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160 実食! とんでもない夕食に……!

 

 ……うん、大体が魔法で一発でした。



 大して手間はかかってないんだよね。


「ジョゼさんが作業している間に、俺たちで部屋の掃除をしていましたからね。気がつかなかったんですか?」


 結構バタバタと音は立てていたと思うが、全く気が付かなかったのだろうか。


「集中していたので全く……」


「物に関しては捨てていいか分からなかったので、木箱にまとめてあるだけです。あとでチェックして捨てられる物があったら、捨ててくださいね」


「わ、分かった。しかし、一日でこんなに綺麗に掃除してしまうとは……。大変だったのではないか?」


 驚いた様子のジョゼさんが、こちらを気遣ってくれる。


「いえ? 魔力清掃で一発ですよ。ねー?」


『ねー』


 俺はミミと目を合わせて頷き合った。


 楽勝でしたよ。


「魔力清掃というと、生活魔法のあれのことを言っているのか?」


 と、ジョゼさんが疑問顔で尋ねてくる。


 俺はその質問に「はい」と、頷いた。


 それ以外に似たような魔法でもあるのかな。


 まあ、俺が使ったのは生活魔法で間違いない。


 俺の言葉を聞き、目を見開いたジョゼさんが驚愕の表情で固まった。


「馬鹿な……。生活魔法でそんな威力は出せないぞ……。精々身の回りや、自分自身を軽く綺麗にする程度だ。建物ひとつ丸々綺麗にするなんて不可能だ」


「魔力の少ない人でも何度も魔法を使えば、いけるんじゃないですか?」


 俺とミミは一括でやったけど、普通の人でも何度も魔法を使えば、なんとかなりそうな気がするけど。


「集中力が切れるか、疲れて倒れるな。そんな広範囲をやるなら普通に掃除した方が効率的だ」


「そ、そうだったのか。全然疲れないし、楽勝だったけどな」


『ミミもできたよ?』


 ミミと二人、腑に落ちないといった気分で首を傾げる。


 でもまあ、出来たんだし、いいんじゃないかな。


 負担も感じなかったし、これからも掃除は魔法でやってしまおう。


「ミミも魔力が強くなったからだろうね。それはそうとご飯にしましょうよ」


『お腹ぺこぺこだよ』


 掃除のことから興味が薄れた俺たちは、食事にしようとジョゼさんに訴えた。


「そ、そうか。待たせてすまなかった。行こう」


 皆でダイニングへ移動し、料理の前に到着する。


 すると、ジョゼさんが軽く驚いた表情で立ち止まった。


「ほう……、これを君達が作ったのか」


「見た目はちょと不恰好ですけど、味見したので味は問題ありませんよ」


 不均等にカットされた具材があれども、味は大丈夫。


 後は好みの問題だ。ジョゼさんが好きな味つけだといいけどな。


「いい香りだ。それじゃあ、いただこう」


「いただきます」


『いただきまーす』


 皆で挨拶し、食べ始める。


 ラッシュボアのポークソテーをカットしてひと口。うん、旨い。


 自画自賛だが、よく出来ている。


 ミミも何も言わずにもくもくと食べていることから、美味しいと思ってくれているはず。


「美味しいな。申し分ない出来だ。これなら料理は君に任せたほうが良さそうだな」


 しばらく食べて、ほう、と一息ついたジョゼさんが感想を漏らす。


 人に美味しいと言ってもらえるのは、やっぱり嬉しいものだな。


 今まで料理なんて振舞ったことなかったし、新しい発見である。


「ありがとうございます。掃除や洗濯も任せて下さい。ジョゼさんは作業に集中して、魔走車を完成させて下さいね」


 規約上、魔走車に関する作業は手伝えないが、こういったサポートなら問題ない。


 ジョゼさんには早く魔走車を完成させてもらわないといけないので、家事を頑張っていこうと思う。


「助かる。これなら期限までに完成させられそうだよ。君達が来てくれて本当によかった」


「大した事は出来ないですけど、応援しています」


『うふふ、ジョゼさん頑張って!』


 ジョゼさんの言葉に、俺たちは笑顔で応えた。



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