閑話 春本の憂鬱2
やっと下山することができたが降りるまでにもかなりの数死んでいる。
この山を降りたあとすぐに高さ15メートルはあろう木々が生い茂る森へと突入した。
マジでここ抜けるのかよ。
人いるのか!?本当に
ただひたすら歩いていると突然人工物が現れた。
それは遺跡のような石を削って作られた何かだ。
割と古そうだから人がはいないかもしれないな。
期待半分と諦め半分とを持ちながら進んでいくうちに道が見えてきたのだ。
「おっ!?道だ!!!」
つい嬉しくて叫んでしまった。
数分後、俺は数本の矢に貫かれ死んでしまった。
ーーーセーブポイント・森ーーー
「さっきのはなんだったんだ?全くわからなかった」
矢を使える何かがいたということはわかったから収穫だな!
早くさっきの道まで行ってみよう。
さっき死んだ場所にやってきた。
ん〜誰もいないなぁ。
お?足跡があるぞ、辿っていくか!
それを辿ること数時間、さっきからあるような木々とは比べ物にならない大樹が見えてきた。
その足元には先ほどの遺跡のようなものが併設しており、あの大樹を守っているかのようだ。
よし!行ってみるか!
そこに近づくにつれ、耳の尖った人をちらほら見かける。エルフか!
そして、俺のことをジロジロ見てくるのだ。なんだっていうんだ
ようやく大樹の近くに着くと偉そうなエルフが数人でてきた。
「お主が龍神様の友人か?」
「え!?あ、ああ、多分そうだと思うけど何で知ってるんだ?」
「そのことも話すのでついて来い」
「あ、はい」
俺はエルフの偉い人に連れられエルフの里に入ることになる。
エルフの里は中心にさっきの大樹が立っており世界樹と言うらしい、別名ユグドラシルとも言うんだって。
そして、その周りを囲うように街が作られていて石造りと木造のハイブリッドになっている。
エルフはイケメンと美人ばっかりで数はそこまで多くはないみたいだ。
俺は中心にある大きな建物の中へと連れて来られた。
「そこに座るがよい」
「はい」
「ではまず、エルフは皆この世界樹と繋がっておるのだ。そして、世界樹からのお告げを聞くことができる。その世界樹が龍神様と友人だということは周知の事実で、今回龍神様から人間の友人がエルフの里に下りていくかもしれないという話しがあったのだ。その話はエルフ全員に伝わっており、人間が来たらその者をよろしくだけ伝わってきて、そこはお主がやってきたのだ。」
「そんなことになってたんですね…」
「なのでこの里でゆっくりしていくと良い。龍神様の友人ならば歓迎するぞ」
「ありがとうございます!」
こうして俺はエルフの里に滞在することとなった。
そして、建物をでて村長の家に泊まることになったので案内してもらっているとエルフの狩人っぽい集団とすれ違った。
その集団は俺を見た瞬間ギョッとしたのだ。
「村長!!そのものは悪魔だ!!殺した方がいいでしょう!!」
「なんじゃ、お主ら。このものは世界樹のお告げにあった龍神様の友人だぞ!無下にするな!」
「そんな!村長っ!!俺たちは見たんだ!こいつに矢が刺さったのに!死んだはずなのにここに来れるわけがない!!」
「おい、それはどういうことだ!お主たち何をしたのだ!」
「あ、いや、それは……」
「話を聞かなければならないな、お主らこっちへ来るのだ!!」
「龍神様の友人殿、あの家は私の家なので先に行っていてほしい、娘には話を通してあるのでの」
「はあ、わかりました」
俺が村長の家に向かおうと振り向いた瞬間、男たちの1人が矢を放った。
ヒュンッ!!
俺の頭に命中し、死んでしまった。
ーーーセーブポイント・里の前ーーー
「びっくりしたー!!」
俺はすぐに里に入りさっきの場所へ行く。
「村長さん!」
「なぬっ!?お主死んだんじゃないのか!?」
「死にましたが俺のスキルで生き返りました!!」
「そ、そうか。よかった。お主を襲った奴にはしっかり罰を与えておくので安心してくれ」
「いやぁそれはいいですよ!気にしてないんで!」
「おお、寛大なお心遣いありがとう。里でゆっくりしていってくれ」
そのあと村長の家にいくと娘さんを紹介してくれた。
「ラフィ、帰ったぞ!龍神様の友人殿だ。これが私の娘のラフィだ。」
「ラフィです。よろしくお願いします。」
「俺はカンタ!よろしく!」
やばい、可愛い!!!
当分ここに滞在することにしよう!




