シーン34フェニックスを救え。
スタっと着地したフェリス。
二人は俺の目の前で余裕な笑みを見せる。
すると俺の隣にいたルキが口を開く。
『カッコ…………イイ…………です。』
『はい…………フェリス様もフェローム様も………本当にカッコイイです。』
ルキの言葉に頷き語るサラ。
まあ……この二人にしちゃあよくやってくれたがな。
俺がそんな事を考えているとルキは俺の手に当 てていた手を離していく。
『お兄ちゃん………もう傷は塞がったよ。』
『ルキ………………サンキュ。』
すると斬られた腕を見つめながらプルプルと震えていたのはケンタウロスだった。
『ぐぬぬ………………んがあああーーーーーーーっ!!??貴様らあああーーーーーーっ!?』
斬られた腕の傷口を押さえながら叫ぶケンタウロス。
俺はその光景を見つめていた。
『ふうぅぅぅ……………頭に血が上る…………これではいかんな…………………。』
青色の血液であろう魔族の証でもあろう血を滴らせていたケンタウロス。
『お前…………やはり魔族だったのか…………神と称されたお前が本当は魔族だったとはな。』
『フン…………爬虫類風情が何を語るのだ…………これは俺のちょっとした油断だ………このヒューマン共が作った兵器の身体を受け入れた時から……俺の血は青く淀み…………そして自身を最強の存在として受け入れたのだ…………例え魔族と呼ばれようが俺は己の道をゆくのみなのだ。』
『お前…………何かあったのか?』
『うるせえ…………俺はもうこの身体を受け入れたからにはこの地最強の名を手にしてくれる…………………そしてここに存在していたフェニックスを我が主の元へ届けるのだ。』
フェニックスは巨大な檻の中うなだれ……力無き状態だった。
ケンタウロスは口を開く。
『お前らには悪いが俺にも守るべきものがある…………その為ならば俺は神にでも…………そして悪魔にでもなってくれる。』
そう言い放ったケンタウロス。
するとボディの皮の部分がずるりと落ちていく。
そして内部からはキラキラと輝く鋼鉄のボディがさらけ出されたのだ。
『お前……………既に精霊でもなければ魔族でもない………………それは完全な機械兵器とでも言える………鉄の兵士になったのか。』
『ああ……………もう俺は生物としてのボディは一つだけ存在している………それは俺の心臓だ………だが俺は邪魔な存在の貴様らを倒し………フィガーロ様にフェニックスを献上する事が俺の使命である…………その為ならば。』
『その為なら……………………お前は生物じゃねえか………………いくらそんな鉄の兵士となったとはいえ………お前の中には血液が流れているだろう……………それがお前じゃねえか。』
『黙れ……………爬虫類に諭される俺ではない………俺は今をもって……………生物としての俺を終える……………………………そしてお前達を殲滅させてやる!!!!!』
そういい放ったケンタウロスは自身の身体に腕を突っ込んでしまう。
ドシャッと青の鮮血が辺りに飛ぶ。
次の瞬間。
ケンタウロスは思い切り腕を引き抜くとどくんっと跳ねた何か。
そう、それは自身の心臓だったのだろう。
次の瞬間…ドサッと膝を地につけるケンタウロス。
『ケンタウロス!!!???』
『きゃっ!!???』
『いやああっ!!???』
俺そしてルキとサラもその光景に思わず声を上げる。
すると。
プシューーーーーーーーーーっと何かが俺たちの背後から音が聞こえる。
俺たちは背後を振り向くとそこにはいつもの猫とイタチが立っていた。
『おっ!?時間か…………確かに三分たったのだったな。』
『はい!!もう三分たったから元に戻ったであります!!!』
『なっ!!???お前ら………そ、そうなのか………それは残念だったな。』
『フン………惚けるな………………ドラゴン…………来るぞ……………自分の心臓を握りつぶし…………本物の兵器になった………化け物が。』
そう言ったフェリス。
だがその時。
俺の身体になにかの力が流れ込んでくる。
これはなんだ!?
するとどこからともな聞こえてきたのはなんとあのフェニックスの声だった。
『ドラゴンという種族である…………あなた…………雷武と言いましたね。』
『ああ……………俺はドラゴン族最強の戦士雷武だ。』
するとフェニックスは続ける………………。
『私の元まで来たこと…………感謝いたします…………だが今私を捕らえているあやつは更なるパワーアップを果たしたようです…………その力は恐るべき兵器のものでしょう…………このままではあなたの力も及ばぬでありましょう。』
『ふん………やって見なけりゃ分からねーだろう。』
『ふっ……貴方は実にドラゴンらしいですね………いいでしょう……貴方はこの私同様質は違えど炎を力とする者………さあ………あのケンタウロス《敵》を共に。』
俺の炎に何かが加わる。
『さあ……いくぞ……………ケンタウロス!!!???』
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