シーン29フェニックス。
俺の炎に巻き込まれ、そしてテンタクルマシーンは燃え上がっていた。
ギギギという機械の作動音をさせながらテンタクルマシーンはそれでも、もがこうと動いている…………だが………。
するりとルキ達をいつの間にか手放し炎を消そうともがき動いていたテンタクルマシーンの動きは今……………停止したのだ。
『やった…………………お兄ちゃん。』
『凄いです…………。』
ルキの声とドライアードがそうつぶやく。
すると。
『雷……………武……………………さまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
そう叫んで俺に駆け寄り抱きついてきたのは妹ルキに瓜二つのサラだった。
『おっ………………おお……………サラ………無事だったか。』
『はいっ!雷武様のおかげで無事こうして……』
目を潤ませながら見つめてくるサラ。
『お兄……………ちゃん……………ありがとう。』
そう言いながら立っていたのは紛れもない可愛い我が妹ルキだった。
『よしよし!ルキも来るのだ。』
俺がルキを抱きしめてやろうと思い両手を広げると。
突然聞こえた声はいつも俺をからかってくるあの二人だった。
『うおおおおおおおーーーーーーーーっ!?ドラゴンーーーーーーーっ!?』
いつものように飛んでこようとするフェリス。
言うて、こいつは元はもこもこのボディの白毛の猫だ……いつもは油断から顔面に攻撃を受けているが今回はそう簡単に俺を吹き飛ばす事は出来まい。
そしていつものように丸い玉のようになり飛んでくるフェリス。
『クククッ…………お前は本当に甘いな……この俺がそんなものに吹き飛ばれるわけあるまい。』
そんな余裕の表情を浮かべていると。
向かってくるフェリスに俺は構える。
『ふん…………いつまでもそんな……………………。』
俺はそういいながら構えていた。
その時。
急激に動きに素早さがくわわっていたのだ。
『うおおおおおおおーーーーーーーーっ。』
そしてぐんぐん俺に近づいてくるフェリス。
『ふん…………………だがこの俺は今正気だ………来い!!!!!簡単に受け止めてくれる!!!』
次の瞬間。
何かがキラリと光るフェリス。
そして俺はフェリスを受け止めようとする。
『あまいいいーーーーーーーーーっ!?』
『こうか…………………………………………………っ』
ん!?あれ!?今何か……………おかしな言葉が聞こえたような気が。
すると。
どおおおおーーーーーーーーーーーっと目の前に迫り来る毛鞠フェリス。
ブニュっ!!!
そんな音と共に俺の顔面にヒットするフェリスのボディ。
『んがっ!?』
『きゃっ!!!???』
『お兄ちゃん!?!?』
俺の顔面にヒットしていた柔らかだったハズの毛玉はなんと!!
徐々に固くなってきやがった。
『ぬおおおおおーーーーーーーーっ!???』
ジョリジョリと俺の顔面に痛みを伴ってくる………だがその勢いは止まらなかった。
『雷武様っ!?!???』
『お兄ちゃん!!!???』
『ぐはっ!!!!?????』
俺の身体は宙に浮かんでいた。
ずしーーーーーーーーーーーんと沈んだ俺の身体。
俺は人生の幸福を感じながら………………大地に沈んでいったのだ。
チーーーーーーーーーーーーーーーーーーン。
『お前らあああーーーーーーーーーーっ!?』
さささっと逃げていくアホ猫とミリタリーイタチ。
『もう何やってるのお兄ちゃん。』
溜息をつきながら俺の傷を回復してくれるルキ。
『いてて…………すまんなルキ。』
『気をつけてねお兄ちゃん。』
『ああ……………サンキュ。』
俺たちがそんなやり取りをしていると。
目の前には…………サラと……………そしていつしか姿を見せた里の長老の姿があった。
すると長老が目の前で跪く。
『竜神様……………………この度は我が里をお救いくださり……………本当にありがとうございます。』
『ああ、気にするな。』
『ええっ!?お兄ちゃんが竜神様ってどういう事でしょうか?』
ルキはそう問いかけると言葉を返す長老。
『ええ………我々サラマンダー…………精霊と言っても実は根本的には竜族の力の源ともなりし精霊でもあり……竜族様方達と共にある………そんな竜族様方を崇拝する精霊なのです。』
『ほお…………だからこの俺の力を吸収できたのか。』
『ええ……貴方様がおいでいただいた事で………サラも………そしてこのワシにも力を回復させていただいたようです。』
『それは何よりだ…………だが俺たちもここに用事があって来たのだが…………。』
すると長老はゆっくりとルキに目を向けると………口を開く。
『ええ…………ですがそれを叶えるには………我らが神をお救い願えないでしょうか。』
『それは何者だ………?』
『ええ………我らが神………フェニックス様です。』
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