終わりを告げた伝説に愚かな生き物
ゴブリン達は人々を襲おうとしている。
そうして前に出たのが、俺とフレアだった。
こんなゴブリンなど、ホーリーセイバー使わなくても倒せる相手であった。
俺とフレアでゴブリン達を一掃して逃げた人達に感謝された。
だが俺は感謝されただけではいけないと思っている。
「何だ。お前等、俺達に助けられて、感謝の一つしか出来ないのかよ」
俺は以前フレアがやっていた様にやる。
「あなた達には感謝しています。私達はあなた達に何をすれば良いのですか?」
ヒューマンの男が言う。
「今持っている金品や金を俺達に献上しろ」
「そんな、このお金はこれから生活していく内に大切なお金なのです。だからそれだけは勘弁して下さい」
「俺達がお前達を助けなければお前達はゴブリン達に殺されていたんだぞ。それで礼だけで済まそうなんて言語道断だと思わないか」
「なら、せめてこのお金の半分にしくれませんか?」
「ダメだ。有り金すべてを俺達に献上しろ!」
「お願いですこのお金はこれから生きていく上での生活費なのです。だからお金すべてを献上させるのは勘弁して下さい」
「ダメだ」
すると村のヒューマンは土下座をした。
「お願いです。せめて半分だけにして下さい」
「ダメだ。出ないとお前は俺達が助けなければゴブリン達に殺されていたのだぞ、その事も分からないのか?」
そう言って俺は無情になれた。そうして土下座をしているヒューマンに向かって頭を踏みつけた。
「お願いです全財産をとるのは勘弁して下さい」
「ダメだ。だったらお前は俺に殺されても良いのか?」
「分かりましたこのお金をすべてあなた達に献上します」
「それで良いんだよ」
そう言って村人のヒューマンの顎を蹴り上げた。
そうして俺達は当分は暮らせるお金が手に入った。
「これでいいんだろ。フレア」
「そうじゃ、人々に情けなどかけるな。そのヒューマンの男に命が助かっただけでもありがたいと思えと伝えておけ」
そうだな。人々は勝手な事しかしない。
ゴブリンに殺されそうになったのに俺達に礼だけで済まそうなんて本当にフレアの言うとおり、人々言うのはおこがましい。
ふん。人なんて救うに値しない人物ばかりだ。
人々は思っているだろう。
俺達が本気になればお前達を滅ぼしに来るルシファーに殺されることを、それを伝説にしたのは良いのだが、六十年の時が過ぎて、もうその伝説もなくなってしまった。
そうだ。人間は勝手な生き物だ。
自分達の命が襲われたら、助けを求めて、俺達を頼ってくる。それで必要無くなったら、俺達はゴキブリの様に捨てるだろう。
そうだ。これからは俺達は冒険者だが、ただで救いを求めるなんてしない。
助けた物はちゃんとその見返りを貰う事にした。
それよりも先ほどのヒューマンに対して俺は悪いとは思っていなかった。
人間なんてエルフもみんな利己的な存在だ。
とにかくこのお金で当分は生きて行けると思っている。
いや、俺達は吸血鬼なので食事をとらなくても生きて行けるが、人間の血を吸わなくては行かなくなる。
いつか俺はあの時ルシファーの血の味は凄い美味だった。
だから満月の夜になったらフレアと共に人間達を襲おうとしている。
だが満月の日まで後半月はある。
でも俺の脳裏にリサの笑顔が蘇る。
『ダイン、本当にそれで良いの?』
と。
俺は幻聴を聞いているのか分からないがリサの優しい声が聞こえてきた。
そうだよ。それで良いんだよ。
これからは俺達は冒険者であり、無償で人を助けたりはしない。
人々はみんな自分の事しか考えない利己的な人々ばかりだ。だから良いんだ。
「フレア、これで俺達は当分は食って暮らせるぞ」
「その調子じゃ。無償で助けを求める人間など、どうでも良い、だから、人間からはたっぷりと金を献上させろ」
「分かっているさ」
俺は変わった。そうして俺とフレアとの旅が始まる。
今日は小さな農村に辿り着き、俺達は近場の宿に泊まることになった。
宿泊代は一人夕ご飯と朝ご飯が付いて、小銀貨一枚でお手頃な値段だった。
俺とフレアは同じベットの上で眠る事になってしまった。
今日もフレアとお楽しみかもしれないな。
そんな事をしたら、リサを裏切る事になってしまうが、俺達吸血鬼はそうやって生きていくしかないんだ。
この村も時々、ゴブリン達に襲われて命を落とした物もいると言っている。
その情報を元に俺は外を歩いていた。
空を見上げると満点の星空が降り注いでいる。
良くリサと二人で平和が戻ったときによく一緒に星を見ていた物だと思っていた。
でもそのリサはもういない。
木のベンチに座って、俺は星空を見上げた。
すると横に俺の伴侶となったフレアが隣に座ってきた。
「星が綺麗じゃのう」
「フレアもこんな星を見て感慨にふける事もあるんだ」
「星の一生は我ら吸血鬼よりも長い年月を空に輝きを灯していると聞いている」
「フレアは物知りなんだな!?」
「我は何年行きいると思っておる、もうかれこれ二千年は生きておるのだぞ」
