採掘をしている、それに10秒後には黒狼も戻ってきた。

 

 そんなこんなで山のように鉱石を採掘し、これ以上は両名のインベントリに入らないと認識した3人は既に現れている扉を跨いだのだった。

レオトールまとめ(設定情報&ネタバレ)


北方と呼ばれる土地のとある国家の有力な貴族の当主。

行政などのほとんどは優秀な妹や部下にやってもらい本人は先祖から伝わる名を冠した傭兵団『伯牙』の団長としてレイドボスを頻繁に倒している。

保有する能力は北方随一であり、タイマン戦となれば強者が多い北方でも勝率5割を切ることはない。

魔力適正がなく、属性魔法や魔術を扱いずらいため大規模攻撃手段が乏しく基本的には道具頼りとなっている。

北方では『伯牙 (誇り高き牙と言う意)』や『殺せずの英雄ナインライブズ』、ほかに『白の盟主ブラン』などと呼ばれており村民からは尊敬と畏怖の目で見られることが多い。

戦い方は物理系スキルを主としたモノで、大規模殲滅には向いていないとは本人の談。

また、彼の剣技は先祖代々受け継がれてきたアーツを基礎とした凡夫の剣で他人でも真似ようと思えば案外真似できる。

また肉体は後天的な影響で人間の規格から逸脱しかかっている側面もある……、が本人にその自覚はない。


保有アーツ

『伯牙』 『極剣一閃グラム』や『大地峰壊カラドボルグ』などのアーツ。作成者は初代伯牙の【ーーーーー】

『殺戮演戯』 『殺戮刀舞ザービン』や『破殺旋風ズィブニヤ』などが該当する。全ての攻撃に超低確率の即死判定が乗るクソ技。作成者は暗殺教団の初代当主

他多数


ゾンビ一号まとめ(設定情報&ネタバレ)

レオトールに殺された怨念が黒狼によって束ねられ、1人の女性の死体の中に入ったモノ。

黒狼に対して恋愛感情とは少し異なる感情を持っている。

ステータス不足で生前のスキルやアーツは殆ど使えない。


黒前真狼 (黒狼)

本作主人公にして最弱種族になった悪の権化。

この世界(DWO)をゲームとして楽しもうとしてあまりにも自由度がないスケルトン族となり軽く絶望中。

平均ログイン時間がリアル換算20時間(食事と風呂と運動以外では外に出てない)と言う頭おかしいヤツ。


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― 新着の感想 ―
[一言] いつも楽しく読ませていただいています。 やっと、やっと12の難行が終わりましたね、、、 元はと言えばレイドボス騒ぎで罠を踏んでダンジョンへ来てしまったわけですが、ストーリーとしてまだ始まった…
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