表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安価で俺は変わろうと思う  作者: aaa168(スリーエー)
控えめのピースサイン
132/166

完全な不審者



「いっちってホント読めないよね〜」

「そうね」


パジャマを取りに行くと、彼が家から出ていって30分程。


「いっちの妹もそんな感じなのかなぁ」

「それこそ読めないわね」



《――『いちにーきょうくるんだよね!』――》



ダンス発表を終えて、早々に私は帰宅して。

彼が来る事を伝えたら、かのんは飛び上がって喜んでいた。


桃が家に来るときも喜ぶけれど。

東町君の場合は、まるで――パパが帰ってくるときみたいに跳ね回る。


なんとなく彼は、年下への対応に慣れている気がした。

そしてそれは、あの電話で合点がいったわ。



《——「一兄……もうすぐ体育祭だよね」——》



妹が居たのなんて知らなかった。

彼、あんまり自分のこと話さないから。もっと言ってくれてもいいのに。


でもあの口調では、かのんみたいに東町君へ懐いている訳ではないらしい。

うーん、気になるわ。

東町君が困る様子って、見ていて面白いのよね。

多分電話でアレなら、対面したらもっと困るんじゃ。


なんて。

我ながら性格悪いこと考えちゃったわね。


ピーンポーン——



「あ、いっちだ」

「早かったわね」

「はーい、今開けるよ。あはは〜めっちゃハーハーしてる」

「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」

「うわちょっ」

「?」


『…………聞こえてます』


えっ。マイクONになってたの!?

気付かなかったわ……。



「ご、ごめんなさい。失礼過ぎるわね」

『ははっ慣れてるから平気だよ』



じゃあ、大丈夫かしら?

本当に東町君ってタフなのね。






《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》



如月家、再度侵入(不審者)。

安心する匂いだ(不審者)。

靴並べてっと(紳士)。


玄関到着。

不法侵入、開始します!!!!!!! (気にしてない気にしてない気にし)。



《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》


《——「東町君じゃなかったら完全に不審者ね」——》



あああ静まれ俺の両耳!!


ひたすらに頭の中で繰り返される、如月さんの声を抑える。

自分で思うのは良いけど、人から言われるとなんで駄目なんだろうね人って(胃痛)。

やはり人は興味深い。もっと単純にいこうよ。なあ聞いてるか俺の脳?


ああ、神聖な如月家インターホン(価値にして1,000,000円は下らない、多分)なんかに俺の息を掛けてごめんなさい。

300000000000年ローンで払わせて頂きます……(地獄並感)。

はぁ…………。



「だ、大丈夫いっち?」

「はい(いいえ)(はい)(いいえ)」


「どっち……?」


「大丈夫です……寝間着、持ってきました……」


「……と、なにそれ?」

「あら、パジャマにしては大分荷物多くないかしら」



そう言われて気付く。

確かにそうだ。パジャマだけだったらこんなデカイトートバッグはいらない。

しかもパンパンだし。


……言うタイミングとしてはココか?


行くしかねぇ! 乗るしか無いこのビッグウェーブに(アン○ロ○ド派)。



「あああっアルバム持ってきてて……(震え声)」


「……なんでいま? もう終わったのに?」

「? 大きすぎないかしら?」



ああああああああああああ!!!

ミスった? ミスった?

えっ何大きいって!! 俺の痛々しさが?

終わったって何? 友達関係が?


しかしもう止められない。

さいは投げられた(自分が勝手に投げただけ)。



「あっ、と、せっかくだし、如月さんとか、かのんさん(5)の昔の写真とか見たいな、みたいな。だから俺も持ってきてさ。ははは(早口)」


「? 写真……?」

「?」



ああああああああああああ!!! (2回目)。

もう俺を殺してくれ。


独り言で誤魔化せた安価カレー(ダブルミーニング)(懐かしい)の時とは違う。

逃げられない。

この『?』マークが浮かんだ顔の二人に、俺はもう余命三秒——



「あっ!!」

「え」


「見た〜〜い!!!」


「……え……」



と思ったら、初音さんがそう叫んだ。



「アルバムってCDじゃなくて写真の方か〜〜!」

「あ……ちょっと混乱しちゃったわ。ダンスの授業のせいで、そっちに気を取られたのよ」


「あ、ああ……(復活)」



ああ。確かにそうだ。

安心するとともに何か、実感が湧き上がる。

俺は――なんとか生き残れた(瀕死)。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