俺はその時思ったんだ。俺達だけの事だけに集中して生きる事を。
さすがに外で星を見上げていると、なぜか寒くなってきた。
そろそろ宿のお風呂にでも入ろうと思って俺とフレアは宿場に戻った。
お風呂は沸かしてあり、俺とフレアは共にお風呂に入った。
「お前、本当に胸はデカいな!」
そう言ってフレアの胸を鷲づかみして見ると、手に余るほどの大きさだった。
「お主、胸のデカい女は嫌いか!?」
「別に俺は胸や背とかで女性を見たりはしないから」
そう言えば、リサの胸はこれほど大きくはなかった。
それはそうと風呂場も冷える、亭主は風呂を暖かくするために、たき火を焼いて風呂の温度を上げている。
「亭主よ、その調子じゃ。その調子で風呂の温度を上げるのじゃ」
「分かっていますよ。お二人さん。お二人さんは恋人同士か!?」
「お主がそんな事を知って何になる。とにかく宿代は払ったんだ。それだけの代価を務めるのがお主達の仕事じゃろう」
俺とリサもこんな風に一緒にお風呂に入ったものだった。
リサは固い女だった。セックスをするのにも、凄く説得が必要だった。
でもフレアは違う。俺が求めれば、すぐにセックスをさせてくれる。
今となってはフレアは大事なパートナーと言っても過言じゃないと思っている。
俺とフレアはお風呂から出ると、フレアは俺をベットに押し倒して、その大きな胸で俺のことを誘惑してくる。
「ダインよ。我ら吸血鬼の子供を産むにはたくさん、精液を我に注がなくては出来ない。我はダインの子供が欲しいと思っている」
そう言えば俺は吸血鬼でリサとは子供が出来たが、普通の子供だった。でも吸血鬼の子供を産むには吸血鬼同士でしないと出来ないみたいだ。それに子供は出来にくいと聞いている。
リサとの思い出は俺にとって遠い昔の事のように思える。
俺の子供はどうしているのだろう?
もう関係ないか、リサが死んでいなくなってしまったんだもんな。それにその俺とリサの子も結婚して互いに新しい命を育んだのだ。
それで伝説は終わり、俺は独りぼっちになり、街の人達から白い目で見られるようになったんだっけ。
そう思うと、人間は勝手な生き物ばかりだと思っている。
だから今度、人がゴブリンに襲われたときは助けてあげて、多額のお金を献上させようと思っている。
俺はこれからフレアと共に生きていくんだろうな。
生きていく上では、俺達は手段を選んでいられない。
旅は疲れるが、俺達は俺達でユートピアを探しに旅に出るのだ。
そうして朝になり、俺はフレアを起こす。
「フレア、起きろ朝だ」
「ふむ、朝は苦手でのう、もう少し寝かせてくれぬか」
「しっかりしろ。とにかく早く起きろ」
そう言って昨日は二人でお楽しみをしていたのだが、フレアは裸のままだった。
「フレア、服を着ろ」
「ふむ」
フレアは寝ぼけ眼で赤い赤いワンピースに赤いブラジャーに赤いパンツをはいたのだった。
フレアは本当に赤が似合う女の子なんだな。
そう言えばフレアと俺は吸血鬼で、あの大魔王ルシファーも倒してしまうほどの力を持っている。
そんな俺達に喧嘩を売ってくる者は、金品を置かせて、返り討ちにしてやると思っている。
そう言えば、この村には山賊がいると聞いている。
「そうだ。フレア、俺達で山賊を退治しに行かないか?」
「そうだな、山賊はゴブリンも手が付けられないほどの強い者だと聞いている。じゃから山賊を狩りに行くか。きっと山賊を退治したら、山賊が今まで稼いで来た金品を我らに献上させて貰おう」
「それは良い考えだ。俺達で山賊を返り討ちにしたら村の英雄になって、さらに村から、金品を献上させようよ」
「そうじゃのう。お主も狡い事を考える様になったな」
「フレア程じゃないよ」
この俺達が眠っている宿には朝ご飯が付いている。
その朝ご飯を食べながら亭主に聞いてみた。
「なあ、おっさん。この辺で山賊が現れるって本当か!?」
「はい。だから人はみな山賊に困ってしまっているのです」
「その山賊はどこにいるのだ?」
「まさかあなた達山賊に立ち向かうおつもりですか?」
「いや別に、俺達も山賊が怖いから、山賊に会わないように、したいだけさ」
本当は山賊に立ち向かうと言ったら驚かせてしまうからそう言って置いた。
「ならあのキーレンド山の麓に山賊のアジトがあるのでそこをよけて行くと良いでしょう」
キーレンド山か、そう言えばキーレンドさんはアルとリサとリディアでアダマンタイトを手にしてエクスカリバーを作った事を思い出した。
そんな事よりも、キーレンド山の麓に山賊はいるのか!だったら俺達が山賊を退治して村の英雄になり、村の人達の金品を根こそぎ奪ってしまおうと考えた。
俺達朝食を済んでキーレンド山の麓に向かっていった。
キーレンド山の麓は森林限界まで行かないので、森に囲まれている。
「フレア、キーレンド山の麓に行く準備は出来ているか?」
「我を誰だと思っておるのじゃ」
「そうだね。おれたちは最強の吸血鬼だもんね」
そう言って俺達はキーレンド山の麓に山賊がいるところまで行くことになった。




