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須今 安見は常に眠たげ  作者: 風祭 風利
第1章 入学~一学期
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林間学校 男子の夜

「ゲームで負けた奴は、自分が隠している事を1つずつ暴露する。 内容は問わない。」


 という趣旨のもとで始まった、2組の男子全員参加のトランプゲームの「ダウト」。 とは言え人数が10人もいるのでトランプの枚数は初期手札は少なくなってしまう。


 そこで、チームを2つに分けて、それぞれで対戦をして、最下位の人同士でじゃんけんをして、負けた方が最終的に罰ゲームを受けるというルールになった。


 ハウスルールとして同じ数字が4枚保有してしまった場合は自分以外のメンバーにその4枚になったカードを裏向きで渡す。


 所持手札が半数、ジョーカーを入れないので26枚以上になった時点でその人の敗北となる。


 カードが残り1枚になったとき、「ラストワン!」と公言する。 しなかった場合はその時点で一番手札の多い人から2枚ペナルティで譲渡かれる。


 というルールの元に早速始まったこの罰ゲーム付きダウト。 このゲームに対して僕は思い当たる節がある。 それはルールについてだ。

 このゲームにはジョーカーを入れないため、「番号をジョーカーで代役する。」という事が出来ない。 そして最後の1枚になったときに公言をするというルール、これが一番の難敵で、公言されているため、そんな簡単に「上がる」事が出来ないのだ。 つまりこのゲームでの敗北条件は実質「手札を26枚以上持った人物」となるのだ。 しかし手札が増えればそれだけレパートリーが増える。 下手にダウトと宣言も出来ないのだ。


 しかし負けてなにかを暴露するのも怖いのでみんな必死に疑心暗鬼になっているのだ。


「7」

「ダウト」

「残念、7だ。」

「だぁ! やられた!」


 そんなことを繰り返して、結局2、3人ほど暴露されたところでゲームは終了。 理由としてはダウトだと長いということと、暴露内容がショボかったという熱の冷めようによるものだった。 じゃあ最初からやらなくてもよかったのでは? それでは林間学校は楽しめないのか。


「はぁー 心臓止まるかと思ったぜ・・・」


 あれから僕は小舞君と坂内君を連れてお風呂に入ることにした。 脱衣所で服を脱ぎ、外にある露天風呂に入る。 他にも男子生徒がいて、みんなそれぞれ温泉を満喫している。


 上を見上げると都会では絶対に見れない星の煌めきを眺めていた。


「館、とりあえずかけ湯しようぜ。 そのまま入るのはマナー違反ってやつだぜ。」


 そう言って小舞君から風呂桶をもらう。 そしてお湯を浴びた後に温泉に浸かる。


「ふぅ。 あぁ・・・いい・・・」

「なんつうじいさんみたいな声出してるんだよ館。 歳を取るには早いぜ?」

「それも仕方あるまい。 私たちが入っている温泉に浸かってしまえば同じになるのさ。」


 小舞君と坂内君も湯船に浸かる。 あー疲れが取れる感じがいぃ・・・


 そんな風に温泉を堪能しているとふと視界に、タイルに向かって耳を澄ましている集団を見つけた。


「ねぇ、あれ何やってるんだと思う?」

「あー、言わずもがなだな。 覗けんからってせめて女子達がキャイキャイ戯れている声だけでもって輩だろ?」

「ああいうのを見て、2人ともどう思う?」


 坂内君がそう僕らに聞いてくる。 うーん、どうと言われてもねぇ・・・


「思春期だからそういうのもあっていいとは思うけれど、露骨すぎるのはねぇ・・・」

「興味がないと言えば嘘にはなるが、それは相手の了承を得た上でのそれだな。 女子にだって嫌なことをしてくるやつとは話したくも無いだろうしな。」

「そういう返しが聞きたかった訳ではないのだがな。」


 どう言うことだろうか? 聞きたかったことではないとは?


「仮にだ。 今は聞き耳をたてているだけだが、あれで覗きが出来る環境だったりしたら、どうだ?」

「全力で止めに入るかな?」

「同じくだな。 そんなやつとこれから高校生活を共にしたくはないわ。」

「君達ならそう言うと思ったよ。」


 なにその試すかのような言い方。 僕らはそんなことしないことくらい知ってるくせに。


「いやなに。 僕らはそれなりに女子と交流がある。 そんな彼女たちの事をふと思ってね。」

「彼女たち?」

「なんでそこで安見さん達が出てくるのさ?」

「確かに女子と交流があるとは言ったけれど、僕は今一言も()()()()()()とは言っていないよ? 館君?」


 坂内君の言葉に「ハッ」とする。 確かに今名指しはしていない。 なのに僕は先入観で安見さん達の事だと思ってしまったのだ。

「ほほぅ? 館よぅ。 なんで須今の事だと思ったんや? ん?」

「な、なんでって・・・」

「まあ確かに君は須今さんと交流が多い。 だから彼女の事が真っ先にでたのだろう。」

「そ、そうなんだよ。 さすが坂内君。 分かってる。」

「でも、「彼女たち」という不特定多数の中から須今さん一人を指定するのは、なかなか至難の技だと思わないかい?」


 あ、あれ? 坂内君の様子がおかしいような・・・?


「僕としても興味があるね。 君が須今さんの事を今はどう思っているのか。」

「え? そういう話になっちゃうの? この場面で?」

「逃げても無駄だぜ? 別にお前だけが話す訳じゃないからな。 なに、夜は長いんだぜ? 風呂上がりにじっくり話し合おうぜ?」


 ゆっくり浸かろうとしていた僕の意思とは裏腹に坂内君も小舞君も僕を湯船から引き上げて、そのまま脱衣所に戻された。 もっと浸かっていたかったんだけど・・・

次回は女子の部、やります。

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