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須今 安見は常に眠たげ  作者: 風祭 風利
第4章 2年生
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雨の日の2人

皆さんお久しぶりです。


この物語も終わりを向かえ、後日談的な話をふと書きたくなったので、今回書かせていただきました。


それではどうぞ。

「憂鬱ですねぇ」


 安見さんが窓の向こうの景色を見ながらそう呟く。 外は雨が降り続いている。


「憂鬱だねぇ。」


 僕もそれにならって同じことを反復させる。 この雨は昨日から降り続いていて、朝から微妙な気持ちになる。


「折角の休みなのにどこにも出掛けられないじゃないですかぁ。」


 珍しく休日が被った訳だけど、あの雨では出掛ける気も起きないようだ。


「車がないからねぇ。 遠くにも行けないし。」


 免許は持っているものの、車もなければ入れるガレージもない。 ハネムーンの時に使用した車はレンタルなので手元に無い。 「そのままお渡ししますよ」と拓三君に言われたが、そんな大層なものを貰うのは本気で気が引けたので止めて貰った。


「冷蔵庫の食料も残りわずかですよ。」


 2人で暮らし始めてから互いに料理をするので、分量は考えているもののやはりそれなりの量を使ってしまう。 片っ端からでない辺り、僕も安見さんも節約家だとは自負しているけど。


「明日雨が止んでるうちに買い物に行こうか。 今週は買溜めしておいた方がいいかも。」


 やっぱり1週間の食料はあっという間に尽きるなぁ。 そんなことを嘆いてもしょうがないけど。


「生乾きの臭いはさすがに嗅ぎ飽きました。 お日様は無くてもいいので外で干したいです。」


 雨が何だかんだで連日続いているので洗濯物を乾かすのも一苦労。 部屋の中の服も乾いているのか分からない。


「コインランドリーはまだ使わない方がいいしねぇ。」


 かといってコインランドリーを使ってまで乾かす程、僕達の金銭的余裕はあまりない。 水道光熱費と家賃でいっぱいいっぱいになってしまう。


「このまま二度寝してしまいましょうか。」


 そう言ってきた安見さん。 この半年間同棲してみて大学生活がまだ残っていた時期でも、こう言った時には大体同じようなことを言っていた。


 だけど


「それも良いかもねぇ。 出掛ける予定も無いし。」


 そう言うと安見さんが僕の方を向いてきた。


「珍しいですね。 何時もなら「折角起きたのだから」とあれやこれやと言うのに。」

「僕が文句を言ってるみたいな表現は止めてくれない?」


 でも実際に安見さんが二度寝をしてしまうと、その後起こすのが大変になるのだ。 社会人になって最近は2人とも寝る間も惜しむように家事や仕事先用の勉強、書類を持って帰ってきたりと、なにかと眠れない日が増えてきた。


 それでも起きていたいと思うのは、安見さんと一緒の時間をもっと増やしたいと思っているからだ。 そうでなければ最初から最後まで良い思い出を残せたとは言えなくなるから。


「ではなぜ今日は私の意見を聞いてくれるのですか?」


 よっぽど僕が二度寝を許すことに驚いたのか、そんな質問をしてくる安見さん。 とは言えこれに関してもちゃんとした理由はある。


「そうだねぇ。 ・・・ここ最近は2人とも忙しかったから、のんびりとした日は必要、というよりもたまにはこうして身体を休ませるのも大事かなって思ってさ。」


 僕が二度寝を許した最大の理由はそこにあった。 今はGWが終わった翌週末。 僕も安見さんもGW前後は途方もなく忙しかった。


 安見さんの方は料理人としての修行をするために入社したにも関わらず、安見さんを含めた新人さんの手も借りたいくらいにお店にお客さんが来たのだそうだ。 そう言った経緯があってか、安見さんはGW中は僕に家事などを投げっぱなしにしていた。 その分次の給料はかさ増しされるとの事らしいけれど、どのくらいのものなのかは把握していない。


 一方の僕はGWは子供達は家族と過ごす子が多いので忙しくないかと思いきや、4月に溜まっていた書類などを処理するのはまだいいとして、GW明けの子供達の有り余った元気の前で先生達が疲弊しかけるという状態にまで陥った。 GW後は泥のように眠ったのを覚えてる。


 そんなわけで2人とも社会人最初の修羅場とも呼べるGWを乗り越えた後なので、あまり動きたくないのだ。 外は雨ということも相まって。


「やはり相当疲れていましたか。 子供を相手にするというのも大変なものですね。」

「そっちだって大人数の料理を拵える為に頑張ってたんでしょ? お互い様だよ。」


 お互いに自分達の仕事に労いを持ちながら、力を抜いて床に寝転がっていた。


「では早速二度寝をしてしまいましょうか。」

「そうだねぇ。」


 そうして僕達は眠りに付く・・・かと思いきや、僕はそれでも眠らない。 というよりも僕はまだそんなにも眠くはないので、もう少しだけ起きていることにした。


「どうせ安見さんはすぐに寝ちゃうし。 そう言う意味では、羨ましい才能かも。」


 土曜日の午前8時。 安見さんの寝顔を見つつ、僕も改めて目を瞑り、夢の中に入り込むのだった。

いかがでしたでしょうか。


そもそもなんでこのような話を書きたくなったのかの理由としては


自分が追いかけていた恋愛小説の方が後日談を書きまして、それに刺激されて「あ、自分も書こう」と思った次第なのですが、


その後日談の投稿時期がエイプリルフールだったこともあり、なんだか二番煎じのように追いかけるのはどうかと思い、このタイミングまで引き伸ばしていました。


またこの話の後日談については、こちらの気分次第で書いたり書かなかったりするので、そう言う意味合いで気長に待ってください。

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