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安価で俺は変わろうと思う  作者: aaa168(スリーエー)
控えめのピースサイン
146/166

こんな時こそサングラス!




「……まだ、月曜日っすよ……(瀕死)」


「しゃーないココ辺りで勘弁してやるか☆」

「体力ねーぞ東町。もっと食えよな」



結論から言えば、俺の喉は死んだ。

ヘタクソなりに頑張ってたらこれだ。


一方の二人は全く堪えていない。

なんなら途中から二人の歌声を聞く鑑賞会になった。


レパートリーが無いんでね(陰キャ)。

途中からデスボイスの曲歌ったらウケたから良いや……。喉は死んだけど(最後の輝き)。



「腹式呼吸って知ってるか?」

「せ、戦闘はしたことなくて……」

「おまっ体術じゃねーよ。歌い方の方法だ」

「そんなのあるんだね(声ガラガラ)」

「ふはは、まあ慣れてないとそうなるよね☆」



どうやらなんかそういうの(語彙力)があるらしい。

人とあんまり話してこなかった陰キャ男(自己紹介)からすれば、もともとの声量が彼女達とは違うと思うけどね。



「じゃあバイビー☆」

「帰ったらのど飴食えよ」


「ば、ばいびー……(陰)」


「お仕事がんばるぞい☆」

「おう」



で、二人はこれからモデルの仕事らしい。

体力ヤバスギでしょ……。

やっぱこの子達、俺とは違う身体の構造してる。



――ピコン!



「ん?」



そして、狙いすましたかのような通知。

『今日一緒に帰りたい』――そんなメッセージが一つ。


俺は、コンビニでのど飴を買った。





「あー、あー……」



家、最寄り駅のホーム、降りたらもう19時半。

枯れた声なのを再確認。


そして、そのベンチの彼女を見つけた。



「ごめんごめん、お待たせ」

「ううん、急に一緒に帰りたいなんて言ったの、わたしだから……って」



初音さんは目を見開いて俺を見る。

……次に彼女は『その声どうしたの?』って言うね(ドヤ顔)。



「カラオケ行ってたんだ〜」

「ハイ(敗北者)」

「あはは」



常に俺の一手先を読む――流石永世九段初音桃だ(違う)。


部活終わりの彼女は、運動したあとなのに良い香りがする。

……もしかして俺は変態なのか(今更)。



「じゃあ帰ろうか」

「う、うんっ」


「で……なんかあったの?」

「実はね。あのOGを追い払ってくれた時、後輩に見られてたみたいで……」


「え゛っ」

「カラオケから出てくるとこ……その後OGの人達も出てきたから、すぐにわかったんだって」



ま、マジか。

全然気付かなかった。その子は忍者かな。

俺と同じ――“陰”を極めた者、か(中二病)。



「同志が居るとは、ね――(この風、泣いています)」

「? い、嫌じゃないの?」


「同じバスケ部の人なら、OGに告げ口なんてしないだろうし」

「そういう問題……?」


「ま、まあ。あの服は結構気に入ってるし。お守り? みたいなね」



言ってから気付く。

なんでそんな悲しそうな感じ?



「……じゃあ、あの格好で結構遊んでたりするんだ」

「いやそれはないけど……着たのあの時だけだし」


「! そうなんだ〜、だよね!」



……で次はなんでそんな嬉しそうな感じ?

悪い気はしないけど。



「部屋の守り神みたいになってるよ、今は」

「あはは、なにそれ。もったいないな〜」


「じゃあやっぱりいつも着たほうが良いのかな」

「え、えっと〜。それはそれで……」


「……?」



なんというか、さっきから矛盾してるよ初音さん。


……。

いやいや、まさか。



《――「……ほんと、今日のいっちはいっちじゃないみたい」――》



カラオケから連れ出した後。

上目遣いで、頬を紅潮させた彼女。


ほんの一瞬――それが脳裏に宿った。



「なんでもない。いっちが着たい時に着ればいいじゃん、いっちの服だし!」

「え」

「うぅ……」

「じゃあ——今着ようか? なんちゃって……」



間違ってたらただの自意識過剰男だ。

そうは思っていても、ふっと口から漏れた。



「……良いの?」



それは、まるで探していた靴下が手に入ったかの様(朝の俺)。

……そんな冗談を頭に浮かべておかないと、きっと冷静じゃいられなくなる。


何故か『はい』と言う事も出来ず、ただ頷いた。



「はやく〜!」

「じゃあ、俺の家行って着替えてくるよ」

「うんっ」



通りがかった公園の外灯は、ヤケに輝いて見える。

こんな時こそサングラス!


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― 新着の感想 ―
あれ?これから女に会いに行くこと家族に伝えておめかしして出掛けんの?……できるのいっち?まだ家にいないかな?
人懐こくて嫉妬深い大型犬(人)初音さん。
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