我は汝、汝は我
俺は大魔王ルシファーの血を吸った。
するととてつもない力が俺を包み込んだ。
何だ!この力は、力がみるみる漲ってくる。
どうやらメモリーブラッドとは相手の血を吸うことにより、相手の能力を使う事が出来るみたいだ。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
凄い力が漲ってくる。どこまで俺の力は増すのか面白くなってきた。
「大魔王ルシファーよ覚悟しろ!?」
「私の血を吸ってなおも力を付けたか吸血鬼勇者ダインよ」
「なぜお前が俺の事を知っているんだ!?」
「私は神をも力を増してしまった。私のホーリープロフェットでお前達を八つ裂きにしてやる」
「勝負だ。大魔王ルシファーよ」
そうして大魔王ルシファーにラグナロクの剣を突き刺したら、見事ルシファーの肩に貫通した。
「ぐわ!」
悲鳴の様な物をあげてルシファーは、
「ならば私の本気を見せてやる」
そんな時、凄まじい隕石がルシファーの頭上に落ちてきた。
これは俺の隕石の衝撃よりも凄まじいパワーを持っている。
リサの攻撃の援護に入ったらしい。
「ダイン、私達も闘うわ。とにかく大魔王ルシファーを倒すのよ」
リサとアルが空中魔法を使って最強のパーティーの出来上がりだ。
リサの俺とはひと味違う、隕石の衝撃を浴びて、ルシファーは、
「こんな物!」
そう言ってルシファーは隕石の衝撃を喰らって、身を悶えている。
さすがはリサ、俺の最高のパーティーだ。
大魔王ルシファーはリサの隕石の衝撃を喰らって悶えている。
これなら楽勝に大魔王ルシファーを倒す事が出来る。
とにかく冒険者達の中でドラゴンはともかく大魔王ルシファーを倒す者はいないだろう。
俺は負けはしない。
大魔王ルシファーの血を吸い、奴と対等に闘うには俺しかいない。
とにかくみんなの力を合わせて、大魔王ルシファーを倒すしかないと思っている。
大魔王ルシファーは隕石の衝撃を喰らって致命傷にまで与える事が出来た。
「貴様等絶対に許さないぞ。この私に刃向かうとは笑止千万、覚悟しろ!」
「それはこちらの台詞だ!」
そう言って俺はラグナロクとエクスカリバーの二刀流でルシファーに向かって飛び立った。
「覚悟しろ!」
そう言って、ラグナロクとエクスカリバーを交差させ、大魔王ルシファーに向かって飛びかかった。
だがルシファーは俺の攻撃を白い稲妻の様な物を発して、迎撃を繰り返した。
でも俺もルシファーの血を吸っているので俺も同じような攻撃を喰らわせた。
「小癪な、なぜ私の力がお前に宿るようになっているのだ」
「それはメモリーブラッドの力だとフレアは言っていた」
そんな時、リサが、召喚獣最強のバハムートを召喚した。
「行きなさいバハムート」
リサがそう言うと、バハムートは大魔王ルシファーにメガフレアを喰らわせた。
「うおおおおおおおおお」
叫ぶルシファー、
「攻撃はこれだけではないぞ」
「ネオホーリーブレード!!!」
そう言ってルシファーに向かって声を上げながら、奴に迫った。
「お前の負けだ!」
「私が負けるだと。私はこの世を混乱の渦に巻き込まれた奴らのオーラを糧に生きている。私の力は無限大だ」
街を見下ろすと、人々は混乱に満ちている。
だがその混乱もリディアが、街の人達の家族や両親を生き返らせる事に集中している。
「何だ。パワーが出ない。どういう事だ。私は憎しみを糧に生きる大魔王ルシファー」
そう言うルシファーは俺はルシファーの血を吸ってルシファーの力を得た。でも俺は憎しみを糧に力を漲らせているわけではなかった。
「俺には正しき力が漲ってくる。お前の負けだ。観念しろ」
そう言って、大魔王ルシファーにエクスカリバーとラグナロクで、バラバラに引き裂いてやった。
大魔王ルシファーは断末魔と共に消えて行った。
紫色をした雲が白く染まり、太陽の光が俺達に降り注いだ。
これで世界は平和に戻ったのだろう。
俺達が下に降りると、人々は俺達に感謝をしている。
大魔王ルシファーを倒す事が出来て、俺達は英雄になることが出来た。
これでもう、大魔王ルシファーは復活する事はないとは言えないのかもしれない。
人やエルフやパルームもみんな愚かな生き物だ。
また憎しみを増して第二第三の大魔王ルシファーを蘇らせる事になってしまうのかもしれない。
でも俺達は負けるわけにはいかない。
第二第三のルシファーが現れても俺達はまた闘う。
フレアから聞いたが、俺は吸血鬼でアンデットで二千年の時を生きる事が出来る。
俺は最強の力を得てしまった。
もうこの世には俺よりも強い相手はいないだろう。
そう思うとなぜか切ない気持ちにさらされた。
★
次の日、朝になり、俺はメモリーブラッドと言う相手の力を真似する事が出来る力はルシファーの力はなくなっていた。
どうやらメモリーブラッドの力は一日経つと消えてしまうみたいだ。
でもフレアに吸血鬼として蘇らせられて、一応最強の吸血鬼でいられる。
それに俺はこのままで良いのだろうか?
