シーン120魔王の影。
あの楽しかったクリスマスは過ぎ……俺達は平和に暮らしていた。
そんな…ある時。
俺は村の長老の呼び出しをうけていた。
ルキとルイは家にいる…そしてルテンは今日も道場へと行っていた。
俺はルキの言葉に渋々と長老の元へと向かっていた。
『ふぅ………あのジジイ………俺を直接呼べばいいものを………ルキにいえば俺が行くしかない事を分かってるからな……いつまでも汚い奴だ…………。』
俺はそんな事をブツブツいいながら向かっていた。
すると……ふと思い出したのは麒麟の事だった。
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『あにぃ…………僕ちょっと空島に行ってくるぞお!!』
『ああ……………気をつけて行ってこいよ!』
『うんっ!!行ってきます!!』
そう言って空島へと麒麟を送り出した俺。
麒麟はどうやらペガサスに呼ばれたらしい。
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そんな俺は一人……ジジイの元へと向かっていたのだった。
ふと俺は…………空へと目を向ける。
暗雲が立ち込めはじめるこの状況。
俺はうす気味悪い感覚を覚える。
『これは………………急ぐか。』
そして俺はジジイの元へと辿り着いたのだった。
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『来たか…………………………雷武よ………………。』
『ああ……………来てやった…………が………………なんなんだこの暗雲は!?』
『ああ………………この竜の富士に何らかの異変がおきようとしているのかも……………しれん……お前には今すぐその調査へと向かって欲しいのだ。』
俺はその言葉に何か嫌な気配を感じていたのだった。
『で?どこへ行けばいいのだ?』
すると首を横に振るジジイ。
『それが………全く分からぬのだ。』
『なにっ!?なんだと!?』
俺の声にジジイはその表情を曇らせていた。
『あの暗雲に気づいたのは今朝の事じゃった………先の見えぬワシはルキに何か見えぬかと、たずねてみたのじゃ………………すると…………今のルキにはそれが全く見えないものであった…………その為にワシはお主を呼んだのだ。』
『なあ……………もしかすると…………麒麟もペガサスに呼ばれたと言っていた……これは何か関係があると思うか?』
『可能性は…………あるかも知れぬ…………………これは恐るべき事態なのじゃ…………………この竜村を守る為に力を貸してはくれぬか………そしてルキ………あの子にも協力を頼んでは、いるのじゃ。』
『何っ!?ルキにだと!?』
『ああ………あの子も魔王討伐を果たしてくれた身……その力を再び…………この竜村の為に。』
俺はその言葉に胸が高鳴る。
『ルキは……あいつは今…………幸せな時を過ごしているんだ………戦いになるかもしれんこの状況に巻き込むんじゃねえよ。』
『雷武よ……………わからぬのか?この竜村の危機なのかも知れぬのだぞ!?そうなったら我が一族はどうやって生き延びるのだ!?』
『俺が守ればいいんだろ!?俺がやってやるよ!!???』
『フン…………お前一人で一体どうやってこの村を守るというのだ!?』
『そんなのやってみなければ分からないだろうが!!???』
『雷武よ……いい加減大人になるのだ………皆で力を合わせなければこの竜村……そして世界を守る事などできぬのだ。』
そんなジジイの言葉に俺はイライラしている。
『昔アンタはそう言って俺たちから……親代わりだったあいつを奪ったじゃねえか?』
『……………あの男は…………そういう運命……………だったのじゃ。』
『ジジイ……お前は、そう言いやがる…俺はまだいい…………だがルキは……………ルキはずっと泣いていたんだぞ!?お前達にせっかくできた親を奪われたのだぞーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!???』
俺は怒りでその場を飛び出していた。
怒りに任せ翼を広げ大空へ舞い上がっていく俺!!!!!
ぐんぐん上昇し雲を突き抜け………………………。
そして。
◇
◇
◇
俺は空を彷徨い飛んでいた………………………。
普段なら青空が広がるこの空…………今の俺は暗い闇の中をひたすら飛んでいるかのようだった。
『ルキ…………………ルイ……………………俺は………大人しくジジイの言う通り…………動けば良かったのか?』
そう呟くも、今……俺は只々暗い空を飛んでいた。
するとその時。
後方から何か恐るべき力を感じる。
『こ……これは……………………これはまさか!!???』
俺は引き返す!!!
これまでにないほどのスピードで飛ぶ俺。
行く先は俺達の竜の富士の竜村だ。
『ルキ………………………………ルイ……………………』
俺の脳裏には二人の笑顔が浮かぶ。
俺は空を疾風の如く駆けたのだった。
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