Deviance World Online ストーリー2『Ⅻの難ー、殺傷の難行』
即座に喉元に剣を突き刺し、息の根を止めると直後に降り立ったレオトールが『極剣一閃』り縄の代わりの皮を手足ごと切り飛ばす。
「即座に回収し掴まれ!! 余裕はないぞ!!」
「「了解!!」」
無駄口は叩かず、即座にインベントリに手足付きの縄を仕舞うと2人はレオトールの腕を掴む。
普通ならば、こんな非効率な事はしない。
両手を塞ぐなど愚の骨頂、だがこの瞬間においては間違いなくコレこそ最善。
両腕を掴み、即座に靴に魔力を回すと結界を展開。
空中戦闘機動を描き出す、つまりは人間戦闘機という事だ。
あまりにも厳しい暴風、風の粒子がダメージとなって2人を襲う。
だがソレを気遣う暇はレオトールにはない、各方面から数千近い矢が各所から降り注いでいる。
一発でも当たれば、2人は即死しかねない。
大事の前の小事は切り捨てると言わんばかりに、レオトールはそちらのダメージを無視していた。
勿論、成すすべなくダメージを負っている黒狼ではない。
ダメージが入った瞬間に理由を分析、対処としてダークシールドを展開した。
ソレをゾンビ一号にも付与し、残量ゼロとなったMPをみて軽く絶望する。
「チッ、『強靭な骨』!! オイ、レオトール!! ダメージデカい!!」
「黙れ、黒狼!! こっちも必死だッ!!」
「キャァァァァァァアアアアア!! 無理、ムリ!! コワイ、おろして!! 早い!! 目が回る!!」
「「五月蝿い、ゾンビ一号!!」」
口では兎も角、実際は大分余裕がありそうな3人はそのまま100にも届きそうなアマゾネスの軍勢が控えている門を視認する。
それぞれが陣形を組み立て有利な環境で戦うアマゾネス、まず間違いなく弱いはずがない。
そして、戦力となるのはレオトール独り。
間違いなく劣勢、だがソレでもレオトールは確信を持って全てを蹂躙する姿を夢想する。
足に展開していた結界を解除し、地面に落ち始めるレオトール。
即座にインベントリを開き、三つの武器を取り出した。
一つは大鎌、一つは槍、一つは大鎚。
ソレらをインベントリから出した瞬間、槍に魔力を流しながら蹴飛ばす。
「『シュート』」
魔法陣に魔力が流れ込み、黄雷が纏わりつく。
直後、レールガン如く初手で数十人単位のアマゾネスを焼き殺した。
直後地面に到達、即座に2人を空中に投げると落ちてきた二つの武器を手に取り爆音と共に死体を踏みつけ降臨する。
手に持つ大鎌と大鎚、ソレらに魔力を込めレオトールは回転する。
死を振りまく死神の如く、殺戮を始めた。
「『破殺旋風』『大地峰崩』」
大地を破壊する衝動、殺戮を展開する風。
有無無造、平凡と称された敵がいくらいようと純粋な死と破壊の前には成すすべはない。
数値だけいくら高かろうと、避けるだけの脳が無ければただの雑兵であり案山子に過ぎず。
ソレを殺すのは、容易い話だ。
「レオトール!!」
「速く来い!! でなくば死ぬぞ!!」
「そうじゃねぇ!! 背後だ!!」
口頭での伝達、焦りからくる焦燥故に彼が見逃していたソレを即座に伝える。
一瞬の後、レオトールもソレに気づいたがもう遅かった。
何十本もの矢が、槍が、ナイフが、剣が飛んでくる。
物量こそ力だと示すように。
「なるほd
ザザザザザザッ……!!
