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須今 安見は常に眠たげ  作者: 風祭 風利
第1章 入学~一学期
15/302

学校生活について

新キャラ登場(名前はまだない。)

<光輝視点>


「最近学校には慣れた?」


今週の学校の項目が終わり、学校から帰ってきて、母さんが帰ってきて夕飯を食べていると、そんなことを聞いてきた。


「うん。 大分慣れてきたよ。 流石に2週間目だからまだ色々と不慣れな部分はあるけどね。」

「そう。 高校に入ってから、あなた随分と楽しそうだもの。」

「そんな風に見えるの?」

「見えるわよ。 あなたはあの人と一緒で、表情に出にくいもの。 でも体は正直なのよね。」


そう言うものなのだろうか。 僕自身では良くわからない。 味噌汁を啜りながら考えていた。


「良かったら聞かせてくれない? あなたの学校での事。」

「いいけどあんまり面白くないかもよ?」

「いいのよ。 今はなんでも聞きたいのよ。 息子の成長を息子の言葉でね。」


親心なんだろう。 そんな言葉が温かく感じる。 やっぱりこの人は僕の母親だ。 今更ながらの確信を元にそう思った。


「授業とかはこれと言ってはないけれど・・・あ、そうそう。 僕家庭科部に入ろうと思ってるんだ。」

「へぇ、あんた裁縫好きだもんね。 でもまだ残ってたんだ。 家庭科部。」


元卒業生である母さんが染々としている。 伝統というものは廃れないものなのだろう。


「あ、後は同じ中学の出身の人もいてさ。 今はその生徒と僕と趣味が合いそうな生徒と一緒にお喋りしてる。 まぁ今はそれくらいかな?」

「ふーん・・・」


その話をした後に母さんは頷いていたが、どこか納得しかねるような雰囲気だった。


「・・・? なに?」

「いやぁ? 本当にそれだけなのかなって思ってねぇ。」

「これ以上は何もないって。 まだ2週間しか経ってないし、こんなもの・・・・・・」

「須今さんって子の話。 まだしてないんじゃない?」

「っ!」


母さんから予想だにしなかった人物の名前が飛び出してきた。 多分僕がちょっと油断して名前を出していたときに聞かれたのかもしれない。 だがそれでも不意打ちにも程があり、まして自分からではなく第三者である母さんの方から言ってきたのだ。 驚くのも仕方ないことだ。


「あら? その反応。 なにか訳あり?」

「別に、そんなんじゃない。 たまたま隣の席になったクラスメイトだよ。」

「あらー、女の子の友達なんて出来たの? 良かったじゃない!」

「な、なんで須今さんが女子だって・・・」

「今日あなたから少しだけ甘い香りがしてね。 香水なんかつけないあなたがなんでって思ったけれど・・・そう言うことだったのね。」


嘘!? そんなことある!? 自分の着ている服の匂いを嗅いでみる。 その様子に母さんは可笑しそうに笑っていた。


「人の匂いなんてよっぽど距離が近くないと移らないわよ。 まあ、その反応からして本当っぽいけれど。」


嵌められた・・・! 母さんの策におもいっきり引っ掛かった自分が情けなく感じた。


「ふふ、親には勝てないのよ。 さぁさぁ観念してその子について教えてよ。」

「・・・はぁ。 いや、いつか言おうかなとは思ってたけど、まさかこんなに早くに言うことになるなんてなぁ。」


そう言いながらも須今さんの事を話した。 須今さんの性格、須今さんとの日々、最近不機嫌にさせてしまったこと。 話していてなんなのだが、これだけ話せるほど須今さんの事を見ていたことに自分でも驚いている。 他人を観察するような事なんて今までなかったのに、だ。


「ふふっ。」

「なに笑ってるのさ?」

「なんでもないわ。 ねぇ光輝。 今のあなたにとってその子はどんな存在?」

「どんな存在? ・・・そうだなぁ。 言い表すなら・・・・・・」


<安見視点>


「学校の方はどう?」


夕飯を食べ終わってベランダでぼうっとしていたら3つ上の姉からそんな質問をされた。


「どうって言うのは?」

「生活には慣れた?って事。 あんたはすぐに寝ちゃう癖があるから、学校でハブられてたりしないかなって思って。」


なかなかに酷い見解をされているが、実際中学の時はそのような時期もあったので強くは否定出来ない。


「大丈夫ですよ。 学校生活は順調ですよ。」

「えー。 でもお姉最近お弁当作ってたりするから、すぐ寝ちゃってるんじゃないの?」


後ろから3つ下の妹がゼリーを食べながらそう言ってくる。 少々生意気なのは中学生特有の反抗期なのかもしれない。


「そういえば高校に入ってからは前よりもお弁当に手を込めるようになったわよね。」

「そうですか? いつも通りだと思うのですが?」

「いーや私には分かる。 お姉、前までは自分が食べれればいいからそんなに味見してなかったもん。 最近はよく味見してるからよく知ってるよ。」


妹からの指摘を受けて、言われてみればと思った。 そのせいでちょっと増えてしまったのも相まっている。


「お姉。 自分以外で誰かに食べさせてるの?」

「友達ですよ。 友達と食べ比べしてるんです。」

「友達・・・ねぇ。」

「姉さん、なにか引っ掛かるの?」


妹が「姉さん」と言うときは一番上の姉。 「お姉」と言うときは私になる。 なにか姉さんの中に疑問に思うことがあるのだろうか?


「いえね。 友達とわいわいお喋りしながらお昼を過ごそうと思うくらいで、朝お弁当を作ってるときに、あれだけ心踊ってるような動きをするかなって思って。」

「えー!? あの何に対しても眠たげにやるお姉が!?」


本当にこの妹は失礼極まりないことを仰るようで、少しお灸を据えなければ駄目なのではないだろうか?


そんな妹のお灸の据え方を考えていたら姉さんが顔を近づけてきた。


「ねぇ、その友達について聞いてもいい?」

「な、なんでしょう?」

「その友達ってもしかして男の子?」


その言葉にドキリとしてしまう。 しかし私はどこかで館さんの事を溢したことはない。 大丈夫。 バレはしないはずだ。


「いえ、そういう訳ではありませんよ。」

「ふーん。 でも君付けするってことはやっぱり男の子なんだよね。」

「わたし館さんの事を君付けなんて・・・・・・」


そこまでいってハッと口を紡いだけれど遅かった。 姉さんが「してやったり」と言った表情をしていた。


「そっかぁ、館さんっていうんだその子。 で? どんな子なわけ?」

「ええ! あたしも知りたい!」


ここまで詰め寄られて答えない訳にも行かなくなってしまいました。 私は観念して、館さんの事を話します。 館さんの趣味、館さんとの交流、館さんに対してモヤモヤがあったこと。 今までの系譜を全て話しました。

話し終えた時には姉妹揃って興味津々な表情をしていました。


「お姉、なんだが面白いことになってるよ。 ねぇ姉さん。」

「そうねぇ。 ねぇ、安見。 その館君かな、あんたにとってどんな人なの?」

「どんな人・・・ですか。 そうですねぇ。 強いて言うなら・・・」



「目が離せない人、かな。」(館 光輝)



「私を見てほしい人、でしょうか?」(須今 安見)

今回は2人の視点でお送りしました。

一応ほぼ同時刻だと思ってください。

最後の2人の台詞は重なりあったように見ていただけると幸いです

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