マジックと警察署
これから行くのは池袋。
都会なら金髪でもあんまり目立たないし、変な格好でも大丈夫だろう。
入学した高校もその近くにあり、僕は昔からその辺りは割とよく行っていたのでわかるはず。
そういえばなんか少し雰囲気が変わっているような感じがするけど気のせいか?
池袋に着き、駅の電光掲示板?巨大テレビでは天気予報がやっていた。
ん!?んん!?
そこには2032年とでていた。
あれから14年経っている。
僕が14歳だから時間の進み方はどっちにいても同じなのか。
そんなことを考えながら服を買いに店に入って物色していたら大事なことを思い出した。
お金がない!
どうしよう!
家族を探してみるか?
交番にいって少し目立ってみよかな?
ん〜
あ!そうだ!
池袋で路上ライブだ!
魔法を使ってマジックをしてみよう!!
これでチップを貰って服を買うぞ!
ーーー池袋西口広場ーーー
広場にはダンスや歌っている人がチラホラいる。
僕は目の前に虚空庫にあった帽子を逆さにして置いた。
「これからご覧頂くのはわたくしロイスによるマジックショーです」
僕は誰も集まっていない広場で大声を出す。
僕は水魔法で宙に水をどんどん出していき、それを見た広場にいた人達は瞬く間に集まってきた。
さすがにこれは目立ったか。
まぁいいやそれを上に放って霧状にしてばらまく。
そこには綺麗な虹が架かかり、拍手が巻き起こる。
次は瞬間移動でもするか。
そう考えていたとき警察がやってきた。
「ハーイ、散ってー。君、ここで何してるの?許可は取ったかな?」
「あー、えっと…取ってないです…」
「ちょっと話聞くからついてきてねー」
「…はーい」
結局警察にお世話になることになってしまった。
そのとき僕は気がついていなかったが僕のマジックを動画撮影していた人がいたらしく、某有名動画サイトにアップされてしまった。
この事がのちに大変なことになっていく。
ーーー池袋警察署ーーー
「では質問していくよ?」
「はい」
「名前は?」
「ロイス・ヴェスターです」
「歳は?」
「14です」
「学校は?」
「青蘭高校に行ってました」
「家は?」
「前はあっちのマンションにいましたが今はありません」
「えーと、ご両親は?」
「前はいましたが今はどこにいるかわかりません」
「君はマジシャンなのか?」
「一応そうですかね?」
「いや、聞いてるのはこちらなのだが」
「はい、すみません」
「んーどうしたもんかなぁ。まずは学校に問い合わせてみるからね」
「えーと、それは良しといた方がいいと思いますよ」
「なんでだい?」
「それは……」
「言えないのかい?」
「話します」
「聞こうか」
「僕は14年前、青蘭高校で起きた爆発事故の犠牲者でこことは違う世界に飛ばされていました。」
「んー信じろっていうのかい?」
「……はい」




