185 錬金術が発動するも、とんでもない事態に……!!
ログハウスを片付け、森を抜けようとミミと二人で歩いているとモンスターと遭遇する。
かなり大きい個体だが、以前にも戦ったことがあるモンスターだ。
確か名前はジャイアントフォックス。鑑定して名前を確認すると合っていた。
ジャイアントフォックスはこちらに気付き、威嚇の咆哮を上げた。
『よっこいしょ!』
が、その隙にミミが根を生やしてジャイアントフォックスを拘束してしまう。
「それ!」
俺は身動きの取れないジャイアントフォックスに投石。
投げつけた石はジャイアントフォックスの頭部を貫通し、絶命させた。
「ミミ、ナイスアシスト!」
『今のは捕まえやすかったの。マスターもナイスハント!』
と、お互いに褒め合いハイタッチ。
その後、モンスターをアイテムボックスへとしまった。
このようなモンスターとの遭遇は、今回が初めてではない。
森で料理をするようになってから、モンスターとの遭遇は頻繁に起こっている。
しかも、置き引きされやすい場所を求めてウロウロするものだから、必要以上に遭遇してしまっている。
そのお陰でミミとのコンビネーションには磨きがかかったが、モンスターを倒した数は相当なものになっていた。
シプレの街で密かに倒して回ったモンスターもそのままだし、かなり死骸も溜まってきた。
そろそろ素材買取所で売ってしまうべきかな。
「そうだ、この間思いついた解体方法を試してみるか」
と、思い立ち、素材の買い取り価格が安いハンマーヘッドチキンの死骸を取り出す。
こいつで試せば失敗しても大した損害にはならない。
以前、トレントを錬金術で材木へ加工した際、これができるなら普通のモンスターの解体もできるのでは、と思ったのだ。
早速、創造補助スキルで解体レシピを検索してみる。
「やっぱりできそうだな」
ただし、ハンマーヘッドチキンという種類の括りではなく、個体専用の魔法陣になるみたいだ。
つまり、個別に微調整した魔法陣を描く必要があるわけか。
以前トレントを複数同時に加工した時も同じ感じだった。
どうやら一つの魔法陣を覚えたら、モンスター全体に適用できたり、同じ種類のモンスターに適用できたりといった応用は利かないみたいだ。
残念ながら汎用性が全くない専用魔法陣ということらしい。
俺は創造補助スキルで検索できるから全く手間ではないが、スキルなしで魔法陣を描くのであれば滅茶苦茶難易度が高そうだ。というか、不可能に近いんじゃないか?
「まあ、やれるんだしやってみるか」
と、魔法陣を魔力で描いて、魔力を通す。
パチンと指を鳴らすと同時に白煙が上がり、解体が終了した。
「あ、血が……」
しかし、血液も解体の対象に入れたため、ドバッと周囲に溢れてしまう。
――血の海の真ん中に綺麗に解体された素材群。なんとも猟奇的な光景だ。
「これなら血液は消してしまった方がよかったな」
だけど、血液や体液も素材として売れる。買い取り対象なのだ。
邪魔だからと消去してしまうのはちょっともったいない。
モンスターの血や体液は別のモンスターの物と混ぜ合わせることにより、プラスチックやゴムのように加工できるため、結構需要が高いのだ。
もし回収するなら、あらかじめバケツかなんかを用意しておかないとな。
「とりあえず、今回は血液と体液は消去して解体してしまうか」
一体の解体で感じは掴んだので、ランダムに三百体ほど処理してしまうことにする。
今回の解体は溜まった死骸の処理が優先なので、血液の回収は諦めた。
アイテムボックスから溜まっていたモンスターの死骸を三百取り出し、設置。
スキルで解体の魔法陣を検索し、魔力を通す。
指を鳴らせば、白煙が上がり全ての解体が終了していた。
早速出来上がったものを回収し、アイテムボックスへ収納していく。
「よし、完了っと。待ち時間がない上に、解体手数料も取られないからいいな」
後は素材買取所で売ってしまえばいい。
これは簡単に済むし楽でいいな、と考えながら撤収を始める。
でも、解体手数料が節約できるってことは、素材買取所の儲けが減ってしまうことになる。
「解体済みの素材ばかり持って行ったら嫌がられるかもしれないな……」
素材の買い取りでずっとお世話になる施設だし、良好な関係を保つためにも解体は任せてしまった方がいいか。
解体済みの素材を持っていって嫌な顔をされてまで、儲けにこだわる必要はないしね。
それほど高い手数料でもないし、量が多すぎて相手の負担になってしまう時や、急ぎの時だけ自分で解体するかな。
基本的には、なるべく素材買取所を利用する形にしよう。
と、解体についての自分ルールを決めながら森の外へ向かっていると、うつぶせになって倒れている人たちを発見する。




