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須今 安見は常に眠たげ  作者: 風祭 風利
第1章 入学~一学期
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ファッションショー 男子編

 デパートの3階、4階はファッション関係になっている。 とはいえ僕自身はあまりおしゃれという感覚がないので、着てもしょうがないんじゃないかな? とは思っているのだけれど、そこはみんなの意見に合わせて見に行くことにした。

 3階はメンズ関係の服が目白押しだったが、


「やっぱりファッションに力を入れると高い買い物になってしまうよな。 見てくれ。 ジーンズだけでこの値段だ。 ファッションについて文句を言うつもりはないのだが、なんというかここまでして服を着たいのかと考えられてしまう。」

「男も女も自分を磨きたいんだよ。 例えそれが表面上だとしてもさ。」


 とてもじゃないが僕らの感性ではそうまでして目立ちたいのかよく分からないのである。 着れればなんでもいいという人間なだけに余計にそう感じてしまうのかもしれない。


「じゃあさじゃあさ! 折角だしみんなコーディネートしようよ!」

「そうですね。 みなさん容姿がいいので、どんな服を着ても似合いますよ。」

「ここは私たち、女子の感性からあなた達をコーディネートしてあげましょう。」

「し、試着は自由みたいだから、やってみるのも、いいかも、よ?」


 女子達から総出で言われてしまったので、やるしかないと思った。 確かに買うわけではないにしても、着るだけなら全然問題ないわけで。


「でもコーディネートするっていったって、どうするのさ? 順番にやっていくの?」

「そうね。 私たちで一人一人の容姿とか雰囲気とかを見ながら判断していくわ。 なにを選んできても、文句を言わずに着る。 これが条件よ。」

「了解。 それじゃ、俺たちはここで待ってるから。」


 そう小舞君が言い切る前にみんな散り散りになっていった。 早っ!


「どんなコーディネートされると思う?」

「彼女たちの感性でもあるけれど、私たちの性格なら何やらを考慮しているのなら大丈夫じゃないかな?」

「というよりもそんな変な服置いてないって。 こういうお店って。」


 そんな雑談を繰り返して、待つこと5分。


「さてと、まずは小舞君からよ!」


 みんなが持ってきた衣装を小舞君に渡す。 貴金属が多くてやたらゴツそうなのは気のせいだろうか?


「はいはい、着てくる着てくる。 その間に坂内君の服も見繕ってくるから、着替え終わったら外に出ててよ?」


 そう言い残してまた散り散りになっていく。


「しょうがない。 着ろと言われて着ないままって訳にはいかないよな。 ちょっと行ってくるわ。」


 その言葉通り小舞君が試着室の中に入っていった。 そしてまた時間が経ってみんなが戻ってくる。 今度は坂内君にみんな渡していく。


「さてと、どう? 着れた? 小舞君?」

「ああ、今カーテン開けるわ。」


 そう言って試着室のカーテンを開けると


 黒の細めのジーンズにライダーベルトのような形をしたベルト、黒のタンクトップに羽織られた革ジャンはかなりの光沢を秘めている。 なによりの極めつけがサングラスだった。 こ、これは・・・・・・


「名付けて「ちょい悪スタイル」! 小舞君の性格ならやっぱりこれは似合いそうだと思ったのよね!」

「なんやと! こらアマ! いてこますぞワレェ!」


 小舞君のその台詞に女子たちは感銘を受けていた。


「強気な性格だからこそ、こういうのが映えるんですよね。」

「なんだかんだノリノリですし。」


 どうやらそれなりに好評価のようだ。 小舞君が試着室を降りて、今度は坂内君に替わる。 そうこうしているうちに、女子たちはまた物色しに行ったようだ。 まあ、これくらいのコーディネートなら僕でも楽しめそうだ。


「どう? 小舞君。 感想は。」

「ふむ、悪くないな。 俺のそれとは少し離れている気もするが、あれだけ女子が喜んでくれるなら。 これもありかな?」


 なにかに目覚めそうな一言を言っている小舞君。 これを脱ぎ終わった後に戻ってこれるのだろうか?


「さてと、坂内君もそろそろ完成するかな?」


 またいつの間にか戻ってきた女性陣。 手に持っている服やらを僕に渡す。 どうやら僕のコーディネートも終わっているようだ。

 そんな話をしていたら試着室のカーテンが開けられる。


 こちらは紺色のボトムスに同じく紺色で描かれたボーダーTシャツ、そして少し大きめの濃い茶色のカーディガンというコーデになっていた。


「これは「セットアップスタイル」って言うんだって。」

「いいですねぇ。 大人の男性のようです。」

「私自身もこういうのを着るのは初めてなんだけど、な、なんだかむず痒いね。」


 珍しく坂内君も照れ始めている。 でも似合っているのは事実だし、自信を持ってもいいと思う。


「じゃあ最後は館君だね。 さてさてどうなることやら。」


 濱井さんの目が少し怖かったが、持ってきてくれたのだから着替えないわけにはいかない。 というわけで試着室に入る。


 持たされた服を見てみるとスーツスタイルが多く見られた。 上から羽織るスーツに青のカッターシャツ、スーツ用のズボン、そしてネックレスというものだ。 実際に着てみると分かるけれど、カッターシャツはサイズが一回り大きいし、そのせいでシャツの中に入りきらない。 そして派手はないにしろネックレスってどうなんだろうか?


 そんなことを思いつつも着替え終わったので、カーテンを開ける。


「おお・・・って、なんかちょっと違うんだけど・・・」


 なんだが濱井さんが不服そうだ。 一体なにがいけなかったのだろうか?


「シャツは出して、ほら襟も出す。」

「え? ちょっと!?」

「そして最後に・・・」


 そう言って濱井さんはカッターシャツの一番上のボタンを外した。 僕の肩甲骨部分が露になる。


「ふっふーん。 館君のスタイルは「ホストスタイル」なのだよ! これで女子はイチコロだよ!」


 いや、イチコロかどうかはともかく、こんなスタイルはどうなんだろうか? そう思いつつも女性陣の方を見ると、安見さんが品定めするように、円藤さんが惚けたように見ていた。


「なかなかに素晴らしい出来映えですね。 これで家事も出来るんですから、もう捕らえどころがないですよ。」

「カッコいい・・・」


 2人が満足なら・・・まあ、それでいいのかな? こうして男子のファッションショーは幕を閉じた。


 あ、ちゃんと着替え直して、返しておきましたよ?

ファッションセンス皆無の作者によるファッションショーになります。

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