表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/105

先を見通せない


12月になって私は家族や沢山の同胞たちと共にクリスマスだけでも生まれ育ったバヌアツで過ごそうと、バヌアツに1番近い港で船に乗った。


私も家族も同胞たちも皆、分厚い防寒着を着込んでいる。


地球温暖化による海面上昇によって故郷のバヌアツに住み続ける事が不可能になり、私たちはオーストラリアに移住した。


バヌアツは火山地帯で比較的標高が高い島々で構成された国ではあったが、海面上昇により海岸沿いの農地で栽培されていた農産物が塩害で全滅しただけでなく、飲料水も同じように塩害で飲用に適さなくなった為だ。


船が故郷のタンナ島に近づく。


島の南東部にそびえるヤスール山の火口からは間断無く溶岩が流れ出し、噴煙が空高く噴き上がっている。


地球温暖化による海面上昇が世界中の火山の噴火の引き金になった。


私にはよく分からない事だけど、海面上昇による水圧に刺激された所為らしい。


世界中の火山の火口から噴き出た噴煙により、世界中の空は噴煙に覆われ地球は急速に冷やされ氷河期が到来したようになった。


結果、地球温暖化の進行はストップし上昇した海も段々と後退して昔の海岸線に戻りつつある。


船から見えるタンナ島の海岸線も、海面上昇により島から離れた頃より昔の海岸線に戻っていた。


それでも、私たちは島に戻る事は出来ない。


島の大部分が火口から流れ出る溶岩に覆われているからだ。


私たちは故郷のタンナ島を見つめながらイエス・キリスト降誕を祝う祈りの言葉を呟く。


でも……でも、心の中は先きを見通せない恐怖で満たされていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