朝早く目覚める事が出来て俺は何か気持ちよかった。
リサの部屋を見てみると、孤児となった女の子と眠っている。
そろそろ起こしてやろうと思ってリサを揺さぶった。
「リサ、朝だぞ」
それでも起きないリサに布団をめくりあげると、リサはパンツ丸出しだった。
リサは目覚めて自分の姿が俺に見えると、
「このエッチ!」
そう言って俺の頬にピンタを喰らわせたのだった。
これはさすがに痛いと思って、頬を抑えるとリサは、
「ダイン、ちょっとあっち向いていてよ」
「分かりましたよ。お姫様!」
そう言って俺はリサの部屋を出た。
リサは俺の伴侶になるのにパンツを見られる位良いと思っているんだけれどもな。
そして平和な時を迎えた。
あれから一ヶ月が経って、街も復旧に向かっている。
ギルドも、復旧して、依頼を見てみると、農作物を荒らすスライム討伐があった。
それにレベルが高いのはミノタウロスを倒す事が依頼になっている。
大魔王ルシファーを倒して俺達は平和に導き街の英雄として名をつられる事になった。
俺が憧れていた英雄にはなれたけれど、何か切ない気持ちだった。
この世界で俺よりも強い者はいないだろう。
それが切ない事なのだ。
俺達はこれから何をすれば良いのか分からなかった。
リサと俺とアルとリディアはお金には困らないし、ギルドに行って鉱山を荒らすミノタウロスを倒してギャラを貰ったしている。
それで食事も豪華な感じだった。
それに施設の人達もフェニックスの尾で蘇らせる事が出来た。
たまに俺達が育った施設にはお金を援助したりしている。
俺とリサは施設の子供達と遊んであげたりして、過ごしている。
本当の平和が戻ったのだ。
俺は憧れていた英雄になれた。
でもその次の目標が見つからない。
そう思うと切ない気持ちになってくる。
★
そしてある夜、フレアが現れた。
「フレア、久しぶりだな!」
「お主は最強になりその力を持て余しているのだろう」
「なぜそんな事が分かるんだ?」
「以前にも言ったであろう、汝は我、我は汝と、つまりお主と我は一心同体なのだ」
「一身同体と言われても、ピンとこないな」
「お主、我と来るか?」
「来るってどこに!?」
「我と旅に出るのじゃ」
「旅って俺にはリサがいるよ。それにリサは俺の伴侶だ」
「お主は後二千年は生きる事が出来るであろう。そのリサは後六十ぐらいでなくなる。今はその気がないなら、我は六十年待ってやっても良いと思っている」
「お前、そんなに待てるのかよ!?」
「待つさ、我は汝、汝は我なのだからな」
そう言ってフレアはもう二度と俺の前には現れる事はなくなった。
俺は人知れず呟いている。
「我は汝、汝は我」
いったいどういう事なのだろう。
俺とフレアは一心同体なのか?
とにかく街は平和を取り戻したのだ。
俺はこの世界のヒーローだとも言える位になった。
こうなれたのも、フレアのおかげなんだよな。
汝は我、我は汝。
そう俺はアンデットなんだよな、回復系の魔法はダメだけれども、死の魔法をかけられると俺は回復出来る事が出来る。
それを知っているのはリサとアルとリディア何だよな。
そして俺は恐れた。後六十年が経ったら、リサもリディアもアルもいなくなってしまう。
時は過ぎていき俺とリサは伴侶となる儀式、いわば結婚式を挙げる事になった。
俺は白いタキシードを纏い、リサのウエディングドレスは凄く綺麗で輝かしかった。
そして子供も産んだ。
子供は女の子と男の子の双子の赤ん坊だった。
俺とリサは英雄として街を蔓延る事になった。
そして時は過ぎて行き、リサも年をとり、大分ふけて来た。
でも俺は老ける事はなかった。
ずっと若いままだった。
それでもリサは俺の事を愛してくれている。
それに子供達も大きくなって、男の子はアルの弟子になり、剣を撃つ仕事をしている。女の子の方は。お嫁に行った。
もう四十年が経ったけれども、俺はその四十年があっと言う間に過ぎてしまった事のように思えて仕方がなかった。
そうして俺はフレアの事を思い出していた。
汝は我、我は汝、これは宿命だとも思えて来た。
俺とリサの子供も独立して、俺はおじいちゃんになったが、俺は若いままだった。
でもリサや俺達の子供は普通に年をとっていく。
さらに二十年が経ち、リサはもう体が動けないほどの老婆になってしまった。
アルもリディアも死んでしまった。
俺達の子供も独立してどこか遠くに行ってしまった。
俺は老婆である。リサの介護を毎日している。
「ダイン、あなたは老けないのね!?それでもこんなに老けた私を受け入れてくれるんだね」
「何を言っているんだリサ。俺が愛するのはお前だけだ」
そして時は残酷に経ち、時と言う物がリサをこの世から消し去ってしまった。
俺は本当に幸せな家庭を作る事が出来たと本気で思っている。




