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安価で俺は変わろうと思う  作者: aaa168(スリーエー)
月曜15時、タイムリープ。
91/166

『思い立ったが吉日』



人生とは、うまくいかないものだ。

だからこそ、じっくり進めていくものだ。

突拍子もなく、思い立った時にそのまま行動なんてやってはならない。


でも時には、それを分かっていてもやらなきゃいけない時がある。

きっと今がそういう時だ。



100:名前:1

一応県内にシークレットブーツ専門店があった 

今向かってます


101:名前:恋する名無しさん

おう 

今服見てるけど、やっぱ実際に着てみないと分かんねー……


102:名前:恋する名無しさん

あったあったあった! これ大人っぽい香りの香水!

オラついてるやつ大体つけてそう(ド偏見)


↓↓↓

URL


103:名前:恋する名無しさん

ああコレならどこでも置いてそうだな 良いんじゃない?

ド〇キになら100%あるね(ドドド偏見)


104:名前:恋する名無しさん

うーん 人を怖がらせるのって難しいなぁ……


105:名前:1

着いた とりあえずシークレットブーツ買ってきます


106:名前:恋する名無しさん

いてら


107:名前:恋する名無しさん

うーんうーん マジで服どうしよう……





今、ようやく電車を降りたところ。

初めての場所。マップを開いてその場所へ。



「……遠い!」



シークレットブーツは、普通の靴屋さんでは売っていない。

普通なら通販で買うものらしく、ココから7駅行かないと無かった。

そこ以外じゃもう県外。むしろ運が良かった方。



「……はっ、はっ――」



既に時間は16時越え。

カラオケまでは少なくとも二時間掛かる。


……なんて、迷ってるなら足を動かせ!                  



「『Magic Shoes』。ここか」



辿り着いたは、こじんまりしたその靴屋。

きっと合ってる。合ってるはずだ。



「すいません――身長伸ばせる靴って、ここで売ってますか?」

「えっ」



思わず、近くに居た店員さんっぽい人に声を掛ける。

焦っているのは自分でも分かっているけれど、止められなかった。



「……す、すいませ――」


「――15センチまで行けますよ。貴方も夢の180台……試着しますか?」


「えっ」



どうやら合っていたらしい。

なんかこの店員さんの雰囲気、どこぞの美容師さんに似てるぞ!





「ご購入ありがとうございます、このまま履いていかれるんですか?」

「あ、はい」


「承知しました、元のお靴はこの袋にお入れください」



時間に追われている感が伝わったのか、店員さんはせかせかと動いてくれた。

お客さんが俺だけってのもあっただろうけど。



「大丈夫ですか? 最初は慣れるまで大変なので、これぐらいが限界ですねぇ」

「……は、はい。なんとか」


「じゃ、お気を付けて!」

「ありがとうございました……っとと――」



久しぶりに靴を買ったが、まさかこんな形になるとは思わなかった。

靴本体で8㎝、中敷きで4㎝。

驚異の12㎝アップ。



「――す、凄……」



店から出た瞬間――世界が変わっていた。

ほとんどの通行人よりも、背が高い。


当然か。

今の俺は、身長180越えなんだから。



「行こう」



鞄の中に元の靴を入れて、進むべき道を確認。

余韻に浸っている場合じゃない。

次は服――


「――痛っ!」


と思って、踏み出したらこけた。

うん。まずは歩くことに慣れよう。


例のOGに対面した時――シークレットブーツだとバレないぐらいには慣れておかないと。


……バレたら地獄!




東町一『……もう帰った?』




とりあえず、そのLIMEだけ入れて。

俺は――何度も転がりそうになりながら、駅に向かっていった。





「……嘘だろ、おい……」



そして。

駅前、改札機――案内表示。




車両トラブルにより運転見合わせを行っております――

運転再開は17:00頃を予定しております――

振替輸送は――




「……流石に、それは無いだろ――」



項垂うなだれる。

現在時刻は16時半。30分の遅延……そして、当然だが再開直後は混む。

もっと遅れることになるだろう――到着は19時を超える。


まだ、服もアクセサリーも揃えていないのに。



「――っ」



どうする? 振替で別の路線で行くか?


でもここからじゃ大分遠い。

いっそのことココ当たりで服を買うか?


……ああ、くそ。



「走るか」



こんなとこで、立ち止まっていても駄目だ。

このまま待っていても時間が過ぎるだけ。


なら走って、振替輸送に対応した電車に乗るしかない。


携帯、マップを開く――ここからなら、大体30分ぐらい歩けば着くらしい。

多分走れば10分。

周囲を見ても、タクシーなんて居なかった。



「……」



行くしかない。

駅前、端によってシークレットブーツを脱ぎ――普通の靴に履き替える。

目線なんて気にしていられない。





「はぁっ、はぁっ……」



マップアプリ、道程を確認しながら走る。

走って10分といっても、それは全く迷わなかった時の場合だ。


こんな時に限ってGPSは狂って、気付いた時には真逆の道を行っていたり。


何とか軌道を修正できたと思ったら――もう40分なんて簡単に過ぎていた。

このままだと、振替輸送の駅に着くのは17時過ぎ。もっと遅いかもしれない。



「……くそっ、何なんだよ――」



嘆きながら走る。

上手くいかない事ばっかりだ。


……もしかしたら、このまま中途半端なまま。

あれだけの啖呵(たんか)を切って、彼女を助けられないまま。

今日が、何事もなく終わってしまうかもしれない。



「――っ」



裏路地を抜けて、また大通りを通って――過る最悪を振りほどきながら走っていく。


立ち止まって、マップを眺めて。


ようやく半分を超えたところ。




「急がないと――っ!!」




出来る限り近道で。

焦りで。時間に追われて。

また狭い路地に入って――いつしか、足元の注意が疎かになっていた。




「ぐっ――!!」




それは、盛大に。

ほんの小さな段差で――みっともなく転ぶ。



……ああ、もう。

本当に、うまくいかない事だらけ。



「痛った……!」



人生とは、うまくいかないものだ。

だからこそ、じっくり進めていくものだ。

突拍子もなく、思い立った時にそのまま行動なんてやってはならない。


でも時には、それを分かっていてもやらなきゃいけない時がある。

今が、きっとそういう時だと思っていた。



「くそ……ああ、もう――っ!」



けれど。


汚れた俺のズボン。

血が滲んで痛い。それだけじゃなく、今になって疲れすら出てきた。


呪いのように、うまく行かない未来が頭に過る。


振り返ってももう遅い。


後悔しても戻れない。



「……」



でも、だからこそ。


ココで――終わるわけにはいかないんだ。



「待ってろよ……クソOG共――」



ゆっくりと立ち上がる。


むしろ、心は逆に燃え上がっている。

いくら時間が掛かろうとも、俺は必ず辿り着く。



「――ん? この香り……」



そんな時。

俺の横に小さな店があった。

『立花古着屋店』――服が並ぶその場所。


立ち止まった理由は、何かを思い出す香水の匂いがあったから。

ふわり、と。


これは。

あの時の――




「――えッ!?」




その声。

驚いた表情と、口調で分かる。


店の中。現れる彼女。

その、出てきた人物は――




「え。『思い立ったが吉日』さん……ッスよね?」




趣味、グラウマガの。


合コンで出会った彼女だった。



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― 新着の感想 ―
築いた人脈がここで花開くか
勝ったな、風呂食ってくる。
や、やったッ、<<グラウマガ>>の姉御ッ! "チョーシ"くれて俺の"ダチ公"を"拉致"った"シャバスケ"が居るんすよ! "ヤキ入れ"に行くんで"アシ"貸してください!(流暢)
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