月刊冒険士4周年特別号
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冒険士1000人に聞いた、この冒険士は凄い!
【ベスト10】
第1位 レオスナガル 前回1位➡︎
(Sランク冒険士・南大陸)
第2位 シャロンヌ 前回2位➡︎
(Sランク冒険士・西大陸)
第3位 シスト 前回3位➡︎
(Sランク冒険士・西大陸)
第4位 ナダイ 前回5位⬆︎
(Sランク冒険士・南大陸)
第5位 エメルナ 前回6位⬆︎
(Aランク冒険士・南大陸)
第6位 セーレス 前回4位⬇︎
(Sランク冒険士・東大陸)
第7位 サランダ 前回9位⬆︎
(Aランク冒険士・北大陸)
第8位 サズナ 前回8位➡︎
(Aランク冒険士・東大陸)
第9位 ミルサ 前回7位⬇︎
(Sランク冒険士・北大陸)
第10位 リナ 初ランク入り
(Bランク冒険士・西大陸)
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冒険士1000人に聞いた、この冒険士は凄い!
【ベスト11位〜】
第11位 ブリジット 前回10位⬇︎
(Aランク冒険士・北大陸)
第12位 カイト 前回65位⬆︎
(Aランク冒険士・西大陸)
第13位 フロンス 前回15位⬆︎
(Aランク冒険士・東大陸)
第14位 アクリア 前回73位⬆︎
(Aランク冒険士・西大陸)
第15位 ナイスン 前回11位⬇︎
(Aランク冒険士・西大陸 すべて女性票)
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冒険士1000人に聞いた、パーティーを組みたい冒険士と組みたくない冒険士。
【是非一度パーティーを組みたいトップ5】
第1位 美しき女帝シャロンヌ
(三年連続1位。今回は表紙を断られて残念)
第2位 聖女エメルナ
(やっぱり若くて美人な娘は上にくるね)
第3位 みんなの兄貴ナダイ
(唯一男で入賞。アタシの兄弟も彼のファン)
第4位 好感度No. 1サランダ
(個人的にはちょっと苦手かな)
第5位 新星リナ
(またランク入りしたけど誰なのこの娘は?)
【絶対パーティーを組みたくないトップ3】
第1位 ハーレム王子ナイスン
(四年連続1位。王子だけど絶対王者)
第2位 S級暴君ミルサ
(投票者全員が匿名希望)
第3位 毒舌冒険士ライター中村バサラ
(ってこれアタシじゃないのさ⁉︎)
[ライター中村バサラのコメント]
よくある質問、なんで毎回ハーレム王子はパーティーを組みたい冒険士のほうにはランク入りできないのか? 回答、言うまでもなく一度でも彼とパーティーを組んだことがある奴にはハナっから投票権が無いから。つまりアタシが聞いてないから。王子のファンの娘達やらハーレムメンバーの女性冒険士うんぬんから毎回この質問くんだけどさ、お前らみたいに一度でも王子とよろしくヤッちゃってる奴らはそもそも王子に投票できねーの。アタシの情報網なめんな! それとパーティーを組みたくない冒険士のほうだけトップ3なのは上記の三人でほとんどの票数を獲得したからなんだけどさ……アタシに入れた奴あとで覚えてなさいよ!!
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冒険士レンジャー資格特別取得試験合格者。
【一名】
・ロイガン
(Cランク冒険士・西大陸)
[合格者からのコメント]
恥ずかしながら心底ホッとしとるよ。 これでようやく自らの役目を果たすこともできよう。それにあれだけ「受かる受かる」と周りから言われて合格できんかった日には、目も当てられんわい。ともあれ、これからは冒険士として第二の人生を歩まん。カッカッカ!
