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186 遭遇。まさかの事態に……!

 

 と、解体についての自分ルールを決めながら森の外へ向かっていると、うつぶせになって倒れている人たちを発見する。



 死んでいるのか!? と目を凝らすと胸の辺りが上下しているのが分かった。


 どうやら息はしているようだ。


「大丈夫ですか?」


 と、倒れている二人組へ駆け寄る。


 二人は顔を上げて俺の方を見るも、深い傷を負って動けないようだった。


「……あんたも気をつけた方がいい。近くにジャイアントフォックスがいやがる」


「俺たちは何とか逃げ出せたんだが、この傷だ。ここも危ない、すぐに逃げないと!」


 二人は、荒い息を吐きながら、この場が危険だと告げた。


 けど、ジャイアントフォックスっていうと、さっき戦ったモンスターだよね。


「それなら安心してください。さっき遭遇して倒しましたんで」


 俺は二人を安心させようと笑顔でそう告げた。


「え……」


「うそだろ?」


 二人組は驚愕の表情を浮かべ、絶句する。


 倒せたという事が信じられないのかな?


 それなら実物を見せればいいか。


「ジャイアントフォックスって、これですよね?」


 アイテムボックスから今倒した死骸を取り出し、確認する。


 これで安心してもらえるかな。


「そ、そうだ。まだ温かいし、間違いねえ」


「まじかよ。あんた、すげえな……」


 どうやらジャイアントフォックスを討伐したことを信じてもらえたようだ。


『ケガしてるね。痛そうだよ』


 ミミが俺の服を引き、二人組の状態を心配する。


 俺はミミに頷き返すと、餅スキルで月見団子を作りだし、癒やしスキルを注ぎこんだ。


「良かったら、これを食べてください。傷の治りが早くなりますんで」


「いいのか? 悪いな」


「おお、甘いな。こんなので傷が治り易くなるのか……」


 二人は俺から月見団子を受け取ると、口に放り込んだ。


 味の方は好評のようだ。


「あれ……? 全然痛くねえ。うおっ、治ってやがる!?」


「俺もだ! すげえ、どうなってるんだ……」


 月見団子を食べた二人は体の異常に気づき、傷口を確認。


 傷が完全に塞がり、完治していることに驚く。


 レベルカンストした俺が使う癒やし効果スキルは、即効性も抜群なのだ。


『これもどうぞ。美味しいんだよ』


 と、ミミが二人に飴を差し出す。


「お、おう?」


「これも薬か何かか?」


「いえ、普通の飴です。よかったらどうぞ。甘い物を食べると落ち着きますよ」


 薬ではないことを説明しつつ、飴を勧める。


 ずっと緊張状態だったろうし、飴を舐めれば少しは気も紛れると思う。


「ありがとうよ」


「ふう、一服って感じだな」


 飴を口に放り込んだ二人は深く息を吐いて脱力。


 落ち着きを取り戻してきているのが伝わってきた。


「良かったです。街に帰れそうですか?」


『一緒に行く?』


 ミミと二人組の体調を確認する。


 傷が治っても、疲労が残っているかもしれない。


 体調が優れないなら、送っていくべきだろう。


 と、心配していたが、二人は飛び起きて走り回りだした。


「これならすぐに動けるぜ!」


「ああ。街まで走って帰れそうだ」


 その場で跳びはね、体の具合を確認する二人。


 二人は笑顔で快活に動き、調子の良さをこちらへアピールしてくれた。


「あんた、ありがとうよ!」


「俺たち稼ぎが少ねえから、礼を言うくらいしかできん。すまん、感謝する!」


「いえいえ、こういうのは助け合いですから。お気持ちだけで充分嬉しいですよ」


 俺の返事を聞くと、二人は深く頭を下げた後、街へ向かって帰って行った。


『元気になってよかったね!』


「そうだね。偶然出会えて良かったよ」


 元気になった二人を見て、ミミと笑い合う。


 もし、会うのが少しでも遅れていたり、ジャイアントフォックスを討伐していなかったりしたら、大変なことになっていた。


 運が良かったが故に起きたことだ。


 俺とミミは冒険者を助けられたことを喜びながら、街に戻り素材買取所へ向かった。



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