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44 罠発動! 結果、とんでもない事態に!


 説明したはずが、ミミをおびき寄せる結果となってしまった。


 月見団子を美味しそうに頬張る姿を見ていると、もう一個あげた方がいいのか、真剣に悩んでしまう。


 しかし、あまりまったりとしているわけにもいかない。


 アックスブルがいつまでもあの場にいるとは限らないのだ。


 準備はなるべく早く済ませてしまうべきだ。


 というわけで、誘引用月見団子の設置に入る。


「うまくいくかな……」


 峡谷からアックスブルのいるエリアへ向けて、ひたすら月見団子を作りだして置いていく。


 数量は超大量。


 餅ロードと言っても過言ではない大量の月見団子を、大地に敷き詰めた。


 一応、ゴールの峡谷に最大量(山)を設置し、アックスブルがいるボイントに近づくにつれ、量を減らしておく。


 先に進めば進むほど、量が増えていく寸法だ。


 アックスブルがいるエリアへは、なるべく近づかず、投げて設置した。


 とにかく、安全第一で事を進めていく。


 これでうまく誘導できるといいんだけど……。


『マスターのお餅は美味しいから絶対行くよ!』


 目をキラキラとさせたミミが、励ましてくれる。これは嬉しい。


「ミミは優しいなぁ。お、来た! 隠れるよ」


 お礼を言っていると、数頭のアックスブルが月見団子に気付き、動き出した。


 俺は慌てて物陰に隠れ、ミミと一緒に誘導作戦の成否を固唾を飲んで見守る。


 アックスブルは月見団子の味が気に入ったようで、食べ進めていく。


 あれだけの大群で移動しているだけあって、食料に困っていたのだろう。皆空腹のようだ。


 大群の中の一握りの集団が、月見団子に釣られて動き出す。


 すると、他のアックスブルも食料の気配を感じたようで、連鎖的に動き始める。


 大群全体が動き出し、流れが出来た。誘導成功だ。


 ある瞬間をきっかけに、ダムが決壊するかのように移動の勢いが増していく。


 先に進めば進むほど月見団子は大量にあるので、我先にとアックスブルたちが駆け出し始めたのだ。


『やったね!』


「いい感じだ。このまま行ってくれ」


 二人で作戦の成功を喜びつつ、大群の移動を注視する。


 数が多いだけに時間はかかるが、――後少し。後少しで狙い通りになる。


 待つことしかできないことに、じれったさを感じてしまう。


 俺は群れの移動方向が変わらないことをひたすら祈った。


 祈りが通じたのか、アックスブルの群れの全てが峡谷へと移動した。


 ここからでは見えないが、先頭集団は今頃月見団子の山に突撃しているころだ。


「よし、今だ」


 アックスブルの大群が峡谷に入り込んだのを確認し、入り口をアイテムボックスから出した大岩で塞いでいく。


 ウィンドウで個数を指定し、まとめて取り出す。


 大岩を片手に一つずつ持ち、ひょいひょいと投げつける。


 大岩はそれに見合う重みを感じさせる音を立てながら、軽快に積み上がっていく。


 そして、ものの数秒で、峡谷を塞ぐことに成功する。


 これで両端を大岩で封をしたので、そう簡単に出ることはできない。


 後は煮るなり焼くなりお好きにどうぞ、といった状態だ。


『すごーい! 閉じ込めちゃった! 』


 ミミが興奮した様子で積み上がった大岩を見つめる。


「後は倒すだけだ。頑張って石を投げようかな」


『マスター、頑張って!』


「これは断然やる気が出るな」


 ミミの激励を聞き、やる気が漲ってくる。よし、頑張ろう。


 峡谷の上に移動した俺は、アックスブル目がけて石を投げつけてみた。


 大群は密集状態のため、適当に投げても命中する。


 投石を受けたアックスブルはあっさり絶命した。一撃必殺である。


「うまくいったけど、効率が悪いな……」


 大群相手に一頭ずつ倒していくというのは、時間がかかりすぎる。


 下を見下ろせば、群れの一頭が死んだというのに、周囲に全く動揺が見られない。


 皆、月見団子にくびったけである。


 どうやら危機察知能力より、食い気が勝っている様子。


 まあ、あれだけの数の中で一頭だけ死んでも、元々大きな騒ぎに発展しなかったのかもしれない。


 石を大量に握りこんで散弾銃のようなイメージで投げてみるか? と考えるも、それでも大した数を倒せない気がする。


 何より、余り倒せないうちに、パニックを引き起こしてしまって、逃げられては意味が無い。


 こうなると、やることはひとつしかない。



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