全てを言い切る前に、レオトールの体躯に。
少なくともソレがあった空間に、無数の凶器が刺さる。
確信と共に、黒狼は脚を運ぶ。
ソレを見たゾンビ一号は一瞬の驚愕の後に、黒狼の後へ。
「なるほ、ど……。徹底的な欺瞞工作に私だけでも殺すという強靭な意志、気付けない訳だ。」
体から血が滴るレオトールは、ソレでも余裕を以てそう呟く。
視界は良好、意識は朦朧。
あまりにも多い衝撃に脳が動かない、即座に動けとなればまず不可能。
喋ることが漸くと言ったレベルではある、だがソレでも。
回復手段は、体が覚えている。
即座にインベントリを開き、見えないながらポーションを取り出すと即座に身体にぶつける。
そして意識を覚醒させる魔術、身体機能の回復効果の促進の効果を持った魔術のロールに魔力を流し脳震盪から回復させると取り落とした二つの武器をインベントリに仕舞い剣を抜く。
「逃げるぞ、レオトール!!」
「戦略的撤退だ!! 馬鹿野郎!!」
冗談めかしてそう告げ、さらに飛んでくる武器の数々を弾き飛ばしながら3人は門の中に突入した。
*ーーー*
「ぐぁはッ!! ゾンビ一号!! 重い!!」
「し、失礼な!!」
「ぅ……、そこらへんにしておけ。どうやら今回は単純な内容らしいからな。」
そう言いつつ、頭を軽く叩くレオトール。
慌てて入ったせいでゾンビ一号の下敷きになっている黒狼を見ながら、目の前に大人しく座する敵を見据えた。
その姿は異形、その形容は表現し難く、ありのままに言うのならば三頭の頭を持つ豪人。
手には槍と剣を持ち、緘黙に座している。
起き上がった2人はその姿を見ると、即座に戦闘態勢に入り最上の警戒を行い始めた。
「とりあえず、初めまして?」
「ーーーーー、なるほど。そう言うことか、悪趣味なッ!!」
最初に声をかけた黒狼、ソレに反応を一切示さず異形は何かの理解と共に憤怒を声に出す。
そして三つの貌が憤怒を示し、一頻り怒りを示した後に異形は漸く黒狼たちに気づいた。
骨と腐肉と人間、あまりにも愉快な面子に右の顔は疑問を呈し中の顔は笑い左の顔は不快を表す。
三者三様、そう言った反応を一頻り示した後に異形は黒狼たちにこう問いかけた。
「汝らは何故此処へ?」
「何故、って言われてもなぁ? レオトール。」
「強いて言えば進んで此処にきた、それだけだな。」
「なるほど、そうかそうか。」
酷く上機嫌に、酷く寛容に。
異形は頷く、全ての顔で。
そして、満足そうに微笑むと異形はこう告げた。
「ならばしn「『極剣一閃』」
死ね、そう言おうとした異形の三つ首を即座に切り裂く。
前回の反省は初手を受けに回ったこと、今回は油断も慢心もなく鏖殺する。
「『大地峰崩』」
インベントリを展開し、そこから取り出した手斧で胴体に大地が破壊し尽くされるソレを叩き込む。
腹に風穴が開き、皮一枚で相手の体躯は繋がっている。
間違いなく死んでいる、そう確信を抱きながらもレオトールはさらに追撃を叩き込むためインベントリを開けた。
「『殺戮刀舞』」
取り出されたナイフ10本、手斧を投げ捨てたと同時に全てを掴み取ると投擲し体に突き刺す。
投げられたナイフは衝撃と共に人体の各所を爆破させ、相手を粉微塵にした。
同時に、戦闘終了のアナウンスが流れる。
ソレを聞き漸く攻撃体制をやめたレオトールを見て黒狼は呆れと共に言葉を紡ぐ。
「せめて宣言が終わってから殺してやれよ。」
「先程はソレで後手に回り窮地に陥ったのでな? 殺意に殺気が混じった瞬間に対応した。ソレに、貴様らにも余裕はないのだろう?」
「褒められたモノではありませんが最善ですね、褒められたモノではありませんが。」
「とりあえず、宝箱開けようぜ!! アマゾネスからは回収できなかったし。」
「ああ、ソレに関しては私が回収している。中身は確認する暇はなかったがな。」
そう言って、箱を出し置くとレオトールは椅子を出し仮眠を取り始めた。
登場時間が異様に短い異形さんェ……。
いや、まぁ消耗がデカいのと割と苛ついていたのでその憂さ晴らしを兼ねた攻撃ですが……。
ソレでももう少し手心というものを……。
と言うか、本当にレオトールが余裕を持って戦うキャラだったから此処までの苦戦があるわけですし……。
冗談なしで死を連想した戦いは怪鳥戦ぐらいじゃないんですかね? 流石のレオトールも物量には敵いませんし。
と、言うわけで今後の展開に興味のある方は是非スターやブックマークをお願いします!!
現在ポイントが984で1000にも近いですし、本当によろしくお願いします!!
やっていただければ、更新速度がやや上昇しますので!! 何卒!!




