大型のプール施設
今度は水着姿で登場!
8月上旬頃、僕は駅のホームで時間をもて余していた。 今日は待ちに待った皆でプールに行く日。 駅での集合場所9時半なのだが、場所が場所なだけに早めに着いてしまう。 現在時刻は9時を回ったところ。 プール施設の最寄りの駅のホームにいるのは僕だけだ。
「前にもこんなことになってたなぁ。」
ゴールデンウィークの事を思い出しながら、時間が過ぎるのを待つ。
「それにしても・・・ふぁぁ・・・あぁ。 早すぎたかもしれないなぁ。 ま、この時間なら誰かしらはすぐに・・・」
「すぐに、なにさ?」
「ほら、こうして現れる・・・って、最初に着いたのは濱井さんか。」
独り言を喋っていたら、第三者の声が入り、振り返ると濱井さんが大きなバックを持って現れていた。 青いシャツにハーフパンツと、かなり動きやすそうな服装をしている。
「もしかしてそのバックに入ってるの、全部濱井さんが用意したの?」
大きいといっても濱井さんからしてみたらという話で、実際は僕位で丁度いいくらいの大きさだ。
「まあね。 楽しみすぎて昨日は眠れなかったし。 そっちだってさっき欠伸してたじゃない。 寝不足なんじゃないの?」
「失敬な。 これでもちゃんと寝てるよ。」
「ふーん。 安見や加奈美の水着姿が気になって悶々としていたんじゃない? あー、やらしいやらしい。」
そうやって手を振っている濱井さんだが、どこか楽しそうにしている。 楽しみなのは本当のようだ。 そんなやりとりをしていて、次々とみんなが現れたので、目的地の大型プール施設に向かって出発することにした。 もちろんバスでたけど。
「うっはー! やっぱり凄いねぇ!」
入場券を買うのに20分位掛かってようやく中に入ることが出来た。
ここのプール施設の売りはそのアトラクションの規模の大きさにある。 なにしろ波の出るプールの波の高さは、自分達の身長を遥かに越えるビッグウェーブというのが、この施設最大の特徴だ。 他にもウォータースライダーを始めとしたいろんなアトラクションも楽しめる事もあって夏場は繁盛しているのだ。 一応冬でも楽しめるようにレストラン等も開業している。 景色がいいとのことで足を運ぶ人も多いらしい。
「では着替えてきますので、少々お待ちになってください。」
「おう、構わないぜ。 俺達も着替えるしな。」
そう言って僕たちは男女で分かれて、更衣室に向かうのだった。
「って言っても男子の方はあっさり終わるんだけどね。」
誰に向かって言うまでもなく僕はプールサイドに立っていた。 紺色に白のロゴマークの付いたシンプルな男性用水着に薄手のパーカーを羽織っている。 あんまり人に見せられるような体型ではないのでこのようなタイプは非常にありがたい。 他の男子も似たり寄ったりだったのだが、小舞君だけは競泳に使うようなブーメランパンツで、少し貞操の危機を感じてしまった。 後はみんなそれなりに筋肉質だったため、なんだか劣等感を感じた。 所詮インドアですよ僕は。
そこからはみんな思い思いに遊びにいったが、全員が行ってしまうと女子達が集まれないため、僕だけ更衣室近くのプールサイドにいるというわけだ。
「あー、僕も早く泳ぎたいなぁ。」
照りつける太陽の中、最初のシャワー以外浴びていない僕の体は完全に乾ききっていた。 地面から伝わる熱なんかももう感じないほどに。
「冷たっ!」
そんなとき、ふと首筋に冷たい感触が走る。 なんだなんだと後ろを振り返ると
「遅らせてしまってごめんなさい。 これ、よかったらどうぞ。」
缶ジュースを片手に僕のところに現れた安見さん。 その行動にも声が出なかったが、それよりももっと別のところに目を奪われた。
実にシンプルな左右で色の濃さが違う緑のビキニタイプの水着で足にはパレオを巻いている。 だがそのパレオから見せる足がとても綺麗で、おへそ回りもスラッとしている。 そしてなによりも布面積があるにも関わらず隠しきることの出来なかった胸の部分。 大きすぎず、でも決して小さくはないその胸の強調たるや、僕の熱を上げるには十分すぎる位のものだった。
「館君?」
安見さんの呼び掛けに我に帰る。 いかんいかん。 じっと見ているのも毒になるな。
「あ、いや、大丈夫。 ありがとう。 その水着、自分で選んだの?」
「はい。 浴衣が少し派手だったので、こっちはシンプルにしようかなと思って。」
シンプルさゆえの爆発力って凄い。
「そうなんだ。 とても似合ってるよ。 安見さんのイメージ通りって感じ。」
「なんでそっぽを向きながら言うのですか? 顔も赤いようですし。」
その原因を作っていることには気が付かないのか? 下手に見るとまた止まりかねない。 早く別の人が来てくれないかな・・・ そんなことを思っていたら、
「あ、円藤さんも来たみたい・・・」
小柄ながらもフリルの付いた桃色のフリルの付いた水着と青い浮き輪を持ちながら来る少女を見かけたと同時に、回りの男性の目が円藤さんを見ているのを気が付いてしまった。 そしてその目はまるで獲物を見つけた獣のような視線もちらほら見えた。
その光景を目の当たりにして僕はひとつため息をついて。
「安見さん、円藤さんを迎えに行ってくる。」
そう言うと安見さんはなぜかため息をついて、
「えぇ、心細いでしょうし、お願いできますか?」
そういって僕は円藤さんのところに向かうのだった。
数歩歩いた範囲にいたのですぐに円藤さんを迎えに行けた。
「おーい、こっちこっち。」
そういって大袈裟に言う。 手を振ると向こうも気が付いたようで、パタパタと走ってきた。
「すみません、手間取ってしまって。」
「大丈夫だよ。 みんなと待ってるから行こうか。」
そういって僕は円藤さんの露出した肩を優しく触る。
「ひゃっ!」
円藤さんは声を出したが、それよりも大事なことを言いたかったので、円藤さんの耳元に顔を近づける。
『円藤さん、円藤さんの事を見てる人がいるから、みんなと合流するまではこうさせて?』
そう説明すると、円藤さんは細かく首を縦に振ってくれた。
そんな事をしながら後ろ目を見ると、諦めてそれぞれに散っていってくれたようだ。 とりあえずはひと安心だ。
「おっす。 悪かったな。 お前を置いていくような事をしちまって。」
「別にいいよ。 僕もなにか買ってくるよ。」
そういって安見さんと円藤さんを小舞君や佐渡君に任せて、僕も屋台の食べ物を買いに行くのだった。




