シーン14師匠。
俺達の耳に届く誰かの勇ましい声。
気になり、近づいていくと。
『誰だ!!???』
そいつは俺達に気がつくといきなり何かを投げつけてくる!!!
『危ないっ!!???』
突然アホ猫が叫ぶ。
するとアホ猫は俺を背後から掴みグッと押してくる!!!
俺を盾にするつもりだろうが、そうはいかない。
咄嗟とはいえ、この俺の身体をアホ猫が押してきたところで俺の身体はビクともしない……………。
『クククッ!いつもお前は…この俺への嫌がらせをしてくるが、素直にうけてやるほど俺は弱くはない……なあ………フェリスよ………………。』
俺はアホ猫に目を向け余裕の表情を向けてやる。
すると聞こえるルキの叫ぶ声。
『お兄ちゃん!!???危ないってばあーーーーーーーーーーっ!?』
『ん!?ルキ、俺なら大丈……………ぶはっ!!??』
突然俺の顎にバコーーーーーンっとクリーンヒットした何か。
それは不意打ちとしては出来が良すぎだのだ。
そして俺は顎に激痛を感じ………そのまま沈んでいったのだ。
◇
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『ほらあ……だから言ったでしょお兄ちゃん?危ないって…………………。』
ルキは俺に治癒魔法をかけながらそう呟く。
『う、すまん………ルキ。』
俺達がそんなやりとりをしていると、誰かの足音が近づいてくる。
先程の声の主だろうか…………………。
その足音に身構える俺達。
すると、ガサガサっという薮を掻き分けでてきたのは一匹の………いや………立って二足歩行してこちらに向かってくる一人のフェレットだったのだ。
だが、そいつは明らかにおかしな衣服を身につけていた。
ヒューマンでいうならば戦場で装備する……木々に紛れ同化させる柄の衣服……名は確か迷彩柄………そんな衣服を着た二足歩行のイタチがそこにいたのだ。
『『誰ーーーーーーーーーーーーーっ!?』』
俺達は一斉に声を上げる。
するとそのフェレットがフッと鼻で笑うと…口を開く。
『僕でありますか!?僕の名はヨーロディア、ロイッツェ国ロイッツェ軍一等兵!!その名は『フェローム大佐』であります!!』
筋肉でムキムキボディ……そして引き締まった腰周り、その肉体美?であると錯覚させる立ち姿で敬礼をする彼のその姿は見るものの目を思わず奪ってしまう程の圧倒感を見せるフェロームという珍獣がまさに俺達の前に存在していたのだ。
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俺達はそんな彼の自己紹介に圧倒されていた。
するとルキは手を合わせながらそんなフェロームを見つめる。
『か………カッコイイですぅ♡』
『えええーーーーーーーーーーーっ!?』
俺は大声で叫んでしまっていた。
そう俺の妹ルキの人を見る目は独特なのであった。
すると彼フェロームはルキに目を向けると一言告げる。
『お嬢さん……確かに僕はカッコイイかもしれない……………だが僕は軍人であり、この肉体は戦場を駆け回る為のものだ………惚れるなよ。』
そんな訳の分からない虚言を吐いたフェローム。
俺には、またおかしな奴が現れたなと思わせたのだった。
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フェロームはお茶を啜り口を開く。
『なんだと!?僕はここいらで修行していたが最近、周辺が騒がしくなっていたと思ったらそんな事が起こっていたとは…………。』
『そうなんですよ………フェロームさん………。』
ルキはこれまでの流れの話をフェロームに聞かせていた。
二足歩行の軍服を着たイタチがルキの言葉に顎に手をやり真剣に悩んでいる姿。
俺はその光景に笑いがこみ上げるが我慢をしていた。
『そこで私達は協力して魔王への対抗勢力として…………そしてこのヨーロディアの森林も守るべく動き始めたのです。』
ルキの話に付け加えるように説明するドライアード。
『ほお!!?ドライアード氏が言うのであれば尚、説得力があるというもの…………分かった…………そういう事ならこの僕も軍人として見過ごせまい。』
普通に考えればこの男……話す事もカッコイイのかもしれない……だがこいつはフェレットだ。
そう…………あのイタチなのである…まあ正確には精霊なのだが……。
軍人フェレットに目を潤ませ見つめるルキ。
するとあのアホ猫がルキとフェロームの間に割って入っていく。
『ほお?お前……この娘に認められるとは大した男だ……だが……この娘は既に僕の魅力にメロメロだ。』
『なんだと?僕は普段から自分を鍛え上げそして軍人としても大佐という地位をいただいている…この娘は僕に夢中なハズだ………ならば猫よ……そう思うなら僕と一つ勝負してみるか?』
二人は勝手な話をしている。
だが、これは面白い。
俺は密かにイタチを応援していた。
いつも生意気なアホ猫がむぎゅうっと負ける様が見れるかも知れない…………。
どす黒い考えが俺を支配する。
こうしてアホ猫VS軍人イタチの戦いが………。
なんとあっという間にケリはついたのだった。
『むぎゅう………………。』
負けたのは軍人イタチのフェロームだった。
俺の考えを見抜いたかのようにため息をつき俺を見ているアホ猫。
『ふぅ……お前は見る目がないのお………この僕が若造に負ける訳がないだろう?』
『くっ。』
するとフェロームは起き上がり深々と土下座をし、叫ぶ。
『ま、負けました!!僕を弟子にしてください!!師匠ーーーーーーー!!』
こうしてアホ猫に弟子ができたのだった。
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