[試験官からのコメント]
今年は例年よりも試験の難易度が非常に高いと感じました。近ごろは高ランクモンスターの目撃情報も多いので、協会側が試験の合格基準を引き上げたのだと思います。そのため結果としてレンジャーになれたのは一人だけでしたが、それでも、我々冒険士協会は大きな戦力を獲得したと言えます。……あの、取材はこれでよろしいでしょうか? すみません、このあと人と会う約束をしていて。……え?私が月刊冒険士の表紙を⁉︎ いえいえいえいえ丁重にお断りさせていただきますッッ!
<101ページ>
冒険士資格停止及び降格処分者。
【二名】
・ノボル
(資格停止期間二ヶ月 Fランク冒険士に降格)
・チエ
(資格停止期間二ヶ月 Fランク冒険士に降格)
[二人の先生からのコメント]
せっかく二人ともEランクに上がれたっていうのに、一週間も経たないうちに見習いに逆戻りなんて。流石のあたしも開いた口が塞がらないわよ。本当にしょうのない子達ね。そ、両方ともダメダメよ。チエはノボルを止めようとしたって言ってたけどね。あたしから言わせれば同罪よ、同罪。避難せず一緒について行ったってことは、少なからず下心があった証拠だもの。だから彼もあの子達二人を平等に叱ったのよ。ええ、爽やかな顔でノボルとチエにゲンコツをお見舞いしてたわ。あれぞまさしく爽やかゲンコツね。え、ところでなんで男のくせにそんな喋り方をするのかって? やぁね、そんなのあたしがオカマだからに決まってるじゃない。
<特集ページ>
あの史上最年少Aランク冒険士、サズナ氏を独占取材!
「じゃあ早速、いくつか質問を……」(バ)
「最近運命の出会いがあったのだ!」(サ)
「い、いきなりぶっこんできたわね」(バ)
「ぷ〜、今でも鮮明に思い出すのだ」(サ)
「そりゃつい最近のことならね……」(バ)
「あれは真夜中の街を歩いてたとき」(サ)
「なんか始まったけど……まいっか」(バ)
「僕ちんは只ならぬ気配を感じたのだ」(サ)
「えっと、これ恋バナでいいのよね?」(バ)
「次の瞬間、彼は颯爽と現れたのだ!」(サ)
「おお、それで彼はどんな風だったの」(バ)
「動力車を頭に担いで走っていたのだ」(サ)
「ぶっ、やっぱり恋バナじゃなくてホラーじゃないのよ⁉︎」(バ)
「ぷっぷー、ホラーじゃないのだ。彼は筋肉の君なのだ!」(サ)
それは運命の筋肉との出会いだった。そうサズナ氏は語る。
「ぷっぷ〜、筋肉の君のマッシブは5万を超えてたのだ。つまり、空前絶後ってこと!」
「色々と突っ込むところ満載なんだけど、まずそのマッシブってなんなの?」
「僕ちんの筋肉ソムリエで視た、相手の筋肉数値なのだ」
「だめ、何言ってるか全然わかんない」
男の価値は筋肉で決まる。それがサズナ氏の座右の銘だという。
「あの晩、僕ちんはとある筋から、筋肉の君に関する有力な情報を掴んだのだ」
「またなんか始まったんだけど……」
「そしてついに、僕ちんは筋肉の君と再会を果たしたのだ! つまり、運命的ってこと!」
「……で? その彼とはどこで再会したのよ」
「動力車を頭に担いで山道を走ってたのだ」
「だからそれホラーじゃないの⁉︎」
あのとき全裸で山道を登らなかったことを今でも後悔していると真顔で語るサズナ氏。中村も言葉は選ばない方だが、サズナ氏のそれは次元が違った。
「ぷっぷ〜、声をかけた全員に表紙のモデルを断られて困ってる? それなら僕ちんに良いアイデアがあるのだ!」
サズナ氏のあまりの奇怪さに終始翻弄された中村だが、最後に彼女から思いがけないプレゼントがあった。
「特別号はこの僕ちんが表紙を飾ってあげるのだ。つまり、これで問題解決ってこと」
こうして、月刊冒険士4周年特別号の表紙は、魔技英展サズナに決定した。




