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冬に徘徊するもの
朝の4時、布団から出る。
日課にしているウォーキングを行う為にだ。
正月があけたばかりなので外はまだ暗い。
暖かいウォーキングウェアに着替えカーテンを開く。
『ん?』
マンションの3階にある自室の窓から、街路灯に照らされている昨晩降った雪て真っ白な道を見下ろしていたら、黒っぽい色の動物が道を横切って行くのが見えた。
『犬? 否、犬にしては可也体躯が大きいような?』
なんだろう? と目を凝らして見ていたら、新聞配達のバイクが通りかかる。
道を横切っていた動物が新聞配達のバイクに襲いかかった。
『あ! 熊だ』
雪で白く染まっていた道に赤い物が流れる。
「助けてくれー! ギャアァァァ!」
それと共に助けを求める声と悲鳴が響く。
私は慌ててスマホを掴み110番する。
電話を掛けながら正月の2日だったか3日だったかくらいから冬眠しなかったらしい熊が徘徊しているのを、市の山寄りにある農村地帯で度々目撃されていた事を思い出していた。




