ピエールと初日
売ります
今、解体場にはお姉さんと僕、素材と死骸と魔石しかない。
「こ、こんなにですか!?ちょっと会長を呼んできますのでお待ちください!」
「はい、すみません」
すぐにその男はやってきた。
チェーンの付いた丸メガネに横に長いヒゲをした高身長のピエールっぽい人だった。
「こ、こ、これはど、どうなされたんですかっ!?」
「この子が持ってきました……売りたいと」
「すみません。あなたがこれの持ち主でございますか?」
「はい、そうです。やっぱりこの量を一気に売却はできませんよね?」
「いえいえいえ、我らピエール商会はお客様第一ですよ!!売却ですね!!すぐ精算いたしましょう!!まずは品定めをさせていただきますので、この量をだと数日はかかってしまいますがよろしいですか?」
まさかのピエールだったー!!(笑)
「はい、よろしくお願いします」
「すみませんが、応接室で話を伺ってもよろしいですか?」
「はい、もちろんです」
僕はピエール商会の社長に連れられ応接室へと入っていく。
そこは豪華な装飾や絵画がありきらびやかな部屋になっていて、中央にはこれまた豪華なソファーが置いてある。
「そちらへどうぞ。あ!大変失礼しました!まだ名前を言ってませんでしたね!
わたくしはピエール商会の会長をしております、ピエール・ソワンと申します。以後お見知り置きを。それではお名前を伺ってもよろしいですか?」
「はい、ロイス・ヴェスターと言います。昨日王国魔法師育成学校に入学しました。よろしくお願いします」
「おお、あそこの生徒さんでしたか!それにヴェスターとはもしや、アルス・ヴェスターさんと関係がございますか?」
「兄です。知っているんですか?」
「ええ、もちろん!武闘大会では目立ってましたからね」
「その弟さんならばあの素材の量も少しは納得です!ですが、あの量をどこから持って来たのですか?」
「一応知られるとあまり良くないのですが魔法を使いました」
「そうなのですか……。今度教えてくださいね♪♪」
「機会がありましたら」
「では、2日後にまたここにいらしてください。時間はいつでも大丈夫ですよ」
「はい」
これで遊ぶお金もできるし、明日から何しようかな。
まずは学校か。
ーーー翌日ーーー
「おはよう!今日から授業ですね!みなさん気合いいれて行きましょう!」
先生が鼓舞してくれる。
午前は座学で魔法の基本的なことを学んでいき、午後は実技がもう始まるみたいだ。
「ロイス!お昼食べに行こう!」
マークが話しかけてくれた。ありがとう。
「いこう!学食初めていくから楽しみだな」
「ホントだね!何食べようか」
騎士学校と魔法師学校が隣接していて共有施設はその間に位置していた。
学食ももちろん共有なのでバカでかい食堂になっている。
ランチは3種類用意されているが味はわりと美味しいほうだ。
そして、マークと僕が食べているとやはり周りの視線は僕らの方にきている。
魔王に友達ができたぞ!という風な噂でもしてるのかな。
マークよ!ごめん!
「ロイス、凄い見られてるね!本当にどれだけ壊したらこうなるんだろうな」
マークは全然気にしてないのか。
ありがたいな。
ほっこりした気持ちのまま午後の授業に突入だ。
授業が始まる。
「今日はみなさんの実力を見るだけなので気楽にやりましょう!」
「はーい『はーい』」
「自分の得意な魔法を見せて下さい、ロイス君以外は!ロイス君は絶対で本気でやらないように!これは校長命令だからね!」
「はーい」
みんなこの学校に来るくらいだからそれなりに良くできている。
初回としてはいい手応えなんじゃないか?
そして、僕もこっそりと
力を流して参加しよ。
「ロイス君!危ないからやめて!」
先生が大声でそれを阻止しようとする。
この日はもうこの繰り返しで授業にならなかった。
「ロイス君!1年生のうちは魔法使う機会ないと思うからよろしくね!」
そんな!!!
次はピエールの視点




